令和6年度リージョナルシアター事業の実施予定団体担当者と派遣アーティストが集まり、事業についてのオリエンテーションやディスカッション、企画打ち合わせを行う全体研修会を2023年11月13日、14日の2日間にわたって開催しました。
地域の課題やホールの展望などを踏まえながら、住民等を対象にしたワークショップや学校へのアウトリーチ等を行う当事業は、派遣アーティストと実施団体が協働しながら企画し、実施していきます。この研修会には、令和6年度に事業実施予定の8団体から12名の事業担当者が参加し、地域のことやホールがやりたいこと、課題、演劇の手法を使ったワークショップの効果や可能性などを事業担当者と派遣アーティストとの対話を通して共有することを目指しました。
研修会の初日は派遣アーティストと担当者の顔合わせを行った後に本事業で行うワークショップについての理解を深めるため、演劇の手法を使ったワークショップを体験しました。冒頭に、アドバイザーである岩崎正裕さんが参加者同士が知り合えるワークを行いながら参加者の緊張をほぐし、令和6年度からの新規派遣アーティストの越智良江さん、志賀亮史さん、樋口ミユさんが各30分ずつそれぞれのワークショッププログラムを行いました。仲間と共にワンシーンをつくり上げる(越智)、「音」をキーワードに、その音をグループで表現する(志賀)、日常にあるモノやその持ち主の状況を想像する(樋口)など、それぞれ異なったアプローチで想像することを楽しむワークショップを展開しました。その後、3人のワークショップの内容も踏まえながら、アドバイザーの内藤裕敬さんから「教えない」「訓練をしない」「達成を目指さない」ことで発想を楽しみ、想像力を豊かにできるワークショップのあり方についてのレクチャーがあり、参加者は熱心に耳を傾けていました。
また、「事例紹介」では、課題からどのようにして企画をつくり上げていくのか、派遣アーティストからこれまでの事例における成果や苦労、事業担当者の役割や心構えについてお話しいただきました。一過性のものとして行うのではなく継続性をもって進めるためにはどうすれば良いか、一緒に地域と向き合い新しいアプローチを提案するためにはどうすれば良いかといったことなどが話され、参加者は自らの地域やホールに照らし合わせながら考えを巡らせました。
2日目は、前日のオリエンテーションを踏まえて、それぞれのホールのミッションや地域課題を基に、その地域ならではの企画の実現に向けての話し合いがグループごとに行われました。派遣アーティストと個々に各地域の状況や目的を話し合うことで、企画の内容だけでなく、新たな課題や、今後検討していくべきことが徐々に形になっていきました。企画打ち合わせの経過報告では、「実際に派遣アーティストと対話をすることで、考えが変わった」「リージョナルシアター事業をきっかけに新たな繋がりをつくっていきたい」など事業内容の他に、研修会を終えての変化や実施に向けた意気込みも語られました。
今後、実施予定団体は、来年度の企画実施に向けて地域課題や地域資源のリサーチを続けながら、派遣アーティストとの打ち合わせを行っていきます。各地域で行われる来年度の事業にご期待ください。
令和6年度「リージョナルシアター事業」
◎派遣アーティスト
•多田淳之介(演出家、東京デスロック主宰)
•田上豊(劇作家・演出家、田上パル主宰)
•有門正太郎(演出家・俳優、有門正太郎プレゼンツ主宰)
•福田修志(劇作家・演出家、F’s Company代表)
•ごまのはえ(劇作家・演出家、ニットキャップシアター代表)
•越智良江(劇作家・演出家、演劇ユニットKOKOO主宰)
•志賀亮史(演出家、百景社代表)
•樋口ミユ(劇作家・演出家、PlantM主宰)
◎アドバイザー
•内藤裕敬(劇作家・演出家、南河内万歳一座座長)
•岩崎正裕(劇作家・演出家、劇団太陽族代表)
◎実施予定団体
•愛知県知多市(知多市勤労文化会館)
•三重県四日市市(四日市市文化会館、三浜文化会館)
•大阪府豊中市(豊中市立文化芸術センター)
•兵庫県西宮市(西宮市民会館アミティ・ ベイコムホール)
•鳥取県(鳥取県立倉吉未来中心)
•島根県安来市(安来市総合文化ホール アルテピア)
•香川県丸亀市(丸亀市綾歌総合文化会館)
•熊本県宇土市(宇土市民会館)
問い合わせ
芸術環境部 栗林・石本
Tel. 03-5573-4124