一般社団法人 地域創造

令和2(2020)年度「リージョナルシアター事業」研修会報告

 令和2年度リージョナルシアター事業の実施予定団体と派遣アーティストが集まり、ワークショップやディスカッション、打ち合わせを行う研修会が、2019年11月11日(月)・12日(火)の2日間にわたって当財団事務所にて開催されました。今回は、来年度実施予定の5団体(北海道大空町、福島県いわき市、埼玉県宮代町、大阪府枚方市、福岡県久留米市)から10人の事業担当者が参加し、交流を深めるとともに当事業の趣旨や可能性を共有する2日間となりました。

 地域の課題やホールの展望などを踏まえながら、住民等を対象にしたワークショップや学校へのアウトリーチを行う当事業では、派遣アーティストと実施団体が協働しながらプログラムをつくり実施していきます。今回の研修では、地域・ホールのやりたいことや抱える問題意識、また演劇的手法を使ったワークショップの効果や可能性などを、事業担当者と派遣アーティストで共有するための対話がさまざまな場面で行われました。

 初日はまず、アドバイザーの岩崎正裕さんによるワークショップとレクチャーが行われました。ワークショップ開始直後は初対面の人が多く遠慮がちな雰囲気が漂っていた会場でしたが、岩崎さんの進行で「拍手まわし」などのシアターゲームをするうち、徐々に参加者にも笑顔が。その後、2人1組で相手のことを紹介する「他己紹介」に取り組み、最後には“漫才風”にして全員の前で発表。ユーモア溢れる漫才に爆笑が起こっていました。岩崎さんからは「演劇ワークショップは広場づくり。家でも職場でもない第三の場所=“広場”を街に再生し、新しい人たちと出会う場をつくることが公共ホールに求められていることではないでしょうか。そしてそれが地域の活力になると思っています」との言葉がありました。

 続いて「事例紹介」として、派遣アーティスト5名とアドバイザー2名に、ワークショップ事例やこれまでの成果や苦労、事業担当者の役割や心構えについてお話しいただきました。プログラムの自由度が高い演劇ワークショップならではの楽しさや難しさ、また継続することの重要性にも話が及び、参加者たちは自らの地域やホールに照らし合わせながら考えを巡らせることになりました。

 2日目は前日のオリエンテーションを踏まえて、派遣アーティストと実施予定団体による企画打ち合わせが行われました。それぞれのミッションや課題を元に、その地域ならではのプログラム実現に向けて熱心な話し合いがグループごとで行われ、最後には打ち合わせ内容を発表しあい、2日間の研修を締めくくりました。実施予定団体の来年度の企画実施にご期待ください。

 

●令和2(2020)年度「リージョナルシアター事業」

◎派遣アーティスト
・多田淳之介(東京デスロック主宰、演出家)
・田上豊(田上パル主宰、劇作家・演出家)
・有門正太郎(有門正太郎プレゼンツ主宰、演出家・俳優)
・福田修志(F’s Company代表、劇作家・演出家)
・ごまのはえ(ニットキャップシアター代表、劇作家・演出家・俳優)

◎アドバイザー
・内藤裕敬(南河内万歳一座座長、劇作家・演出家)
・岩崎正裕(劇団太陽族代表、劇作家・演出家)

◎実施予定団体
・北海道大空町
・福島県いわき市(いわき芸術文化交流館アリオス)
・埼玉県宮代町(宮代町立コミュニティセンター進修館)
・大阪府枚方市
・福岡県久留米市(久留米シティプラザ)

 

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1.岩崎正裕さんによるワークショップとレクチャー/2.事例紹介/3.派遣アーティストとの企画打ち合わせ/4.打ち合わせ内容の発表

 

●リージョナルシアター事業に関する問い合わせ
芸術環境部 藤原・山本・勝田
Tel. 03-5573-4124

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