一般社団法人 地域創造

調査研究報告書(平成29年度)

公立文化施設の管理運営状況に関する調査研究

調査研究の概要

平成15年の地方自治法の改正によって、地方公共団体の設置する公の施設に指定管理者制度が導入されて以来、多くの施設で同制度が取り入れられ、指定管理者も多様化しています。一方で、指定管理者制度を取り入れずに直営で運営している施設も多くあります。
この調査研究においては、指定管理者制度が創設されて以後の導入状況も含めて、全国の公立文化施設の管理運営の状況を把握するためにアンケート調査を実施しました。
地方公共団体の文化施設等の設置状況を把握する「基本調査票」、個別の文化施設の管理運営状況を把握する「個別調査票」については「直営」と「指定管理者」で設問を変えて調査票を作成しました。

[有効回答数]
基本調査票(地方公共団体数)  917件(回収率51.2%)
個別調査票「直営」(施設数)   917件
個別調査票「指定管理」(施設数) 926件
(注)個別調査票は、回答する地方公共団体が設置している文化施設等の数に応じて複製して回答することになっているため、回答のない地方公共団体の文化施設数(配布数)の把握ができない。従って、個別調査票については配布数と回収率は特定できない。

【地方公共団体を対象とした調査結果の概要】(報告書p.6~p.7)
●約9割の地方公共団体は文化施設等が「ある」と回答
●文化施設等の管理運営における「直営」と「指定管理」の割合はほぼ半数
●公共施設等総合管理計画を策定したと回答した地方公共団体のうち、「文化施設等についての特別の計画を作っている」地方公共団体は1割に満たない
●文化振興に関する条例を策定している地方公共団体は約 15%、文化振興基本計画を策定している地方公共団体は約3割

【直営・指定管理の共通設問の調査結果の概要】(報告書p.8~p.9)
●2000 年以降に開館した施設は、直営・指定管理とも全体の約 2 割とほぼ同じ
●直営では「ホール機能を有するその他の施設」の割合が最も多く、指定管理では「その他の施設との複合施設」の割合が最も多い
●指定管理の方が直営よりも延床面積や収容人数の大きな施設の割合が多い

【直営を対象とした調査結果の概要】(報告書p.10)
●直営による管理運営を行う理由は「直営の方が文化施策がうまくいく」が約4割
●現在直営の場合、8割近くが「指定管理者制度の施行以前から直営で運営」
●現在直営の場合、今後も「直営、又は直営を検討する」施設が 7 割を超える

【指定管理を対象とした調査結果の概要】(報告書p.11~p.14)
●指定管理者に当初期待した効果は「サービスの向上」、「管理運営経費の節減」、「事業内容の充実」が上位
●現在の指定管理期間は平均4.9年、前期は平均4.3年
●指定管理者の団体種別は「財団法人・社団法人」が約半数
●指定管理者制度の導入以前から「同じ団体が管理運営を行う」施設が約4割、制度の導入以降は「指定管理者の交替はない」施設が約7割
●現在の指定管理者は公募等による指定が 55.9%、随意指定が 41.7%
●指定管理者の選定のための合議体は「地方公共団体の職員に、外部の人が参加した合議体」が約半数
●「施設の維持管理に関する業務」は「指定管理者が行う」割合と「両者が行う」割合がほぼ均衡、「施設の維持管理に関する業務」以外の業務については、「指定管理者が行う」割合は8割以上
●指定管理者による事業計画や協定などの取り決めの確認、評価を実施する主体は「施設の所管課」が約9割

報告書について

本報告書は、以下の2部で構成されています。

第1部:調査のまとめ

 1.アンケート調査の実施概要

 2.地方公共団体を対象とした調査結果の概要

 3.直営・指定管理の共通設問の調査結果の概要

 4.【直営】を対象とした調査結果の概要

 5.【指定管理】を対象とした調査結果の概要

第2部:調査結果

 1.基本調査票によるアンケート調査結果

 2.個別調査票【直営】によるアンケート調査結果

 3.個別調査票【指定管理】によるアンケート調査結果

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