一般社団法人 地域創造

令和5年度公立美術館出前(オーダーメイド)型研修事業開催報告

 この事業では、美術館のマネジメントに関する研修会を、地域創造と申請館の共催で2年間にわたって実施しています。研修テーマを申請館が希望する内容に沿って組み立てるオーダーメイド型であることが特徴で、県域や地域の美術館等と共に研修を受けることで相互交流の場とすることを目指しています。今年度は山形県の酒田市美術館(1回)、長崎県美術館(2回)で開催しました。

 酒田市美術館の研修会テーマは「文化施設の連携と職員同士の交流の場づくりについて」。2カ年にわたる研修会も最終回ということで、参加職員同士の情報交換や交流の場を今後どのように構築し、継続していくかを考えていきたいと、北海道の学芸員のネットワーク「北海道美術館学芸員研究協議会」について佐藤幸宏氏(札幌芸術の森美術館館長)と、東京都内の区立美術館11館による連携活動「東京・区立美術館ネットワーク」について山田真規子氏(目黒区美術館学芸係長)を講師に招き、それぞれ事例を伺いました。庄内地域には小規模な文化施設が多く、特にコロナ禍を経て館同士の情報交換の場の重要性がますます高まっているとのことで、質疑応答にも熱が入りました。庄内地域でどのようなネットワークが生まれるのか、今後の動きも期待されます。

 長崎県美術館では、1回目は「常設展の魅力向上と来館者数増加のための施策を考える」をテーマとして、大阪市の5つの博物館で実施した「常設展の魅力向上にかかる調査業務」について、同調査を行った船越幹央氏(大阪大学総合学術博物館 教授)、釋知恵子氏(大阪市博物館機構 事務局経営企画課)にご講義をいただきました。2回目は「ミュージアムから発信~デジタルマーケティング戦略と地域創生への取り組み~」をテーマに、SNSフォロワー数79万を抱える森美術館のマーケティング担当をされている洞田貫晋一郎氏(洞田貫プランニングス(株)代表取締役)と、広告会社で広告や新商品開発などに携わり、長崎県戦略PRアドバイ ザーを務める鳥巣智行氏((株)Better代表 取締役)のお二人にお話をいただきました。

 このように当事業では、地域の特色や現在抱えている課題に沿って研修を行っています。なお、次年度の募集は10月末を予定しています。

 

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長崎県美術館での第2回研修会の様子

●令和5年度「公立美術館出前(オーダ ーメイド)型ゼミ」

•酒田市美術館

令和5年度第1回研修会:8月17日

講師:佐藤幸宏、山田真規子

•長崎県美術館

令和5年度第1回研修会:7月19日

講師:船越幹央、釋知恵子

第2回研修会:2月14日

講師:洞田貫晋一郎、鳥巣智行

◎問い合わせ

総務部 三田・管藤

Tel. 03-5573-4184

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