第7号 美術館と子ども(1999年度10月発行)
特集 美術館と子ども
- 浜田市世界こども美術館
- 名古屋市美術館
- 世田谷美術館
- 目黒区美術館
- 佐倉市立美術館
- 岡山県立美術館
美術館と子ども 整理学
空間のエスプリ
体験レッスン
座談会
SCOPE
イラストSCOPE
海外STUDY
資料編
- 美術館と子ども/シュガーホール
Q&A/MEDIA
特 集
浜田市世界こども美術館
「ここは地理的に孤立しているし、文化に関して遅れてるんです」
浜田市世界こども美術館を訪れると、だれもが枕詞のように口をそろえていう。
実際に街を歩いてみてもアミューズメント施設はほとんどなく、若者の姿もあまり見かけない。だが、それで文化が遅れているということにはならない。ここは古くから貿易港として栄えた石見国の中核都市だったし、第一ここに世界こども美術館が建つこと自体、文化に対して理解のある土地柄であることを物語っているではないか。(抜粋)
名古屋市美術館
「これ、なんだろう?」「何が見える?」「なぜだと思う?」「ひとつのものでもいろんな見方があって面白いね」
名古屋市美術館で開かれていた「夏休み子どもの美術館」展のガイドツアーでのひとコマだ。
現代美術作品を前にボランティアが語りかけ、子どもたちは好き好きに答えていく。(抜粋)
世田谷美術館
「こんにちは!」「……」「元気ねえな。メシ食ったのか?」
世田谷美術館の「ミュージアムオリエンテーリング―子供組―『迷作??』」は、高橋直裕学芸員の威勢のいい挨拶で始まった。この「ミュージアムオリエンテーリング」は世田谷美術館の人気プログラムのひとつ。
美術館は美術作品を展示するところだが、展示室以外にも「美術作品」があり、それをみんなで探そうというプログラムだ。(抜粋)
目黒区美術館
「展覧会とワークショップを分けないでリンクさせてます」。目黒区美術館で開かれていた「色と形のカレイドスコープ」の担当学芸員の方針だ。
目黒区美術館では毎年夏に、展覧会とワークショップを組み合わせた恒例の「手と目の冒険広場」を行ってきた。(抜粋)
佐倉市立美術館
「さあ今日も1日がんばりましょう!」と背伸びしながら子どもたちに語りかける。
佐倉市立美術館で行われたワークショップ「手作り見張り塔で佐倉をずい~っと」屋外編の2日目だ。(抜粋)
美術館と子ども 整理学
地域における美術館の役割を考える上でキーワードになっている普及活動について、3人の専門家に意見交換していただきました。
逢坂恵理子 (水戸芸術館現代美術センター芸術監督))
神谷 浩 (名古屋市美術館学芸主査)
中山三善 (浜田市世界こども美術館学芸課長、キュレーター・オフィス代表)
空間のエスプリ
21世紀の文化都市を目指し大変貌を遂げつつあるロンドンの文化施設
今ロンドンの町を眺望すると、あちらこちらに青や黄色のクレーンが見える。
テート美術館の新美術館、大英博物館やロイヤル・オペラ・ハウス、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、ナショナル・ポートレート・ギャラリー。こぞって21世紀に向けて大工事中だ。(抜粋)
体験レッスン
ホール体験ツアーを企画する
単なるホールの見学会から一歩踏み込んで、芝居仕立てなど工夫を凝らして舞台裏を見せていく「ホール体験ツアー」。地域の人たちにホールに親しみをもってもらい、通常の公演の動員にもつながっていく重要なイベントです。この種の企画には、通常公演とは少し違ったノウハウと気配りが必要になります。
座談会
「市民劇団のたのしみ」
こけら落とし公演がきっかけで町民劇団が結成されたり、演劇セミナーのOBが集まって市民劇団を旗揚げするなど、地域のホールで演劇を楽しむ市民が増えています。今回は、そうした市民劇団の世話役であり、演劇好きを自認するホール担当者にお集まりいただき、市民劇団の楽しみやエピソードを語り合っていただきました。
SCOPE
サトウキビ畑に建ったホールが住民の中に根づくまで
沖縄県佐敷町 シュガーホール
沖縄の午後は長い。時は7月の中旬、夜8時。ジリジリと大地を照らしていた太陽が小高い丘の向こうに姿を隠す頃、やっと西の空に夕焼けが広がりだし、涼しい風が頬をなでるようになる。その時間を待っていたかのように、それまで人影もまばらだった町内に、ポツポツと人や車が現れてくる。(抜粋)
中学生の企画運営による映画上映会
東京都杉並区 杉並区社会教育センター「映画がまちにやってきた!」
8月21日から27日までの1週間、東京都杉並区にあるミニシアター「ラピュタ阿佐谷」にて、少し変わった趣向の上映会が行われた。
上映作品が変わっているわけではない。
上映スタイルが変わっているわけでもない。変わっているのは上映会の企画運営の方法だ。(抜粋)
レク活動が発端の人形劇が劇場建設につながり大きく発展
香川県大内町 とらまる座「レクリエーションと人形劇のカーニバル」
9月中旬の11日。
なだらかな丘の上、梢の先を見上げると、青い空にぽっかりとアドバルーンが上がっている。
今年で15回目を迎える香川県大内町の「レクリエーションと人形劇のカーニバル」が、この日を挟んで3日間、開かれているのだ。(抜粋)
イラストSCOPE
文楽の後継者育成への取り組み
大阪の国立文楽劇場で二人の青年に会った。すらりと手足の長い、現代っ子らしい表情。浴衣で文楽劇場の廊下を歩いていたのでなければ、彼らが古典芸能の世界に生きようとしているとは、想像しないだろう。(抜粋)
海外STUDY
米国の公的機関の芸術援助
「1960年代以前、つまり公的機関からの芸術援助などないに等しく、民間からの助成金だけが大手を振っていた頃は、芸術をめぐる現象なんてものは、ここアメリカにおいては枝葉末節な出来事にすぎなかったし、実際、この国の芸術のことなど、世界の国々の誰もほとんどまったく知らなかった」(98年4月12日付『ニューヨーク・タイムズ』)。(抜粋)
第7号 美術館と子ども(1999年度10月発行)
出版物・報告書