一般社団法人 地域創造

令和7年度「公共ホール邦楽活性化事業」がスタート

 邦楽にふれる機会の少ない方や地域の方々にとって新たな発見や交流の場になることを目指し、工夫を凝らしたホールプログラムと地域交流プログラムを実施する「公共ホール邦楽活性化事業」。令和7年度は、全国6地域で事業を展開します。
今号ではその中から石川県かほく市の模様をご紹介いたします。
 かほく市は、石川県のほぼ中央に位置する、人口約3万6千人の海と緑に囲まれたまちです。今回は、箏・十七絃の安嶋三保子さん、尺八の笠原道樹さんと共に、0歳から大人までを対象とした3カ所・全4回のアクティビティを実施しました(子育て支援施設/小学校/図書館)。
 七塚子育て支援センターでは親子対象のアクティビティを行い、子どもの遊びを描写した曲《汽車ごっこ》を演奏すると、お母さん方から歓声があがりました。乳幼児は、箏や尺八のリズムに合わせて体を揺らしながら聴き、和やかな雰囲気となりました。また、支援センターと同じ建物内にある中央図書館では、図書館友の会と図書館の利用者に向けて《千鳥の曲》などを演奏し、市の鳥「シロチドリ」や、歌詞となっている古今和歌集の和歌などに思いを馳せました。片づけの際には、参加された皆さんが椅子の移動など進んでお手伝いくださる様子が印象的でした。
 最終日のコンサート「やさしいおと~和楽器が紡ぐ物語~」では、《ゆれる秋》《十七絃独奏による主題と変容“風”》《上弦の曲》《壱越》などを演奏し、箏や十七絃、歌、そして箏・尺八二重奏の魅力に迫るプログラムを披露。アンコールの《少年時代》では客席から口ずさむ声も聞こえ、会場全体がほっと温かい空気に包まれました。アクティビティに参加された方も多く来場され、七塚小学校の児童からは「箏や尺八の曲を弾けるようになりたい」といった感想も寄せられました。
 今年度の邦楽事業はまだまだ続きますので、ぜひご注目ください。

 

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上:七塚子育て支援センターでのアウトリーチ

下:箏と尺八コンサート「やさしいおと~和楽器が紡ぐ物語~」

令和7年度「公共ホール邦楽活性化事業」実施団体

(主会場/派遣アーティスト/日程)
•石川県かほく市(石川県西田幾多郎記念哲学館/安嶋三保子/9月18日~20日)
•滋賀県東近江市(てんびんの里文化学習センター/森梓紗/11月27日~29日)
•島根県安来市(安来市総合文化ホール/森梓紗/2026年1月15日~17日)
•佐賀県佐賀市(佐賀市東与賀文化ホール/安嶋三保子/1月15日~17日)
•長崎県大村市(大村市中央公民館/安嶋三保子/1月22日~24日)
•宮崎県門川町(門川町総合文化会館/大萩康喜/3月12日~14日)

公共ホール邦楽活性化事業に関する問い合わせ

芸術環境部 渡邊・北川
Tel. 03-5573-4143
 hougaku@jafra.or.jp

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