一般社団法人 地域創造

令和2(2020)年度「公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)」各地の取り組み

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市民参加公演の様子(Bプログラム・宗像ユリックス/アーティスト:長井江里奈) ©Tomiyoshi Works

 地域交流プログラム(アウトリーチ、公募ワークショップ)を実施するAプログラム、市民参加作品を創作し上演するBプログラム、アーティストのレパートリー作品を上演するCプログラムを、年度ごとに選択して継続的に事業の実施が可能な「ダン活」。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を取りながら、10月より各地で事業がスタートしていますが、今年度は15団体の実施の予定からBプログラム3団体、Cプログラム5団体での実施となっています。
 Bプログラムの福岡県宗像市(宗像ユリックス)では、先が読みづらい日々の中で、かけがえのない1日という意味を込めて、公演日の『12月20日』を作品のタイトルにした市民参加公演を実施しました。「参加者の今後の人生の糧となるような作品をつくりたい」というホール担当者の思いから、20歳以上を対象に公募で集まった9人の市民ダンサーがそれぞれの思い出や夢に焦点を当て、作品を創作し上演しました。
 参加者からは、「この事業に参加しなければ出会えなかった人たちとの絆を深めることができた」「初めての舞台体験で、勇気を出して参加した。自分でも踊れるという自信がついた」という感想が聞かれ、それぞれの人生の中で特別な1日となりました。
 これから実施予定のBプログラムでは、地元のキッズダンスチームの子どもたちとの作品づくりや、市民参加者と共にホールのさまざまな場所で撮影するダンス映像作品と、映像を活用した舞台作品を創作する企画が予定されています。
 Cプログラムの熊本県長洲町(ながす未来館)では、「地域に対してダンスを身近に感じていただきたい」というホール担当者とアーティスト共通の思いから、地域資源を生かし、町内に伝わる民話を題材とした公演を上演しました。他地域でのCプログラムでは、プロモーション映像の制作に初めて挑戦したり、公演本番のライブ配信を企画したりと、オンラインを積極的に活用した取り組みが行われ、ダンスの魅力を伝えました。
 いずれの実施団体も、ダンス事業を通じた地域コミュニティの活性化を目指し、来年度以降の継続的な事業の実施を見据えています。各ホールの今後の事業展開が楽しみです。

 

●令和2(2020)年度ダン活実施団体
(主会場/アーティスト/日程)
◎Bプログラム
•福岡県宗像市(宗像ユリックス/長井江里奈/2020年10月10日~11日、12月14日~20日)
•岩手県宮古市(宮古市民文化会館/北尾亘/12月18日~20日、2021年2月24日~3月1日)
•山形県鶴岡市(荘銀タクト鶴岡/中村蓉/3月5日~7日、3月24日~29日)
◎Cプログラム
•広島県三次市(三次市民ホール きりり/北尾亘/2020年11月19日~22日)
•熊本県長洲町(ながす未来館/田村一行/11月19日~22日)
•神戸市(神戸アートビレッジセンター/長井江里奈/2021年1月14日~17日)
•福島県白河市(白河文化交流館コミネス/康本雅子/1月28日~31日)
•高知県土佐清水市(土佐清水市立市民文化会館くろしおホール/田村一行/3月19日~22日)


●公共ホール現代ダンス活性化事業に関する問い合わせ
芸術環境部 栗林・青井・畑
Tel. 03-5573-4055・4077

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