演出家等を公共ホール等に派遣し、ホール職員等と共にアウトリーチやワークショップを企画・実施するリージョナルシアター事業。この事業では、演劇の幅広い可能性について、ホール職員等の理解を深め、演劇の手法を用いて地域活性化の試みを後押しすることを目的としています。今年度は、7団体が参加し、まちの規模もミッションもさまざまななかで、担当者が派遣アーティストと対話を重ねながら企画した事業が、順次スタートしています。
大空町(派遣アーティスト:福田修志)では、世代間交流をテーマに、親子を対象として、お仕事交換のワークショップを実施。大人たちは職場でやっていることを、子どもたちは学校でやっていることをそれぞれ実演し、参加者皆で真似してみることで、それぞれの生活からお互いを理解するきっかけをつくりました。参加者からは、「子どもに普段仕事の内容を細かく話す機会がなかったが、これからは話してみたい」との声がありました。また、自治会女性部を対象に、大空町流の昼ドラ川柳を考えるワークショップを実施。大空町の新しい魅力の発見を求め、参加者同士で、大空町の風景を取り入れた句のカードをつくり合い、それを組み合わせて川柳をつくりました。昼ドラ川柳、サスペンス川柳等、ユーモアと想像力にあふれた川柳が次々と生まれ、世代を超えて盛り上がる様子が印象的でした。
大野市(派遣アーティスト:多田淳之介)では、高校でのアウトリーチを実施。『走れメロス』のワンシーンの演出を考え、発表しました。会場にある道具を活用したり、セリフを追加したりと、同じシーンの演出ながら、グループによって、登場人物、小道具、効果、セリフのとらえ方等はさまざま。同じ言葉を使っていても、言葉の裏側にあるものは大きく異なるということを考えさせられ、作品を創る過程の楽しさを知ることのできる体験となりました。
他地域でも、地域資源を活用した取り組みなどが実施されますので、興味のある方はぜひご視察ください。
◎令和3年度リージョナルシアター事業(参加団体/派遣アーティスト)
•北海道大空町(大空町教育委員会/福田修志)
•大阪府枚方市(枚方市/ごまのはえ)
•福岡県久留米市(久留米市/多田淳之介)
•秋田県(秋田県/田上豊)
•福井県大野市(大野市/多田淳之介)
•静岡県掛川市(公益財団法人掛川市文化財団/有門正太郎)
•熊本県荒尾市(中央設備 ステージ・ラボ共同体/ごまのはえ)
◎アドバイザー
•内藤裕敬(南河内万歳一座座長、劇作家・演出家)
•岩崎正裕(劇団太陽族代表、劇作家・演出家)
◎派遣アーティスト情報
https://www.jafra.or.jp/system/artists/index?genre=301®isted_year=2021
問い合わせ
芸術環境部 栗林・田中
Tel. 03-5573-4124
regional@jafra.or.jp