地域創造では、地域の重要な資源である地域伝統芸能の保存・継承・活用を支援しています。なかでも、日本各地域の伝統芸能と古典芸能がNHKホールに一堂に会し、個性豊かなさまざまな芸能が歴史的・地域的な解説とともに披露される「地域伝統芸能まつり」は、日本の芸能のすばらしさや地域の伝統の重みを再認識する機会として高く評価されています。
平成12(2000)年度から毎年開催されてきたこのまつりでは、これまで、全国47都道府県から190演目が披露されました。20回目となる今年のテーマは、「競う~互いに競い、自分を磨く。~」。テーマに沿った、日本各地域の伝統芸能8演目と古典芸能1演目をご紹介します。
◎出演予定の地域伝統芸能・古典芸能(出演順)
行祭事名または演目 | 地域または出演者 | 都道府県単位でみた場合の出演回数 |
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一人角力 | 今治市(愛媛県) | 6回目(4年ぶり) |
秋田竿燈まつり | 秋田市(秋田県) | 9回目(2年連続) |
座喜味棒術 | 読谷村(沖縄県) | 8回目(3年ぶり) |
江戸火消しの梯子乗り | 東京都 | 6回目(3年ぶり) |
三島囃子 | 三島市(静岡県) | 4回目(7年ぶり) |
能『舎利』観世流(短縮版) | 坂井音重ほか | ─ |
下水流臼太鼓踊 | 西都市(宮崎県) | 6回目(6年ぶり) |
高田神社横野獅子舞 | 津山市(岡山県) | 3回目(10年ぶり) |
阿波おどり | 徳島市(徳島県) | 3回目(6年ぶり) |
第20回地域伝統芸能まつり プログラム紹介(予定)
*演目は変更される場合もありますのでご了承ください。
愛媛県今治市
一人角力 (ひとりずもう)
毎年春の御田植祭と、秋の抜穂祭において、大山祇神社で行われる相撲神事です。目に見えない稲の精霊と相撲を取るため一人角力といわれます。「稲の精霊」と「一力山」による三本勝負で行われ、稲の精霊が2勝1敗で勝つことで春には豊作が約束され、秋には収穫を感謝するという意味があります。その歴史は650年以上に遡るといわれ、一時は途絶えるも、地元の奉仕者の尽力により平成11年に復活を果たしました。愛媛県指定無形民俗文化財。
秋田県秋田市
秋田竿燈まつり(あきたかんとうまつり)
江戸時代中期、お盆を前に邪気や病魔を払い、身を清める「ねぶり流し」と、五穀豊穣の願いを込め、提灯を米俵に竿燈全体を稲穂に見立てて練り歩いたことが由来とされています。現在は、8月3日~6日の4日間、竿燈大通りを会場に開催されています。各町内や、各種団体重さ約50キロの竿燈を手のひら、額、肩、腰などに乗せて「ドッコイショー」の掛け声とともに、次々に差し手による妙技が披露されます。また、笛と太鼓の旋律の囃子方で、華やかに竿燈演技を盛り上げます。今日では、各種団体・企業から280本を超える竿燈が出竿されて、その風情はまるで風にそよぐ黄金の稲穂のようです。
沖縄県読谷村
座喜味棒術(ざきみぼうじゅつ)
座喜味棒術は、約500年の歴史を持ち、座喜味城主護佐丸公の時代に遡るといわれています。棒術は自分達の身を守るだけでなく、集団で村の防衛を果たすものでもありました。沖縄各地には様々な棒術が伝わっていますが、「座喜味棒」は実戦型であることが特徴です。6尺棒と3尺棒を自在に操り、常に相手の急所を狙って攻める戦いは、緊迫感と様式美に溢れています。座喜味棒保存会は1975年に設立され、県内での演武はもとより、東京、ブラジル、ハワイ、韓国、台湾など県外国外でも技を披露してきました。現在は、後継者育成を目的に子ども会へ指導者を送リ、継承発展に努めています。
東京都
江戸火消しの梯子乗り(えどひけしのはしごのり)
消防出初式は、年明けの恒例行事として各地で行われています。今日では様々な消防演技が披露される中にあって、「纒振り」や「梯子乗り」、「木遣歌」は、江戸時代の町火消の心意気を今に伝えています。梯子乗りの起源は定かではありませんが、万治2(1659)年1月4日に、時の老中稲葉伊予守正則が、定火消総勢四隊を率いて上野東照宮前で顔見せの儀式「出初」を行い、気勢を上げたことに由来すると伝えられています。現在、各自治体の消防出初式において演じられる梯子乗りは、消防職員や消防団員が行っていますが、東京消防出初式では、「江戸消防記念会」がその技を保存、伝承しています。
静岡県三島市
三島囃子(みしまばやし)
