一般社団法人 地域創造

令和5年度「公共ホール邦楽活性化事業」全体研修会報告

 地域創造では、「公共ホール邦楽活性化事業」を令和3年度からスタートしました。5月10日~12日には今年度事業を実施する7団体を対象にした全体研修会が実施されました。
 初日にセレノグラフィカ(地域創造ダン活支援登録アーティスト)によるコミュニケーションワークショップで親交を深めた担当者たちは、アウトリーチや邦楽の基礎についてのレクチャーを受講。2日目には、地域に派遣される令和4・5年度登録演奏家の川田健太さん(箏、三絃)、藤重奈那子さん(箏、地歌三絃、十七絃)、棚原健太さん(歌三線)が助演者と共にプレゼンテーションを行いました。
 続いて、演奏家も含めた参加者向けに行われた実施団体によるプレゼンテーションでは、「調布は新宿から近く、利便性と歴史のあるまち。映画産業が立地し、深大寺や桐朋学園もある。学園には日本音楽専修があるので、この事業を通して共に地域をつくる可能性を模索したい」(調布市)、「財団としてはいろいろやっているが中央区文化センターとして邦楽に取り組むのは初めて。市民にその魅力を感じてもらえるよう定期的にできる企画が考えられれば」(神戸市)、「合併により長浜市には7つもホールがあり、運用を見直しているところ。木之本スティックホールは町立でスタートし、地元に和楽器糸製造会社があることから、邦楽事業に力を入れていきたい」(長浜市)、「鼓童の研修所で和太鼓を学び、演奏活動をしながら宇土市民会館の職員をしている。宇土高校和太鼓部、奇祭・雨乞い大太鼓などの資源もある。熊本地震で建て替えた新市役所のホールにアプローチしたい」(宇土市)、「三郷市には神楽、太鼓、獅子舞など豊かな伝統芸能が伝わっている。昨年開催した邦楽チャレンジ事業の和楽器体験には定員の倍近い申し込みがある」(三郷市)、「鴈治郎一門で歌舞伎俳優をしていたが、財団職員に転身した。食わず嫌いをなくして、子どもたちに邦楽の土台をつくりたい」(河内長野市)、「昨年、日常に文化があるまちづくりを目指して三田市文化芸術ビジョンが策定された。多数の民話が伝承されているし、フルートのまちとしてコンクールやフェスティバルも実施。市内全小学校で行っているアウトリーチで邦楽の要望があった」(三田市)など、各15分という短い時間ながらお互いを知り合う貴重な時間となりました。
 この3日間の研修を経て、地域資源を再発見したり、企画づくりのヒントを得た担当者が、演奏家と協同で企画をどう実現していくのでしょうか。ぜひ近隣で実施される邦楽事業の取り組みにご注目ください。

全体研修会の様子

令和5年度「公共ホール邦楽活性化事業」実施団体一覧(全7団体)

•埼玉県三郷市
•東京都調布市
•滋賀県長浜市
•大阪府河内長野市
•兵庫県神戸市
•兵庫県三田市
•熊本県宇土市

「公共ホール邦楽活性化事業」に関する問い合わせ

芸術環境部 仕田
Tel. 03-5573-4078
hougaku@jafra.or.jp

 

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