第20号 フェスティバルの行方(2006年度10月発行)
特集 フェスティバルの行方
10年目を迎えた越後妻有アートトリエンナーレ
空間のエスプリ
体験レッスン
座談会
SCOPE
イラストSCOPE
海外STUDY世界に向って発信するシンガポールの文化戦略
特 集
Angel1 里山の地で続く地域づくりの実験
文:神山典士
「今回はっきりわかったのは、美術は赤ん坊ということです。手間がかかる。とにかく皆で面倒をみることが必要なんです、良い悪いを越えて。その赤ん坊が場所とか人を繋げたんだと思うんです。それが美術の最大の働きですね」(抜粋)
Angel2 空家プロジェクトの持つ意義と可能性
文: 山下里加
屋根が落ちたり、雑草に覆われたりしながら、圧倒的な自然に飲み込まれようとしている「空家」。過疎化や高齢化など、この地域がはらんでいる大きな問題が、見えるカタチとなって突きつけられる。 3回目を迎えた「大地の芸術祭-越後妻有アートトリエンナーレ2006」では、これらの空家とアートを結びつける「空家プロジェクト」が総数63ヵ所において行われた。(抜粋)
Angel3 地域を変貌させるユニークな拠点施設
文: 田中健夫
-「越後妻有アートネックレス整備事業」では、芸術祭開催と併せて地域拠点整備が進められてきた。2005年に十日町市と近隣町村が合併したが、元々の6市町村エリアに、それぞれテーマをもった拠点施設を設ける「ステージ事業」である。(抜粋)
空間のエスプリ
シンガポールのアーティスト支援事業「アーツハウジング・プログラム」
文:滝口 健
-このスキームにおいては、植民地時代の建物を積極的に活用することにより、歴史的建造物の保存にも結びついている点も見逃せない。アーツカウンシルは都市再開発局と連携し、市の中心部にありながら開発から取り残されたエリアを「アーツベルト」として指定し、それらの地域に残る戦前の建物を改修してアーティストに提供することで、町並みを保存しながらも、そこに新たな息吹を吹き込む試みを行っているのである。(抜粋)
体験レッスン
高齢者ライブパフォーマンスのノウハウを学ぶ-北海道文化財団「浪漫劇場」
札幌市、浦河町、地元・釧路市から4劇団が集い、それぞれ約30分の持ち時間で演劇、朗読劇を発表。地元の児童劇団の子どもたちも応援に駆けつけ、本公演は大盛況でした。 今回は浪漫劇場のリハーサルと本番当日の現場で、愛知県長久手町文化の家の井上真美さんが、高齢者を主人公にした舞台芸術ノウハウを学びました。(抜粋)
座談会
アウトリーチ事業における自治体の役割とは?
指定管理者制度の導入により、公立文化施設の設置主体である自治体の役割が改めて問い直されています。今回は、地域創造の公共ホール音楽活性化事業を実施した自治体職員の方々にお集まりいただき、自らの経験を踏まえて自治体の役割について話し合っていただきました。(抜粋)
SCOPE
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター
文:神山典士
-チケットの4割は地元西宮で、7割は阪神間で売れているという。震災復興のシンボルとして建てられたとはいえ、予想以上の地域への浸透度だ。現場を訪ねてみると、そのムーブメントは想像以上の広がりだった。(抜粋)
青森県弘前市「YOSHITOMO NARA + graf A to Z」
文:山下里加
大正時代に建てられた広大な倉庫の中には、廃材でつくられた小屋が建ち並んでいた。その中に入ると、少女をモチーフにした絵画や涙を流す白い犬の立体作品などが出迎えてくれる。平屋もあれば2階建てもある。(抜粋)
栃木県那珂川町 NPO法人もうひとつの美術館
文:山下里加
ハンディキャップをもつ人が生み出す作品などオルタナティブなアートを展示、サポートする全国でも珍しい美術館だ。明治時代に建てられた小学校舎をほぼそのまま使った館内には、4つの展示室とショップ、カフェ、ワークルームなどがあり、年3回の企画展を開催している。(抜粋)
札幌市 NPO法人コンカリーニョ
文:神山典士
そこを運営する斎藤たちのNPO法人の目的は、本来、02年までそこにあった、古い倉庫を利用した劇場(旧コンカリーニョ)を同じ場所に再生させることだった。けれど紆余曲折の中でその活動は単なる劇場づくりを超え、「アートと地域が繋がる拠点づくり」「地域内で人と人を結ぶ事」を使命とするようになる。(抜粋)
イラストSCOPE
なら100年会館オリジナル新作能上演に向け子どもだちが体験した東大寺合宿
文:土屋典子
7月27日、28日、なら100年会館で能を学ぶ小学1年生から6年生、19人が合宿を行い、その締めくくりに大仏様へ舞と謡を奉納する-と聞いて、東大寺を訪ねた。(抜粋)
海外STUDY
世界に向かって発信するシンガポールの文化戦略
文:滝口 健
また、シンガポール・アーツ・フェスティバルやシンガポール・ビエンナーレも開催されるなど芸術文化シーンが活性化している。この背景には、1989年の『文化と芸術に関する諮問委員会レポート』と、芸術を核にした都市戦略を掲げた2000年の『ルネッサンス・シティー・レポート』という政府が発表した重要な2つの報告書の存在がある。(抜粋)
第20号 フェスティバルの行方(2006年度10月発行)
出版物・報告書