創刊準備1号 地域Artsの最前線(1995年度12月発行)
特集 地域Artsの最前線
人が集まる色をつくる
24時間立ち入りOKの稽古場や古い発電所跡を再利用したアートギャラリーなど。東京をはるかにしのぐ過激さで展開する、誰も伝えなかった「地域」の最前線に迫る。
- Report-1 愛知●扶桑文化会館の試み
文化夢応援団など住民参加が目玉の新施設。老若男女が涙する開場記念公演のドキュメント。 土屋典子・文 - Report-2 石川●アートフェスティバルIN鶴来'95
地方の小さな町を舞台に展開する現代美術祭をめぐる4つの“なぜ?”徹底解明。 橋本敏子・文 - Report-3 富山●スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド'95
アフリカがあふれた!音楽評論家、田川律が田舎のワールドミュージック・フェスをリポート。 田川律・文と写真
アーティスト・インタビュー
- アンヌ=テレサ・ドゥ・ケースマイケル ベルギーのコンテンポラリー・ダンス・グループ「ローザス」主宰。
95年9月に開校したばかりのダンススクールを語る。
リレー対談
- 「若手文化担当者の素顔と夢」 地域の第一線で活躍する30歳までの若手、5人が初顔合わせ。さて、その素顔とは?
フォーカス自治体
- 北九州市の文化行政
活力あふれる芸術文化事業で注目を集める北九州市の全体像に迫る。
永山恵一・文
スタディ
- ワークショップの実際
茨城●水戸芸術館現代美術センターに学ぶ
現代ワークショップの先進的な試み。運営の実際とポイントを公開。
石橋忍・文
資料
- 扶桑文化会館、アートフェスティバルIN鶴木'95、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド'95、北九州市の文化行政、水戸芸術館現代美術センターのワークショップ
ボイス
- 走れ!アート電車(高知)/アーティストがやってきた(東京)/アジア国際音楽祭inしらたか'95(山形)/こちら準備室(愛知・長久手文化の家)/小出郷文化会館館長さん(新潟)/碧水ホール・グッズ(滋賀)茶房「富貴」(福岡)/Q&A/講座チェック
連載ボランティア
- 住民参加を考える~いまだて芸術館
衛紀生・文
連載アーツセンター運営
- 札幌芸術の森・アートホール
コラム地域が主役
- インターネット社会を迎えるにあたって
用語
- 緞帳
特 集
Report-1 愛知●扶桑文化会館の試み
県の西北部、木曽川を挟んで岐阜県に接する、面積約11平方キロメートル、人口3万人という小さな町に、本格的な演劇ホール「扶桑文化会館」がオープンした。
日本の伝統芸能を上演できるのが大きな特色だが、町民、行政、中央の文化人が一体となった建設の経緯や、運営もまた注目を集めている。
Report-2 石川●アートフェスティバルIN鶴来'95
鶴来のアートフェスティバルには4つの“なぜ?”がある
なぜ地方の小さな町が国際的なアーティストを招聘する現代美術祭を始めたのか?
なぜ商工会青年部が中心になっているのか?
なぜアーティストとの共同作業が可能なのか?
街空間に美術を置くことの意味・目的は何か?
鶴来の試みを紹介しつつ、その疑問を解いてみよう。
Report-3 富山●スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド'95
5年目のスキヤキ 富山でアフリカにあたった。
といって、商店街のバーゲンでアフリカ行きがあたったのではない。サバやイワシにあたるというときのあたる、というヤツだ。
厳密にいえば、そこに集まっていたのは、アフリカだけではない。南アフリカからは、黒人版「かしまし娘」が歌っているような、派手でパワフルなマハラティーニ&マホテラ・クイーンズが来た。それと今は日本・市川に住む、かつて西アフリカの王国マリのシンガー、サリフ・ケイタと共演していたギタリスト、ママドゥ・ドゥンビアとその弟子のパーカッショニスト、ママドゥ・カンデ(セネガル出身)の2人がやって来た。アフリカのずっと南の東にくっつくようにあるマダガスカル島のさらに東にある人口20万人の島、フランス領レユニオン島からは、陽気なパーカッション&ダンスのグループ、グランムン・レレの一行がやって来た。そしてすでにさまざまなジャズ、ロック・ミュージシャンとの共演を通じて世界的に有名なパーカッショニスト、ブラジルのナナ・ヴァスコンセロス。最後はこの地にもう3回目というカリプソの国トリニダードトバゴからのレネゲイズ・スティール・ドラム・オーケストラだ。
フォーカス自治体
北九州市の文化行政
北九州市は、工業の町、鉄の町として日本の工業化とともに発展してきた都市であるが、十数年前には、鉄鋼不況、産業構造の変化のなかで苦境に陥っていた。その北九州市が近年目ざましい変貌を遂げつつある。
都市再生をもたらしたものは、市民・企業・大学・行政といった地域の力の結集の成果である。活力あふれる事業で注目を集める北九州市の文化行政もこの都市再生のプロセスを抜きには語れない。
スタディ
ワークショップの実際 水戸芸術館現代美術センターに学ぶ
北九州市は、工業の町、鉄の町として日本の工業化とともに発展してきた都市であるが、十数年前には、鉄鋼不況、産業構造の変化のなかで苦境に陥っていた。その北九州市が近年目ざましい変貌を遂げつつある。
都市再生をもたらしたものは、市民・企業・大学・行政といった地域の力の結集の成果である。活力あふれる事業で注目を集める北九州市の文化行政もこの都市再生のプロセスを抜きには語れない。
創刊準備1号 地域Artsの最前線(1995年度12月発行)
出版物・報告書