地域に邦楽の魅力を伝えていくため、地域創造が派遣する演奏家による地域交流プログラムやホールプログラムを実施する「公共ホール邦楽活性化事業」。今年度は10月から来年3月まで全国7地域で事業を展開します。今号では10月5日~7日の日程で開催された、熊本県宇土市の模様をご紹介いたします。
宇土市は、熊本県の中央部に位置する、人口約3万6千人の市です。市内にある宇土市民会館の指定管理者であるNPO法人宇土の文化を考える市民の会が主催となり、箏・三絃・十七絃の藤重奈那子さん、箏・十七絃の遠藤咲季子さん、箏・三絃の森梓紗さんを招いて実施されました。
アウトリーチは児童センターや駅舎など対象も場所も異なる4カ所で、邦楽との出会いやプロになろうと思ったきっかけなどのお話を交え、邦楽の魅力を伝える楽曲を披露しました。
最終日には、「韻─HIBIKI─めくるめく色彩と一音の生命力」と題した公演が開催されました。舞台上に客席を配置したり、客席を三方に取り囲む演出で、演奏家の手の動きや奏でる音を間近で感じることのできるコンサートとなりました。最終曲の『脆性ノスタルジア』では箏・十七絃の特殊奏法による新鮮な音の響きに耳を澄ませながら、皆さんそれぞれの夏の記憶に思いを馳せていました。アンコールの『おてもやん』では自然と手拍子が生まれ、会場全体が一体感に包まれました。
公共ホール邦楽活性化事業に関する問い合わせ
芸術環境部 森永・矢嶋
Tel.03-5573-4069