一般社団法人 地域創造

第51号 美術館の現在地/人材育成の新拠点(2025年12月発行)

51_表紙 (JPG 217KB)

国内掲載記事概要一覧 (本誌 P.88「資料編」) (PDF 215KB)

特集1 美術館の現在地

◎規模の大小を問わず、現在、美術館は、観光や賑わいづくり、福祉との連携などまちづくりへの積極的な貢献が求められている。その試行錯誤する取り組みをレポート。
 

特集2 人材育成の新拠点

◎芸術文化と観光に通じた人材を育てる専門職大学、デジタル・クリエイティブな人材を育てる若年層のための無償施設など、人材育成の最前線をレポート。
 

空間のエスプリ

体験レッスン

SCOPE

座談会

イラストSCOPE

海外STUDY

特集1 美術館の現在地

1.鳥取県倉吉市 鳥取県立美術館

文:永田晶子

51_特集1-1・鳥取.jpg
撮影:雨田芳明

2025年に、国内の県立美術館としては最後発となる鳥取県立美術館が、県内第三の都市・倉吉市に誕生した。「未来を『つくる』美術館」をコンセプトに掲げ、作品を鑑賞する場だけでなく、アートによる交流や人材育成、まちづくりに寄与する文化拠点を目指して整備され、これまでの前例のない形で官民が手を組み開館した鳥取県立美術館は、どんな経緯で生まれ、どのように活動や運営を行っているのか取材した。

 

2.愛媛県久万高原町 町立久万美術館

文:山下里加

51_特集1-2・久万.jpg
撮影:雨田芳明

愛媛県松山市の中心部から車で約1時間、人口約7,000人の小規模自治体である久万高原町に1989年に開館して以来、30年以上にわたってユニークなコレクション展と自主企画展を開催し、小さいながらも本格的な美術館として高い評価を受けてきた久万美術館。小さな自治体が直営で守り続けた小さな美術館に込められた地域の人々の思いと活動の広がりを取材した。

 

3.兵庫県姫路市 姫路市立美術館「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」

文:山下里加

51_特集1-3・姫路.jpg
撮影:雨田芳明

2023年に開館40周年を迎えた姫路市立美術館では、記念事業として、文化庁の「文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光推進事業」の大型補助金を得て、2021年から「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」に取り組んでいる。姫路市立美術館が拠点となり、美術館の本来業務と地域の文化資源の魅力創出を両立させる試みに挑んだプロジェクトの全貌を取材した。

 

特集2 人材育成の新拠点

1.兵庫県豊岡市 芸術文化観光専門職大学

文:鈴木理映子

51_特集2-1・豊岡.jpg
撮影:雨田芳明

「芸術文化」と「観光」に通じた専門人材の育成と、両分野の有機的な結びつきを通じた地域活性化を謳い、2021年に兵庫県豊岡市に開学した芸術文化観光専門職大学。職業人養成を旨とする教育機関への期待と、演劇と観光という新たな結びつきのカタチへの心配が同時に聞こえる中でスタートした学びの場は、その後、どのように街と共生し、評価されているのか、豊岡演劇祭などを中心に、学生たちの活動や地域との関わりを取材した。

 

2.山形県山形市 やまがたクリエイティブシティセンターQ1

文:永田晶子

51_特集2-2・山形.jpg
撮影:雨田芳明

2025年から「健康医療先進都市」と「文化創造都市」の2大ビジョンを掲げ、街づくりを推進している山形市。「創造都市やまがた」を象徴する拠点として2022年にオープンした「やまがたクリエイティブシティセンターQ1」は、国指定登録有形文化財の小学校の旧校舎をリノベーションし、設計と運営を地元の東北芸術工科大学の教員らが設立した民間事業者が担っている。地域のクリエイティビティと暮らしを繋ぐ共創プラットフォームとして文化財を蘇らせた、その先進的モデルを紹介する。

 

3.群馬県 tsukurun GUNMA CREATIVE FACTORY/TUMO Gunma

文:山名尚志

51_特集2-3・群馬.jpg
撮影:雨田芳明

2025年、群馬県がアジア初となる「世界標準のデジタルクリエイティブ」が無償で身に付けられることを謳った中高生向けの人材育成施設「TUMO Gunma」をオープンした。群馬県が掲げるデジタルクリエイティブ産業創出の構想に向けた人材育成施策の第一歩として、2022年にスタートさせた小中高校生向けの学習施設「tsukurun GUNMA CREATIVE FACTORY」から「TUMO Gunma」へと繋がってきた群馬県の新たな人材育成の拠点を取材した。

