文化・芸術による地域づくりへの理解を深めていただく研修として、全国市町村国際文化研修所(JIAM)と地域創造の共催により「市町村長特別セミナー『地域経営塾』」を実施しています。今年は10月27日、28日の2日間にわたって開催され、1日目には文化・芸術によるまちづくりに関する講義と、おんかつ支援登録アーティストによるミニコンサートを実施しました。
劇作家・演出家で芸術文化観光専門職大学学長の平田オリザさんによる講義は、「本気の文化によるまちづくり」と題し、人口減少が進むなかで、地域として魅力的な町とは何かを考えました。劇場を新しい広場として居場所づくりや出番づくりを行い、文化による社会包摂を行っていくことで、結果的に行政コストや社会のリスクも軽減していくという話に、参加者は熱心に耳を傾けていました。また、豊岡市に文化観光政策を専門的に学べる芸術文化観光専門職大学が出来たことで、町を出ていくばかりだった若者が地域に残る、地域を変えていくという選択肢ができたということを、事例として挙げられました。
講義に続いて行われた、マリンバ・打楽器奏者の宮本妥子さん(共演:後藤ゆり子さん)によるミニコンサートは、楽器の紹介から、身の周りのものを使った演奏、参加者の打楽器体験等、多彩なプログラムになりました。また、詩の朗読と自作の曲の演奏のコラボレーションを行うことで、言葉の表面的な意味だけでなく、言葉がもつさまざまな響きを考えられる素敵なアウトリーチ体験になりました。
宮本妥子さん、後藤ゆり子さんによるミニコンサートの様子