一般社団法人 地域創造

令和3・4年度「市町村立美術館活性化事業」報告

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「土門拳─肉眼を超えたレンズ─」展示の様子(安来市加納美術館での対話型鑑賞会「アートdeトーク」
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八幡浜市美術館のワークショップ「ピンホールカメラを作って撮ってみよう」には小学3年生以上の子どもたちが参加

 市町村立美術館活性化事業(以下、市美活)の巡回展「土門拳記念館コレクション展 土門拳─肉眼を超えたレンズ─」が、安曇野市豊科近代美術館、直方市美術館(直方谷尾美術館)、安来市加納美術館、八幡浜市美術館にて開催されました。
 本展では、土門拳記念館にご協力をいただき、写真界に大きな影響を与えたライフワーク『古寺巡礼』『風貌』をはじめ、巡回館の地域性に合わせた作品を選び(安曇野市豊科近代美術館─「荻原守衛の彫刻」シリーズ、直方谷尾美術館─『筑豊のこどもたち』シリーズなど)、土門拳の代表作を紹介しました。地域にゆかりのある作品を展示することで、被写体となった人物の知り合いが来館するなど、地元の歴史を掘り起こす契機にもなったようです。
 各開催館では、展覧会のほかにワークショップ等の地域交流プログラムも実施しましたので、一部をご紹介します。全館共通のプログラムとしては、本巡回展の実施にあたりご協力をいただいた土門拳記念館の学芸員・田中耕太郎さん、カタログ総論執筆の横浜美術館学芸員・大澤紗蓉子さんによる講演会を実施しました。この講演会は、特に写真愛好家や地元の写真家などが多く参加し、終了後に参加者から質問が出るなど深い学びの場として活用されました。
 ほかにも、写真に馴染みのない人や子どもも楽しく参加でき、展覧会の内容理解にも繋がるワークショップやギャラリートークを各会場にて行いました。なかでも、地元写真家を講師に招いて地元の風景をカメラで切り取るワークショップは、各会場で人気の地域交流プログラムとなったようです。安曇野市豊科近代美術館と八幡浜市美術館では、デジタルカメラや携帯のカメラが主流となった今、カメラの基本構造をわかりやすく学べる「カメラ・オブ・スキュラ」のワークショップも実施しました。
 市美活は2カ年をかけて準備から開催までを行う事業で、地域創造の提示した企画案について、貸出協力館アドバイザーの助言のもとに、開催各館の学芸員が学芸会議で議論を重ねながら具体化していきます。広報や図録の作成等の展覧会実施に係る業務についても、開催館同士で分担しながら進めていくことで他館と連携し、ノウハウを共有することができ、単館ではなかなか取り組みづらいことにもチャレンジしやすい環境となっています。巡回展に参加したことのない学芸員のスキルアップとしてもご活用いただける事業です。
 令和4・5年度の市美活では、第23回共同巡回展として「福岡アジア美術館所蔵『うるおう アジア ─近代アジアの芸術、その多様性─』」を、はつかいち美術ギャラリー、四日市市文化会館、上田市立美術館、小金井市立はけの森美術館にて開催します。また、令和6・7年度市美活の参加館募集は、6月頃を予定しています。

 

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ギャラリートークの様子(八幡浜市美術館)

 

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ワークショップ「ピンホールカメラを作って撮ってみよう」(八幡浜市美術館)

 

●第22回共同巡回展「土門拳記念館コレクション展 土門拳─肉眼を超えたレンズ─」
[主催]第22回共同巡回展実行委員会ほか
[特別協力]土門拳記念館
[会場・会期]
•安曇野市豊科近代美術館(長野県安曇野市)/2022年5月29日~7月10日
•直方市美術館[直方谷尾美術館](福岡県直方市)/7月17日~9月4日
•安来市加納美術館(島根県安来市)/9月10日~10月24日
•八幡浜市美術館(愛媛県八幡浜市)/10月29日~12月11日
[助成](一財)地域創造
[アドバイザー]藤森武(土門拳記念館 学芸担当理事)
[開催協力館担当学芸員]田中耕太郎(土門拳記念館学芸員)

 

公立美術館活性化事業に関する問い合わせ

芸術環境部 高野
Tel. 03-5573-4184

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