令和7年度リージョナルシアター事業の実施予定団体担当者と派遣アーティストが集まり、事業実施に向けてオリエンテーションやディスカッション、企画打ち合わせなどを行う全体研修会を11月18日、19日の2日間にわたって開催しました。
地域の課題やホールの展望などを踏まえながら、住民等を対象にしたワークショップや学校へのアウトリーチ等を行う当事業は、派遣アーティストと実施団体が協働しながら企画し、プログラムを実施していきます。
この研修会には、令和7年度に事業実施予定の6団体から8人の事業担当者が参加し、地域のこと、ホールのやりたいことや課題、演劇の手法を使ったワークショップの効果や可能性などについて、事業担当者と派遣アーティストとの対話を通して共有することを目指しました。
研修会の初日は、派遣アーティストと事業担当者とで顔合わせを行った後、本事業で行うワークショップについての理解を深めるため、アドバイザーの岩崎正裕さんと内藤裕敬さんによる演劇の手法を使ったワークショップを体験しました。
岩崎さんのワークショップでは名前の由来で自己紹介をするアイスブレイクを皮切りに、参加者同士がコミュニケーションを取りながら行うワーク、内藤さんのワークショップでは音楽や絵を使ってそれぞれの発想や想像力を共有するワークと、それぞれ異なるアプローチから45分ずつ“演劇を教えない”ワークショップを実施しました。参加した事業担当者からは、「実際に体験できたことで、ワークショップのイメージをつかめた」「演劇を教えないということに目からウロコだった」「激しく動くものではないライトなワークもあってホッとした」などの感想がありました。
続いて行われたディスカッションでは、はじめに内藤さんと津村プロデューサーから「公共ホール概論」と題して、地域における公共ホールをめぐるこれまでの変遷や今後のあり方、拠点として求められるミッションなどについて講義があり、その後、2つのグループに分かれて意見交換を行いました。ワークショップ体験の感想やお互いの地域についての現状、悩みを共有し、解決に近づく方法を探りアイデアを出しあったグループと、過去の事例から事業実施後にホールが向かう先を考え、地域の特性に合わせてアーティストと一緒にできることを探ったグループがあり、それぞれにホールと地域との関わり方について考える機会となりました。
2日目は、事業の進め方などについてのオリエンテーションの後、それぞれのホールのミッションや地域課題を基に、その地域ならではのプログラム実現に向けた話し合いがグループごとに行われました。派遣アーティストと各地域の状況や目的を話し合うことで、プログラムの内容だけでなく、新たな課題や、今後検討していくべきことが徐々に形になっていきました。
企画打ち合わせ後の経過発表では、「実際に派遣アーティストと対話をすることで、イメージがはっきりしてきた」「人が集まる場所をホールにつくっていけたら」など、事業内容にとどまらない、研修会を終えての変化や意気込みが事業担当者から語られました。
今後、実施予定団体は、来年度の事業実施に向けて地域課題や地域資源のリサーチを行いながら、派遣アーティストと共に企画を練り上げていきます。各地域で行われる来年度の事業にご期待ください。
令和6年度「リージョナルシアター事業」
◎全体研修会スケジュール
【11月18日（月）】
•14:00〜14:15
オリエンテーション①
•14:15〜14:45
グループワーク①（顔合わせ）
•14:50〜17:00
「演劇ワークショップ体験＆レクチャー」（岩崎正裕、内藤裕敬）
•17:10〜19:00
「グループディスカッション」（派遣アーティスト、アドバイザー）
•19:30〜 情報交換会
【11月19日（火）】
•10:00〜10:15
オリエンテーション②
•10:15〜12:15
グループワーク②（企画打ち合わせ）
•13:15〜14:05
参加団体による打ち合わせの経過発表
◎派遣アーティスト
•多田淳之介（演出家、東京デスロック主宰）
•田上豊（劇作家・演出家、田上パル主宰）
•有門正太郎（演出家・俳優、有門正太郎プレゼンツ主宰）
•福田修志（劇作家・演出家、F’s Company代表）
•越智良江（劇作家・演出家、演劇ユニットKOKOO主宰）
•志賀亮史（演出家、百景社代表）
•樋口ミユ（劇作家・演出家、Plant M主宰）
◎アドバイザー
•内藤裕敬（劇作家・演出家、南河内万歳一座座長）
•岩崎正裕（劇作家・演出家、劇団太陽族代表）
◎実施予定団体
•岩手県釜石市（釜石市民ホール）
•仙台市（せんだい演劇工房10-BOX）
•東京都国立市（くにたち市民芸術小ホール）
•三重県鈴鹿市（鈴鹿市文化会館）
•大阪府箕面市（箕面市立メイプルホール）
•兵庫県伊丹市（東リ いたみホール）
問い合わせ
芸術環境部 藤原・田中
Tel. 03-5573-4124