地域創造では、地域の重要な資源である地域伝統芸能の保存・継承・活用を支援しています。なかでも、日本各地域の伝統芸能と古典芸能が一堂に会し、個性豊かなさまざまな芸能が歴史的・地域的な解説とともに披露される「地域伝統芸能まつり」は、日本の芸能のすばらしさや地域の伝統の重みを再認識する機会として高く評価されています。
平成12年度から開催されてきたこのまつりでは、これまで、全国47都道府県から190演目が披露されました。第23回目となる今年のテーマは、「息吹~天地(あめつち)を動かす~」。テーマに沿った、日本各地域の伝統芸能9演目と古典芸能1演目をご紹介します。
◎出演予定の地域伝統芸能・古典芸能(出演順)
行祭事名または演目 | 地域または出演者 | 都道府県単位でみた場合の出演回数 |
一人角力 | 今治市(愛媛県) | 6回目(7年ぶり) |
田子神楽 | 田子町(青森県) | 6回目(7年ぶり) |
御諏訪太鼓 | 岡谷市(長野県) | 4回目(12年ぶり) |
高田神社横野獅子舞 | 津山市(岡山県) | 3回目(13年ぶり) |
座喜味棒術 | 読谷村(沖縄県) | 8回目(6年ぶり) |
復曲能『名取ノ老女』(短縮版) | 武田孝史、宝生和英 ほか | ― |
今寺面浮立 | 嬉野市(佐賀県) | 6回目(7年ぶり) |
伊賀和志神楽 | 三次市(広島県) | 6回目(6年ぶり) |
エイサー | 沖縄市(沖縄県) | 8回目(6年ぶり) |
秋田竿燈まつり | 秋田市(秋田県) | 9回目(4年ぶり) |
第23回地域伝統芸能まつり プログラム紹介
*演目は変更される場合もありますのでご了承ください。
愛媛県今治市
一人角力 (ひとりずもう)
毎年春の御田植祭と、秋の抜穂祭において、大山祇神社で行われる相撲神事です。目に見えない稲の精霊と相撲を取るため一人角力といわれます。「稲の精霊」と「一力山」による三本勝負で行われ、稲の精霊が2勝1敗で勝つことで春には豊作が約束され、秋には収穫を感謝するという意味があります。その歴史は650年以上に遡るといわれ、一時は途絶えるも、地元の奉仕者の尽力により平成11年に復活を果たしました。愛媛県指定無形民俗文化財。
青森県田子町
田子神楽(たっこかぐら)
田子神楽は、400年以上前から伝わる山伏神楽の流れをくむ神楽です。江戸時代初期から南部藩御用神楽を務め、この功績から南部家の家紋である「向鶴」の使用を許されたといわれており、明治時代まで正月16日に盛岡城に登城して神楽祈祷を行っていたそうです。五拍手といわれる勢いのある囃子の音色に合わせて、舞手が見事な手さばき足さばきを演じます。現在も、田子神楽保存会が中心となり神楽の伝承と後継者の育成に力を入れています。
長野県岡谷市
御諏訪太鼓(おすわだいこ)
御諏訪太鼓は諏訪大社の太太神楽、鼓舞楽として伝承されてきました。また、武田信玄が諏訪太鼓21人衆を編成し、川中島の合戦で将兵の士気の鼓舞をはかったといわれています。御諏訪太鼓の特色は、本来リズム楽器である太鼓を複式複打法によるオーケストラ形式に仕上げてあることです。これは、昭和26年に御諏訪太鼓流家元七代目宗家小口大八が創案完成したものです。打楽器のみによる感情表現は、聞く人々に強い感動と深い感銘を与えています。
岡山県津山市
高田神社横野獅子舞(たかたじんじゃよこのししまい)
高田神社の獅子舞は、伝承によると、和銅6(713)年に美作国府が開設されて以来、毎年9月9日に美作11社の神々が総社に神幸したときからこれに加わっていたといわれています。文化・文政期から明治期にかけてはとくに盛んで、人々に悪魔払いとして信仰を受けて来ました。この獅子舞には、獅子頭と呼ばれる指揮者がいて、獅子を使う技術と人物を見込んで氏子たちが選出します。現在では、毎年7月の納涼祭と、10月の例大祭において奉納されています。
沖縄県読谷村
座喜味棒術(ざきみぼうじゅつ)
座喜味棒術は、約 500年の歴史を持ち、座喜味城主護佐丸公の時代に遡るといわれています。棒術は自分達の身を守るだけでなく、集団で村の防衛を果たすものでもありました。沖縄各地には様々な棒術が伝わっていますが、「座喜味棒」は実戦型であることが特徴です。座喜味棒保存会は1975年に設立され、県内はもとより、県外国外でも技を披露してきました。現在は、後継者育成を目的に子ども会へ指導者を送り、継承発展に努めています。
[ 出演]武田孝史、宝生和英ほか
復曲能『名取ノ老女』(なとりのろうじょ)
現在の宮城県名取市を舞台とする本作は、平成28年東日本大震災から5年を機に国立能楽堂で約130年ぶりに復曲されました。陸奥・名取の老女は熊野権現を信仰、毎年熊野に詣でていましたが、今は年老い、名取に社を勧請して祈りを捧げています。そこに熊野山伏が梛の葉に現れた神詠を携えてやってきます。感涙にむせぶ老女が名取を案内、法楽の舞を捧げると護法善神が現れ老女を祝福します。今回は被災地復興の「息吹」を感じさせる名所教えと護法善神の出現場面を上演します。
