一般社団法人 地域創造

令和6・7年度「公立美術館活性化事業」募集

 公立美術館活性化事業における4事業5種類のプログラムについて、参加館を募集します。

募集締切:2023年11月30日(木)

[Ⅰ]令和6年度準備・7年度開催「市町村立美術館活性化事業」

 この事業は、地域創造が提示する公立美術館の所蔵品を活用した共同巡回展を、市区町村の設置する美術館が共同で実施するものです。参加館で実行委員会を結成し、準備年度である令和6年度は学芸担当者会議等を行い、アドバイザーの助言のもと、企画の具体化や調査究、制作実務を参加館で分担して進めます。そして令和7年度に巡回展を開催します。
 地域創造は、準備年度・開催年度の2か年にわたる助成に加え、アドバイザーの派遣や制作実務に対する助言等により、事業の実施をサポートします。
 今年度募集するのは、令和7年度に開催予定の共同巡回展「北海道立釧路芸術館所蔵 水からはじまるアート展」(仮称)への参加館です。「映像芸術」「自然と芸術」「地域と芸術」を収集の基本方針とする北海道立釧路芸術館の所蔵作品を借用し、「水」をテーマとした展覧会の開催を目指します。身近な存在である「水」がテーマならば企画の切り口も広がり、いろいろなことができそうだということで今回テーマとして選定しました。例えば、「海」や「川」、「湖」、「滝」などから各地域それぞれの名所や自然環境へとアプローチをしたり、展覧会や、会期中に開催する地域交流プログラムを通じて環境問題やSDGsを考える機会につなげることもできるかもしれません。また、今回貸出協力をいただく釧路芸術館の所蔵作品には、油彩画や日本画、写真等多様なジャンルを含みますので、作品の取り扱い等を学ぶ機会にもなります。ぜひ、ご参加をお待ちしております。

 

●「水からはじまるアート展」企画について

 島国である日本に暮らす私たちにとって、水はとても身近な存在です。海や川、湖として目にすることもあれば、雨や雪、雲、霧などといったかたちで接することもあります。人間はもとより、動物や植物の生命を支え、ときに脅威ともなりえるのが、水といえるでしょう。美術の世界においても、水は重要なモティーフのひとつです。ゆらぎ、流れ、辺りのものを映し出し、生命の根源となる存在として、アーティストの創作意欲をかきたて、数多くの魅力的な作品が生み出されてきました。

 「水からはじまるアート」と題した本展では、「水」をテーマに、北海道立釧路芸術館のコレクションのなかから作品を選りすぐりご紹介します。「自然と芸術」「地域と芸術」「映像芸術」を収集活動の柱とする同館には、さまざまな分野の水にまつわる名品が収蔵されています。例えば日本画では、流れ落ちる滝と水煙が生み出す幽玄な世界を表した千住博の代表作《ウォーター・フォール》や、雲の一部が虹色に輝いて見える神秘的な気象現象をとらえた岩橋英遠の《彩雲》。油彩画では、ゆらめく水面を描いたスーパーリアリズム絵画の第一人者・上田薫の《流れS》。さらに同館が誇る写真コレクションには、写真、現代美術、建築など分野を超えて活躍を続ける杉本博司のライフワークとして知られる、世界各地の水平線を写した《SEASCAPES》シリーズや、米国人写真家ユージン・スミスの助手としても知られた森永純による、東京のドブ河の川面を独自の造形感覚でとらえた《河-累影》など、日本の現代写真を語る上でも重要な作品が含まれています。

 本展をきっかけに、多くのアーティストが惹きつけられた水の魅力に触れていただくとともに、美術の多様な表現に親しんでいただく機会となれば幸いです。

(北海道立釧路芸術館 学芸主幹 村山史歩)