三島囃子は、天文年間(1532~55年)の頃、三島明神の神領内の若者たちに伝えられた「お囃子」と、江戸時代に西と東の文化が混ざり独自に発展した「しゃぎり」の総称です。8月の「三嶋大祭り」では、当番町の山車引回しを中心に、大通りに10数台の山車が並ぶ「山車シャギリ大会」や、3日間「子供しゃぎり大会」が開催されたり、市内中に三島囃子の音色が響き渡ります。中でも「競り合い」は町内ごとの山車が対面したときなどに、競い合って行う勇壮な演奏で、この祭りのハイライト的な存在であり、三島の夏の風物詩ともなっています。
能『舎利(しゃり)』観世流(短縮版)[出演]坂井音重ほか
韋駄天が登場する能『舎利』をお楽しみいただきます。ご存じNHK大河ドラマのタイトルともなった「いだてん」とは、足の速い人のことを言いますが、本来は仏殿などを守護する足の速い神様のことです。その韋駄天がかつて仏舎利を奪って逃げた鬼を捕まえたとの伝説があります。旅の僧が都・泉涌寺舎利殿を訪れ、仏牙舎利塔(ぶつげしゃりとう)を拝んでいると、怪しい男が現れ、あっという間に舎利塔を奪い、舎利台を破壊、ものすごいスピードで虚空に逃げていきます。後半、韋駄天が現れ、犯人の足疾鬼を天上界、下界と追いかけ、舎利塔を取り戻します。舎利塔を盗み出した足疾鬼を追う韋駄天のスピード感のある舞台が展開します。
宮崎県西都市
下水流臼太鼓踊(しもずるうすだいこおどり)
下水流臼太鼓踊は、西都市の下水流地区で伝承されてきました。九州南部各地で行なわれる臼太鼓踊のひとつで、臼形の大きな太鼓を打ちながら踊ります。毎年旧暦の8月1日、五穀豊穣・火難・水難除けを祈願して奉納します。その起源は、文禄・慶長の役(1592~98年)における、加藤清正軍に由来すると伝わっています。4組1対となり、縦陣・円陣など隊形を変化させながら「躍動的」に踊る当芸能は、南九州一とも賞される激しい動きが特徴です。1928(昭和3)年に全国舞踊大会で1位となると、同年のロンドン世界青年大会にも出演し、好評を博しました。近年では、北京オリンピックプレ中国公演に出演するなど、宮崎県を代表する伝統芸能としても活動しています。
岡山県津山市
高田神社横野獅子舞(たかだじんじゃよこのししまい)
高田神社の獅子舞は、伝承によると、和銅6(713)年に美作国府が開設されて以来、毎年9月9日に美作11社の神々が総社に神幸したときからこれに加わっていたといわれています。文化・文政期から明治期にかけては特に盛んで、人々に悪魔払いとして信仰を受けてきました。獅子舞の構成は、笛8人、太鼓4人、獅子の胴体には10ないし12人が一頭に入ります。この獅子舞には、古くから獅子頭と呼ばれる指揮者がいて、獅子を使う技術と人物を見込んで氏子たちが選出した人が務めることになっています。現在では、毎年7月最後の日曜日の納涼祭と、10月第2日曜日の例大祭において奉納されています。
徳島県徳島市
阿波おどり(あわおどり)
阿波おどりは400年を超える歴史を持つといわれる、徳島が世界に誇る伝統芸能です。期間中は街中に軽快な音色(ぞめき囃子)と情感あふれる「よしこの」が響き、踊り子や見物客の身も心も弾みます。自由な民衆娯楽として大きく開花した阿波おどりは、東京・高円寺、埼玉・南越谷をはじめ全国各地に根付いたうえ、度々海外公演も開催されるなど、今や世界的にもその名を知られています。
[日時]2020年2月23日(日)午後2時30分開演(午後1時30分開場)
[会場]NHKホール(東京都渋谷区神南2-2-1)
[入場]無料(事前申込制)
[主催]地域伝統芸能まつり実行委員会 一般財団法人地域創造
[後援]総務省、文化庁、観光庁、NHK
[協力]日通旅行株式会社
◎応募方法
2020年1月31日(金)必着
※応募多数の場合は抽選。発表は本人に直接通知します。
1. インターネット(パソコン、携帯電話等)
募集サイトからご応募ください。
http://www.nhk-p.co.jp/matsuri/
2. はがき
往復はがきに①~⑦を明記の上、下記事務局までお送りください。
①郵便番号 ②住所 ③氏名 ④年代 ⑤性別
⑥電話番号 ⑦入場希望者数(はがき1枚につき2名まで)
[応募先]
〒150-0047 東京都渋谷区神山町5-5 NRビル5F
「地域伝統芸能まつり」観覧応募事務局
※ご応募いただいた個人情報は、本事業の抽選、当・落選告知および個人を特定しない統計資料の作成の目的で使用します。また、事前の承諾なく個人情報を業務委託先以外の第三者に開示・漏洩しません。
◎お問い合わせ ハローダイヤル
Tel. 03-5777-8600(全日8:00~22:00)
●「地域伝統芸能まつり」に関する問い合わせ
総務部 宮下
Tel. 03-5573-4056