秋田竿燈まつり[秋田県・秋田市]
江戸時代中期、お盆を前に邪気や病魔を払い、身を清める「ねぶり流し」と、五穀豊穣の願いを込め、提灯を米俵に竿燈全体を稲穂に見立てて練り歩いたことが由来とされています。現在は、8月3日~6日の4日間、竿燈大通りを会場に開催されています。各町内や、各種団体重さ約50キロの竿燈を手のひら、額、肩、腰などに乗せて、次々に差し手による妙技が披露されます。今日では、各種団体・企業から280本を超える竿燈が出竿されて、その風情はまるで風にそよぐ黄金の稲穂のようです。
一人角力[愛媛県・今治市]
毎年春の御田植祭と、秋の抜穂祭において、大山祇神社で行われる相撲神事です。目に見えない稲の精霊と相撲を取るため一人角力といわれます。「稲の精霊」と「一力山」による三本勝負で行われ、稲の精霊が2勝1敗で勝つことで春には豊作が約束され、秋には収穫を感謝するという意味があります。その歴史は650年以上に遡るといわれ、一時は途絶えるも、地元の奉仕者の尽力により平成11年に復活を果たしました。愛媛県指定無形民俗文化財。
座喜味棒術[沖縄県・読谷村]
座喜味棒術は、約 500年の歴史を持ち、座喜味城主護佐丸公の時代に遡るといわれています。棒術は自分達の身を守るだけでなく、集団で村の防衛を果たすものでもありました。沖縄各地には様々な棒術が伝わっていますが、 「座喜味棒」は実戦的であることが特徴です。6尺棒と3尺棒を自在に操り、常に相手の急所を狙って攻める戦いは、緊迫感と様式美に溢れています。座喜味棒保存会は1975年に設立され、県内での演武はもとより、東京、ブラジル、ハワイ、韓国、台湾など県外国外でも技を披露してきました。現在は、後継者育成を目的に子ども会へ指導者を送り、継承発展に努めています。
江戸火消しの梯子乗り[東京都]
消防出初式は、年明けの恒例行事として各地で行われています。今日では様々な消防演技が披露される中にあって、「纒振り」や「梯子乗り」、「木遣歌」は、江戸時代の町火消の心意気を今に伝えています。梯子乗りの起源は定かではありませんが、消防出初式の元祖といわれる上野東照宮前の「出初」に由来すると伝えられています。現在、各自治体の消防出初式において演じられる梯子乗りは、主に消防団員が行っていますが、東京消防出初式では、「江戸消防記念会」がその技を保存、伝承しています。
三島囃子[静岡県・三島市]
三島囃子は、天文年間(1532~1554年)の頃、三島明神の神領内の若者たちに伝えられた「お囃子」と、江戸時代に西と東の文化が混ざり独自に発展した「しゃぎり」の総称です。8月の「三嶋大祭り」では、当番町の山車引回しを中心に大通りに10数台の山車が並ぶ「山車シャギリ大会」などが行われ、
市内中に三島囃子の音色が響き渡ります。中でも「競り合い」は町内ごとの山車が対面したときなどに競い合って行う勇壮な演奏で、この祭りのハイライト的な存在であり、三島の夏の風物詩ともなっています。
阿波おどり[徳島県・徳島市]
阿波おどりは400年を超える歴史を持つといわれる、徳島が世界に誇る伝統芸能です。期間中は街中に軽快な音色(ぞめき囃子)と情感あふれる「よしこの」が響き、踊り子や見物客の身も心も弾みます。自由な民衆娯楽として大きく開花した阿波おどりは、東京・高円寺、埼玉・南越谷をはじめ全国各地に根付いたうえ、度々海外公演も開催されるなど、今や世界的にもその名を知られています。