●北海道立釧路芸術館

釧路・根室圏の新しい芸術文化の拠点として1998(平成10)年10月に開館。優れた芸術作品や芸術活動を紹介し、北国の個性的な文化の形成を目指す活動を展開しています。コレクションは、「映像芸術」、「自然と芸術」、「地域と芸術」が収集の基本方針。写真作品、自然をテーマとする作品、 釧路・根室地域等と関連する作品の収集を進めています。

 [Ⅰ]「市町村立美術館活性化事業」参加申し込み方法

参加を希望する市町村立美術館が、直接地域創造に申し込みます(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、参加決定後に共同巡回展実行委員会を設立していただきます。また、事業の参加に当たっては、準備年度に開催される実行委員会・学芸担当者会議への出席にかかる経費等についての予算措置が必要です。

[Ⅱ-①]令和6年度準備・7年度開催「公立美術館共同巡回展開催助成事業(2か年プログラム)」

[Ⅱ-②]令和6年度開催「公立美術館共同巡回展開催助成事業(単年度プログラム)」

 3館以上の公立美術館が共同で自主的に企画・制作による、公立美術館の所蔵品を活用した共同巡回展に対し助成します。
 「2か年プログラム」は、令和6年度に企画の具体化や調査研究、出品交渉やカタログ編集等の準備作業を行い、令和7年度に巡回展を開催する事業を対象とし、準備年度150万円、開催年度2,000万円を上限に助成します(なお、開催年度助成金については、決定額の50%までの前金払い請求が可能です)。
 「単年度プログラム」は、令和6年度に開催される共同巡回展について、A.作品借用・展示関連経費への助成と、B.図録作成経費への助成のどちらかをご選択いただき、A.については500万円、B.については300万円を上限に助成します。

[Ⅱ-①]「公立美術館共同巡回展開催助成事業(2か年プログラム)」申請方法

•準備年度:各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、助成決定後に実行委員会を設立していただきます。
•開催年度:準備年度に助成決定を受けた共同巡回展実行委員会より申請します。

[Ⅱ-②]「公立美術館共同巡回展開催助成事業(単年度プログラム)」申請方法

 各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、助成決定後に実行委員会を設立していただきます。

[Ⅲ]令和6年度実施「公立美術館共同巡回展企画支援事業」

 2館以上の公立美術館による、「公立美術館共同巡回展開催助成事業」の申請に向けた、企画内容の検討や調査研究等の取り組みを支援します。学芸担当者会議の開催や調査活動のための経費に対し、100万円を上限に助成するほか、アドバイザーの派遣、会議室の提供、他の参加館募集の告知等による支援も行います。

[Ⅳ]令和6年度実施「公立美術館共同地域交流プログラム助成事業」

 2館以上の公立美術館が共同で企画する、公立美術館の所蔵品を活用した地域交流プログラムの実施に対し、100万円を上限に助成します。参加館や他の公立美術館のコレクションを活用した展覧会(異なる展覧会も可)に関連し、各館の展示内容やテーマ(作家、素材、技法、様式、モチーフなど)をもとに自主的に企画・実施される地域交流プログラムが対象です。

[Ⅲ]「公立美術館共同巡回展企画支援事業」および[Ⅳ]「公立美術館共同地域交流プログラム助成事業」申請方法

各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(指定管理者制度を導入している施設の場合に限り、設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、実行委員会の設立は必要ありません。

 

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*1 公立美術館活性化事業における美術館とは、博物館その他を含め、美術作品の公開および保管を行う施設をいいます。
*2 [Ⅰ]の開催年度および[Ⅱ]-①については、対象経費の合計額から収入を控除した額の助成率です。その他については、対象経費の合計額に対する助成率となります。

「公立美術館活性化事業」に関する問い合わせ

総務部 三田・管藤
Tel. 03-5573-4184
bikatsu@jafra.or.jp
●各事業の詳細については、実施要綱をご確認ください。各実施要綱および申請書類は、当ホームページからダウンロードできます。
https://www.jafra.or.jp/

 

 

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