公立美術館活性化事業における4事業5種類のプログラムについて、参加館を募集します。
募集締切:2021年11月30日(火)
[Ⅰ]令和4年度準備・5年度開催「市町村立美術館活性化事業」
この事業は、地域創造が提示する公立美術館の所蔵品を活用した共同巡回展を、市区町村の設置する美術館が共同で実施するものです。参加館で実行委員会を結成し、準備年度である令和4年度は学芸担当者会議等を行い、アドバイザーの助言のもと企画の具体化や調査研究、制作実務を開催館で分担して進めます。そして令和5年度に巡回展を開催します。
地域創造は、準備年度・開催年度の2か年にわたる助成に加え、アドバイザーの派遣や制作実務に対する助言等により、事業の実施をサポートします。
今年度募集するのは、令和5年度に開催予定の共同巡回展「福岡アジア美術館所蔵 アジアの美術展」(仮称)への参加館です。
福岡アジア美術館(福岡県福岡市)では、アジア23カ国・地域からの作品を収蔵しています(*)。約4,000点のコレクションは、近代から現代へのアジアの美術の流れを紹介する作品群のほか、パキスタンの映画ポスターやベンガル地方の日用品である刺し子の布「カンタ」等のいわゆる「美術家」以外のさまざまな作り手による大衆芸術や民族芸術、民俗芸術も収蔵しており、質量ともに世界でも類をみないユニークなものです。
今回の展覧会では、福岡アジア美術館の協力により、豊富なコレクションをお借りすることができるため、さまざまな企画展を開催することが可能となります。アジアの特定の国・地域の美術を紹介する展覧会をはじめ、同時代のアーティストによる現代美術の紹介、作品のテーマやジャンルを絞って、例えば抽象画のみを展示するなど、企画の切り口やテーマをいろいろと考えられます。
アジアの美術との出合いは、その土地の風景や人々の暮らしを想像したり、多様な文化を知る機会になります。多文化共生や国際交流にもつながる企画内容ともなっていますので、皆様のご応募をお待ちしています。
*対象となる国と地域
南アジア:バングラデシュ、ブータン、インド、ネパール、パキスタン、 スリランカ、モルディブ/東南アジア:ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、 ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム/東アジア:中国、日本、韓国、北朝鮮、モンゴル、台湾
また、上記の地域出身でありながらも地域外で活動する作家や、欧米出身でアジアへ移住し、その国の美術に影響を及ぼした作家も含む。
福岡アジア美術館では、アジア23カ国・地域を対象にしていますが、各国地域によって気候、風土は大きく異なり、言語、民族、宗教も様々です。近代以前は、それぞれの風土や生活に根差した、あるいは政治や宗教の権力者の下、美術的な表現が発展しました。
18~19世紀に、西洋諸国による植民地化や西洋との通商の中で、西洋近代美術が流入し、そこから現代に至るまで、植民地宗主国の政策や国の体制、戦争、内戦、経済発展など、国・地域によって異なる様々な事情を背景に、それぞれの美術が生まれ、多様な表現が生み出されています。
アジアの美術は、日本美術がそうであるように、西洋の近代美術が入ってきたことで大きく影響を受けましたが、決して西洋美術の亜流などではなく、伝統の繰り返しでもありません。現代に生きるアジアの人々が切実なメッセージをこめてつくり出したもので、そうした作品との出合いは、私たちがもつその国に対してのイメージや美術の概念、価値観など、これまでの考えを大きく揺する体験になります。
今回の企画が、当館を訪れたことのない多くの方々にとって新たな出合いとなることを期待します。
(福岡アジア美術館 学芸員・山木裕子)
[Ⅰ]「市町村立美術館活性化事業」参加申し込み方法
参加を希望する市町村立美術館が、直接地域創造に申し込みます(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、参加決定後に共同巡回展実行委員会を設立していただきます。また、事業の参加に当たっては、準備年度に開催される実行委員会・学芸担当者会議への出席にかかる経費等についての予算措置が必要です。
[Ⅱ-①]令和4年度準備・5年度開催「公立美術館共同巡回展開催助成事業(2か年プログラム)」
[Ⅱ-②]令和4年度開催「公立美術館共同巡回展開催助成事業(単年度プログラム)」
3館以上の公立美術館が共同で自主的に企画する、公立美術館の所蔵品を活用した共同巡回展に対し助成します。
「2か年プログラム」は、令和4年度に企画の具体化や調査研究、出品交渉やカタログ編集等の準備作業を行い、令和5年度に巡回展を開催する事業を対象とし、準備年度150万円、開催年度2,000万円を上限に助成します(開催年度助成金については、決定額の50%までの前金払い請求が可能)。
「単年度プログラム」は、令和4年度に開催される共同巡回展について、A 作品借用・展示関連経費への助成と、B 図録作成経費への助成のどちらかをご選択いただき、Aについては500万円、Bについては300万円を上限に助成します。
[Ⅱ-①]「公立美術館共同巡回展開催助成事業(2か年プログラム)」申請方法
•準備年度:各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、助成決定後に実行委員会を設立していただきます。
•開催年度:準備年度に助成決定を受けた共同巡回展実行委員会より申請します。
[Ⅱ-②]「公立美術館共同巡回展開催助成事業(単年度プログラム)」申請方法
各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、助成決定後に実行委員会を設立していただきます。
[Ⅲ]令和4年度実施「公立美術館共同巡回展企画支援事業」
2館以上の公立美術館による、「公立美術館共同巡回展開催助成事業」の申請に向けた、企画内容の検討や調査研究等の取り組みを支援します。学芸担当者会議の開催や調査活動のための経費に対し、100万円を上限に助成する他、アドバイザーの派遣、会議室の提供、他の参加館募集の告知等による支援も行います。
[Ⅳ]令和4年度実施「公立美術館共同地域交流プログラム助成事業」
2館以上の公立美術館が共同で企画する、公立美術館の所蔵品を活用した地域交流プログラムの実施に対し、100万円を上限に助成します。参加館や他の公立美術館のコレクションを活用した展覧会(異なる展覧会も可)に関連し、各館の展示内容やテーマ(作家、素材、技法、様式、モチーフなど)をもとに自主的に企画・実施される地域交流プログラムが対象です。
[Ⅲ]「公立美術館共同巡回展企画支援事業」および[Ⅳ]「公立美術館共同地域交流プログラム助成事業」申請方法
各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(指定管理者制度を導入している施設の場合に限り、設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、実行委員会の設立は必要ありません。
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*1 公立美術館活性化事業における美術館とは、博物館その他を含め、美術作品の公開および保管を行う施設をいいます。
*2 [Ⅰ]の開催年度および[Ⅱ]-①については、対象経費の合計額から収入を控除した額に対する助成率です。その他については、対象経費の合計額に対する助成率となります。
「公立美術館活性化事業」に関する問い合わせ
総務部 三田
Tel. 03-5573-4184
各事業の詳細については、実施要綱をご確認ください。各実施要綱および申請書類は、当財団ホームページからダウンロードできます。
https://www.jafra.or.jp/project/visual-art/01.html#boshu