一般社団法人 地域創造

「公立美術館共同巡回展企画支援事業」実施館が巡回展参加館を募集

 本年度の「公立美術館共同巡回展企画支援事業」として、八幡浜市美術館 (愛媛県八幡浜市)と新見美術館(岡山県新見市)が、「女性作家の先駆者たち~韮崎大村美術館所蔵作品を中心に~(仮称)」展の企画検討作業を行っています。現在両館は、令和7年度準備・8年度開催の「公立美術館共同巡回展開催助成事業(2か年プログラム)」への申請に向けて、参加館を募集しています。以下の巡回展実施にご興味のある館は、担当学芸員へ直接お問い合わせください。なお、申請準備が必要となりますので、9月末頃を目安にご連絡をお願いいたします。
◎八幡浜市美術館 Tel. 0894-21-3335 担当:井上千秋

◎「女性作家の先駆者たち~韮崎大村美術館所蔵作品を中心に~(仮称)」展

 韮崎大村美術館は同市出身でノーベル生理学・医学賞を受賞(2015年)した大村智博士が長年にわたり蒐集してきた美術品を展示公開するため、生家の近くに自費で建設した美術館です。開館は2007年で、翌08年に作品を含めた施設を韮崎市に寄贈しています。

 

 館内には約4,000点以上の絵画や陶磁器などを所蔵しており、なかでも集中的に蒐集しているのが、大村館長が名誉理事長を務めている女子美術大学の卒業生を中心とした女性作家の作品。女性への美術教育が顧みられない時代のなかで、女性が美術を学ぶ場を設け、ひいてはその自立や社会的地位の向上に貢献することを創立の趣旨とし、1900(明治33)年に開校したのが女子美術大学(前身女子美術學校)であることを考えると、ここで学んだ女子学生たちは、現代女性作家の先駆者と言っても過言ではありません。

 

 全国でも女性作家の作品を積極的に蒐集している美術館は珍しく、本企画では同館の作品を核として、参加館が所蔵する作品、作家の代表作などを各所から借用し、内容に厚みを持たせたいと考えているところです。そして、現代の美術館に所蔵されている作品の比率を見ると圧倒的に女性作家の作品が少ないことへの問題提起と、今後の参加館における作品収集方針の方向性を考える契機ともなれば幸いです。

公立美術館共同巡回展企画支援事業に関する問い合わせ

総務部 桑山
Tel. 03-5573-4054

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