佐賀県嬉野市
今寺面浮立(いまでらめんぶりゅう)
面浮立は、佐賀県が誇る民俗芸能のひとつ。笛・鉦・太鼓の囃子に合わせ鬼面をつけて舞います。もともとは約450年前の戦(いくさ)における戦勝祝いの舞だったといわれていますが、現在は五穀豊穣への感謝をする神事芸能として受け継がれています。嬉野市に伝わる今寺面浮立は、男衆の躍動感のある動と静を組み合わせた舞と、女衆の鉦の舞が調和した独特の演舞となっています。
広島県三次市
伊賀和志神楽(いかわしかぐら)
伊賀和志神楽は、石見神楽のうち邑智33神楽の阿須那派に所属しています。江戸時代後期に当地方へ伝えられ、代々土地の有志により伝承されてきています。演目は豊富で多彩です。大きく2種類に分けられ、六調子は石見神楽の原型といえる比較的緩やかな囃子に合わせ、舞手も重心をぐっと落とした姿勢で舞います。八調子は囃子が速く、絢爛豪華な衣装で舞うものです。昭和35年には演目「鈴合わせ」が、広島県無形民俗文化財の指定を受けました。
沖縄県沖縄市
エイサー
エイサーは、本土の盆踊りにあたる沖縄の伝統芸能のひとつ。仏典を広めるために発生した念仏踊りが、しだいに姿を変えていったものであり、地域ごとに独自の衣装・踊り・掛け声など特色を持つ伝統が受け継がれています。中でも本島中部の沖縄市では特にエイサーが盛んに踊られています。演者同士が踊りながら交差し、様々なかたちへ大胆に変化する演舞体系、ダイナミックな男女混成の踊りなど見どころ満載です。
秋田県秋田市
秋田竿灯まつり(あきたかんとうまつり)
江戸時代中期、お盆を前に邪気や病魔を払い、身を清める「ねぶり流し」と、五穀豊穣の願いを込め、提灯を米俵に竿燈全体を稲穂に見立てて練り歩いたことが由来とされています。現在は、8月3日〜6日の4日間開催されています。重さ約50kgの竿燈を手のひら、額、肩、腰などに乗せて、次々に差し手による妙技が披露されます。今日では、各種団体・企業から280本を超える竿燈が出竿されて、その風情はまるで風にそよぐ黄金の稲穂のようです。
午後2時30分開演(午後1時30分開場)
[会場]NHKホール(東京都渋谷区神南2-2-1)
[入場]無料(事前申込制)
[主催]地域伝統芸能まつり実行委員会、(一財)地域創造
[後援]総務省、文化庁、観光庁、NHK
[協力]名鉄観光サービス(株)
◎応募方法 インターネットのみ(パソコン、携帯電話等)
下記募集サイトからご応募ください。
https://www.nhk-p.co.jp/chigeisai2023/
応募締切:2023年1月29日(日) 午後11時59分
◎お問い合わせ ハローダイヤル
Tel. 050-5541-8600(全日9:00〜20:00)
*同一メールアドレスでの重複申し込みはできません。また、同一電話番号で複数お申し込みいただいた場合、1件として取り扱います。
*ご応募いただいた方には、受付確認メールをお送りいたします。
*入力内容に不備があった場合は、無効となりますのでご注意ください。
*応募多数の場合は抽選となります。当落結果は、2月上旬に申込者全員にメールにて通知いたします。新型コロナウイルス感染症の感染状況によって、当選者数を制限する場合があります。
*当選者には、座席券を公演日の約1週間前を目途に発送いたします。なお、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、事前に座席を指定させていただきます。
*ご来場は当選された方と、申し込み時にご同伴者として登録された方に限らせていただきます。それ以外の方へのチケットの譲渡はお断りいたします。
*ご応募いただいたお客様の個人情報は、本事業の抽選、当落告知および個人を特定しない統計資料の作成の目的で使用させていただきます。
また、公演後、会場にて新型コロナウイルス感染症への感染が疑われる事象が発生した際に、必要に応じて保健所、自治体等の公的機関へご来場の方の情報を開示する場合を除き、お客様の事前の承諾なく個人情報を業務委託先以外の第三者に開示・漏洩いたしません。
*新型コロナウイルス感染症の感染状況や、荒天などの影響により公演を中止する場合があります。最新の開催情報は、地域伝統芸能まつりのホームページなどでお知らせいたします。
*ご来場時、また会場内では必ずマスクを着用し、咳エチケット、手指の消毒など感染防止にご協力ください。
*会場入口でサーモグラフィーカメラ等により体温を測定させていただきます。37.5℃以上の体温が測定された方は入場をお断りいたします。
「地域伝統芸能まつり」に関する問い合わせ
総務部 河野
Tel. 03-5573-4056