一般社団法人 地域創造

2025年度 「公立文化施設における政策評価等のあり方に関する調査研究」中間報告

*2025年度「公立文化施設における政策評価等のあり方に関する調査研究」中間報告書は、地域創造ホームページにも掲載しています。

評価実施の割合は指定管理8割、直営3割と差が大きい

 近年、文化事業が地域課題解決への有効な⽷口となるという認識が広がるにつれ、有効な事業や施策を継続するための財源や人材の確保、中長期計画の策定等に向けて、公立文化施設や文化行政に関する政策評価にどのように取り組むべきかが課題となっている。地域創造では、こうした地域のニーズに応えるため、2025(令和7)年度から2カ年計画で「公立文化施設における政策評価等のあり方に関する調査研究」を実施している。初年度には地方公共団体計1,790および公立文化施設(専
用ホール、以下同じ)1,523施設にアンケート調査を行うとともに、有識者による委員会での意見交換を行なった。今号は中間報告としてアンケートの主な集計結果を紹介する。

地方公共団体調査[図1]

 回答団体(回答数1,000件)の内訳は、都道府県41、政令市17、市区町村942で、今回の調査対象となる公立文化施設を有するのは747団体(74.7%)だった。747団体の内「すべて指定管理」で運営しているのは381団体(51.0%)、「施設によって指定管理、もしくは直営」は87団体(11.6%)、「すべて直営」は279団体(37.3%)だった。

 「すべて指定管理」または「施設によって指定管理、もしくは直営」と回答した468団体の内、公立文化施設の評価を約8割、368団体(78.6%)が実施していた。その内、指定管理者に共通する評価制度とは別に、文化施設の特性を踏まえた評価を実施していると回答したのは2割弱、64団体(17.4%)に限られていた。また、「すべて直営」と回答した279団体の内、評価を実施していたのは76団体(27.2%)にとどまった。

 

  • 図1 地方公共団体における評価の実施状況

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公立文化施設(専用ホール)調査[図2]

 回答のあった公立文化施設815施設の内、「自主事業を実施している」は690施設(84.7%)、「貸館事業を実施している」は806施設(98.9%)だった。自主事業を行っている690施設において、自主事業の「事業実績の集計・分析」(92.9%)
と「アンケート調査」(91.2%)については9割以上が取り組み、「ヒアリング調査」(48.0%)も5割近くが実施していた。また、貸館事業を行っている806施設についても「貸館実績の集計・分析」(95.3%)に9割以上が取り組んでいるが、「アンケート調査」(56.9%)と「ヒアリング調査」(29.2%)は自主事業より低い結果となった。
 こうしたデータの活用について、自主事業では、「自主事業の改善策の検討」(90.1%)、「次年度以降の事業計画」(89.6%)、「行政または市民への自主事業の成果の説明」(59.9%)、「行政が行う指定管理者の評価」(44.0%)と
なっていた。対する貸館事業では、「貸館事業の改善策の検討」(76.6%)、「次年度以降の事業計画」(50.3%)、「行政または市民への貸館事業の成果の説明」(64.5%)、「行政が行う指定管理者の評価」(49.6%)と全体的に活用が
低くなっていたが、成果の説明への利用が自主事業より上回る結果となった。

 

  • 図2 公立文化施設( 専用ホール)における評価データの活用状況

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評価の効果と課題[図3・4]

 地方公共団体と公立文化施設における「評価の効果」に関する設問の結果が図3である。「事業やサービスの改善」には地方公共団体(59.0%)、公立文化施設(54.2%)ともに5割以上が有効だとしている。一方、「事業の拡大や予算の確保」に有効としたのは両者とも2割程度と低かった。

 「評価の課題」については、地方公共団体では「評価の方法やそれに必要な調査の方法等が明確でない」が47.5%と最も高く、公立文化施設では「評価の結果が必ずしも行政内部や財政部門の理解を得ることにつながらない」が40.6%と最も高くなった。また、「評価の結果が必ずしも事業や管理運営の改善に結びつかない」「評価を行うだけで終わってしまい、評価結果を十分に活用できない」が両者とも25%以上と高い数字になっている(図4)。

 

  • 図3 地方公共団体と公立文化施設(専用ホール)における評価の効果

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  • 図4 地方公共団体と公立文化施設(専用ホール)における評価の課題

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2025年度「地域の公立文化施設実態調査」調査概要

◎調査対象

地方公共団体計1,790団体および、地域創造による「令和6年度地域の公立文化施設実態調査」に回答した専用ホール1,523施設

※専用ホールとは、コンサートホール、劇場、多目的文化ホール、能楽堂、オペラハウス、映像ホールなど、舞台芸術の公演等を主用途とする施設


◎調査時期

2025年11月~12月


◎調査方法

調査対象に向けての、評価に関するアンケート調査(メールまたは郵送による配布、ウェブフォーム、メールまたはFAXによる回収)


◎調査回答数(回答率)
地方公共団体回答数1,000件(回答率55.9%)、専用ホール等回答数815件(回答率53.5%)

調査研究に関する問い合わせ

芸術環境部 益子・児島
Tel. 03-5573-4066

 

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