打ち合わせ内容の経過報告
令和5年度「リージョナルシアター事業」の実施予定団体担当者と派遣アーティストが集まり、事業についてのオリエンテーションやディスカッション、企画打ち合わせを行う全体研修会を2022年11月14日、15日の2日間にわたって開催しました。
この事業では、地域の課題やホールの展望などを踏まえながら、住民等を対象にした公募ワークショップや学校へのアウトリーチ等、地域独自のさまざまなプログラムを、派遣アーティストと実施団体が協働して企画することができます。今回の研修会には、令和5年度に事業実施予定の5団体から9名の事業担当者が参加し、地域やホールがやりたいこと、課題、演劇的手法を使ったワークショップの効果や可能性などを、担当者と派遣アーティストとの対話を通して共有することを目指しました。
研修会の初日は派遣アーティストと担当者の顔合わせを行った後、まずはリージョナルシアター事業で行うワークショップについての理解を深めるために、当事業のアドバイザーである岩崎正裕さんのワークショップを体験しました。2人1組で相手のことを紹介する「他己紹介」を“漫才風”にして発表したり、ホワイトボードに絵を描き、その絵を見ていない人に言葉のみでイメージを伝え、絵を再現してもらうワークなどから、参加者同士のコミュニケーションや、相手に伝えることの重要性を体感してもらいました。
その後「事例紹介」として、派遣アーティストとアドバイザーから、ワークショップ事例やこれまでの成果や苦労、事業担当者の役割や心構えについてお話いただきました。学校へアウトリーチに行く際は、「まず担当者が、プログラムの内容や何を大切にしているかについて、アーティストに代わって学校の先生たちに伝えられるかが成功の鍵」であること、「地元のアーティストにも参加してもらいたいという場合には、なぜその方に参加してほしいのか、今後どのような協力体制を築いていきたいと考えているのかを、ホールとして明確に示せることが重要」など、派遣アーティストの経験に基づいた話に担当者は熱心に耳を傾けていました。質疑応答では「どのように広報をすると効果的か」という具体的な話から、「演劇のワークショップとは何か」「そもそも演劇のもつ要素・力とは何か」という話まで幅広いトークが展開されました。
2日目は、前日のオリエンテーションを踏まえて、実施団体ごとに派遣アーティストと担当者が企画打ち合わせを行いました。それぞれのホールのミッションや地域課題を基に、その地域ならではのプログラム実現に向けて熱心な話し合いが行われました。派遣アーティストと個々に各地域の状況や目的を話し合うことで、プログラムの内容だけでなく、新たな課題や、今後検討していくべきことが徐々に形になっていきました。最後に、企画打ち合わせの経過報告を行い、各実施団体が目指す事業の形や今後の課題などを発表して、研修会は終了となりました。
今後、実施予定団体は、来年度の企画実施に向けて地域課題や地域資源のリサーチを続けながら、派遣アーティストとの打ち合わせを行っていきます。各地域で行われる来年度の企画実施にご期待ください。
令和5年度「リージョナルシアター事業」
◎派遣アーティスト
•多田淳之介(演出家、東京デスロック主宰)
•田上豊(劇作家・演出家、田上パル主宰)
•有門正太郎(演出家・俳優、有門正太郎プレゼンツ主宰)
•福田修志(劇作家・演出家、F’s Company代表)
•ごまのはえ(劇作家・演出家・俳優、ニットキャップシアター代表)
◎アドバイザー
•内藤裕敬(劇作家・演出家、南河内万歳一座座長)
•岩崎正裕(劇作家・演出家、劇団太陽族代表)
◎実施予定団体
•青森県八戸市(八戸市南郷文化ホール)
•茨城県日立市(多賀市民会館)
•茨城県茨城町
•東京都狛江市(西河原公民館)
•京都市(ロームシアター京都)
問い合わせ
芸術環境部 栗林・藁科
Tel. 03-5573-4124