 

空間のエスプリ

韓国初の障害芸術人の標準劇場 モドゥ芸術劇場(Modu Art Theater)

interview & text 韓ヨルム

51_空間のエスプリ.jpg
提供:Modu Art Theater

韓国における障害芸術人(芸術家)支援は、長年にわたり各分野での文化活動を土台として発展。障害を福祉の枠組みではなく文化芸術領域の一部としてとらえる視点が広がるにつれ、専門機関の設立を求める声が強まった。2020年に「障害芸術人支援法」が制定されたことを契機とし、その後2023年に開設された韓国初の障害芸術人の標準劇場として注目を集めるモドゥ芸術劇場について紹介する。

 

体験レッスン

アーツカウンシルしずおかに地域のプレイヤーを増やす取り組みを学ぶ

進行:坪池栄子 構成・文:羽成奈穂子 講師:鈴木一郎太、若菜ひとみ 受講生:生田隆明

51_体験レッスン.jpg
撮影:雨田芳明

この20年で全国的に数を増やし、各地域の事情に応じた組織形態でさまざまな事業を展開している地域アーツカウンシル。伴走型支援、マイクロ・アート・ワーケーション、クリエイティブ人材の派遣制度、超老芸術など多彩な事業を展開するアーツカウンシルしずおかに地域のプレイヤーを増やす取り組みを学んだ。

 

SCOPE

富山県富山市 ガラスの街とやま

文:田中健夫

51_SCOPE・富山.jpg
撮影:雨田芳明

富山市の中心施策の一つであるガラスのまちづくり。1985年にスタートして以来40年、ガラス作品の魅力を発信し、人材育成や新たな地場文化産業の創出、ガラス文化振興に取り組んできた。その拠点となる「富山市立富山ガラス造形研究所」、「富山ガラス工房」、「富山市ガラス美術館」の3施設での取り組みからまちづくりに繋げている「ガラスの街とやま」を取材した。

 

100万人のクラシックライブ

文:高橋彩子

51_SCOPE・100クラ.jpg
提供:一般財団法人100万人のクラシックライブ

「日常に音楽があふれる街(社会)」を目指し、クラシック音楽のコンパクトなライブを全国各地で企画・実現し、2025年に活動10周年を迎えた一般財団法人100万人のクラシックライブ。財団の活動趣旨に賛同してライブを開催する主催者(=アレンジャー)と財団に登録する音楽家を繋ぎ、クラシックライブを開催するその取り組みを紹介する。

 

座談会

登録アーティスト制度を語り合う

司会:坪池栄子 構成:羽成奈穂子

51_座談会.jpg
撮影:雨田芳明

公立文化施設のアウトリーチ事業が活発化する昨今、地元人材の育成はより重要度を増している。今回は登録アーティスト制度によって地元人材の育成・活用を行っている皆さまに話し合っていただいた。

出席者(左から):常盤成紀氏(公益財団法人堺市文化振興財団 事業係長/アートコーディネーター)、佐藤奈々絵(公益財団法人熊本県立劇場 事業グループ長)、増山徳子(公益財団法人うらやす財団 文化施設事業所 事業係)

 

イラストSCOPE

法人化で改革を進める山本勘太夫 伊勢大神楽総舞奉納

文:奈良部和美

51_イラストSCOPE.jpg
イラスト:田淵周平

江戸時代から続く、国の重要無形民俗文化財に指定されている伊勢大神楽。若手の担い手を獲得するため、社中の法人化を進め、継承者不足に悩む伝統芸能や民俗芸能の世界で道を開く手がかりを示し続ける、一般社団法人伊勢大神楽講社について取り上げる。

 

海外STUDY

アートがひらく探究と共生—Arts-Based Researchが繋ぐ個とコミュニティ

文:岸磨貴子

「アートの創造的な力を通して人々が共に探求する」というアート的探究、人間や社会の理解を深めるための新しい研究のあり方であるアートベース・リサーチについて紹介する。

第51号 美術館の現在地/人材育成の新拠点(2025年12月発行)