一般社団法人 地域創造

第26号 建物再生-もうひとつの場づくり(2009年度10月発行)

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特集 建物再生-もうひとつの場づくり

空き家や老朽化した古いビル、忘れられていた歴史的建造物など、見過ごされ、取り壊しを待っていた古い建物を資源として捉え直す試みが増えている。ハードに費用をかけず、人々の夢と力が集まることで街のサード・プレイスとして再生されつつある現場をレポートする。

空間のエスプリ

体験レッスン

イラストSCOPE

SCOPE

文化政策の行政評価

海外STUDY

特 集

1 京都府舞鶴市
まいづるRB

文:田中健夫

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© 撮影:大河内禎

 「舞鶴の将来を考えたとき、まちづくりに赤煉瓦が不可欠だという認識は市ももっていました。ただ、財源や種々の課題があり、本格的な整備に乗り出せなかった。ようやく、民間倉庫を買い上げるなど機運が到来し、新たな展開ができるようになりました。」 (抜粋)

2 鹿児島県薩摩川内市
KOSHIKI ART PROJECT

文: 山下里加

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© 撮影:大河内禎

 「島を元気にしたい、現状を何とかしたい、という思いは一緒なんだ。そのためには、わが(自分)のことばかりしていてもダメだ。若者たちがこれだけのことをしているのに、僕らは何をしてきたのだろう」 (抜粋)

3 福岡市
紺屋2023

文: 岩城京子

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© 撮影:大河内禎

「僕たちはまちづくりを目的としているのではなく、魅力的な場をつくれば、面白い人が集まって、面白いことが起こって、自然と面白い町になっていくのではないか、と考えているんです。いきなりパワープレイで大きくことを起こそうとする人がいますが、たいがい上手くいかない。“小さなプラス因子”を積み上げていくことが、ひいては町を活性化していくんだと思います」 (抜粋)

4 石川県小松市
粟津演舞場

文: 奈良部和美

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© 撮影:大河内禎

 「粟津温泉旅館共同組合も粟津観光協会も、旅館や商店の経営者たちも、誰もが温泉町の賑わいを取り戻したいと考えている。重い負担を背負う施設の建設より、町に残る財産の活用が他所にはない、模倣しようにも模倣できない、粟津ならではのまちおこしになる。」(抜粋)

空間のエスプリ

韓国 文化人が自主運営する「ヘイリ芸術村」

文:木村典子

 「ここは志を共にした人たちが集まっているので楽しいですよ。町内(エリア)ごとに持ち回りで村全体の食事会を開いていますが、違うジャンルの人々と出会えて刺激になります。村会議の前には音楽会やパフォーマンスを鑑賞することもあり、日々の中で普通に文化芸術に接することができます」(抜粋)

体験レッスン

「昭和日常博物館」高齢者を元気にする回想法と博物館活用を学ぶ

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© 撮影:杉全泰

 「高齢者が館内を一見するなり「懐かしい」という言葉を発し、展示品についてのさまざまな記憶をたぐり寄せて、笑いながら会話するという光景がよく見られました。昭和のモノは今の高齢者にとっては実体験があり、自然と思い出がよみがえってくるわけです。」(抜粋)

イラストSCOPE

和太鼓文化の発展に尽力してきた浅野太鼓

文:奈良部和美 イラスト:田渕周平

 「音の変化を聞き分けるというのが、大太鼓の中彫りをする浦さんの作業を見ていると、さまざまな音が交差する工場で、うなりを上げる機械を高速回転させながら鑿を操っている。微妙に変化していく音を聞き分けられるのは神業だ。20年間技を磨いてきた者のみが聴き取れる木の声があるのだろう。」(抜粋)

SCOPE

横浜市 ストリートワイズ・オペラ ワークショップ

文:山下里加

 「ブリティッシュ・カウンシルが英国から招聘したソーシャル・アートグループ「ストリートワイズ・オペラ」が、寿町の住人を対象にしたワークショップを行った。彼らは本国でホームレスを対象にした事業を展開し、注目を集めているグループだ。」(抜粋)

仙台市 せんだいメディアテーク

文:山下里加

 「メディアテークの理念は館内で完結するものではなく、地域全体で共有できるような構造をもたなくてはいけないと考えていて、近年では地域単位での活動に重点を置いています。メディアテーク自体は、博物館美術館ではないのですが、情報をまとめ、発信していく事務局としての機能をもてる。これは他にない強みだと思います。」 (抜粋)

文化政策の行政評価

まつもと市民芸術館の総合評価

文:山名尚志

 本来、文化政策の評価は経済的な指標でのみ把握できるものではない。この指針では、そもそもの設置目的に立ち返り、戦略的な目標を設けて自己点検を行い、運営・経営の状況を数量的に把握し(アウトプット評価)、アンケート等で市民等の満足度を把握する(アウトカム評価)という総合的な評価のあり方を提唱している。(抜粋)

海外STUDY

米国における芸術文化活動による経済波及効果調査の現状

文:吉田恭子

 現在、日本でも芸術文化活動の事業評価や経済波及効果について注目が集まっていることを踏まえ、今回は、全米レベルで芸術とその創造環境の発展を目的に芸術文化の経済波及効果をはじめとする調査を推進しているAFTAの活動および調査報告書を中心に紹介する。 (抜粋)

第26号 建物再生-もうひとつの場づくり(2009年度10月発行)