令和元年度リージョナルシアター事業の参加団体と派遣アーティストが集まりワークショップやディスカッション、打ち合わせを行う研修会が、4月15日(月)、16日(火)の2日間にわたって当財団事務所にて開催されました。今回は、今年度参加する5団体(秋田県能代市、京都府、愛媛県松山市、大分県九重町、宮崎県門川町)から7人の事業担当者が参加し、交流を深めるとともに当事業の趣旨や可能性を共有する2日間となりました。
地域の課題やホールの展望などを踏まえながら、住民等を対象にしたワークショップや学校へのアウトリーチを行う当事業では、派遣アーティストと参加団体が協働しながらプログラムをつくり実施していきます。今回の研修では、地域・ホールのやりたいことや抱える問題意識を派遣アーティストと共有するための相互の対話がさまざまな場面で行われました。
初日はまず、アドバイザーの内藤裕敬さんによるレクチャーとワークショップが行われました。「どんな演劇を面白いと思うか?」という内藤さんの質問から始まったレクチャーでは、ワークショップを実施していくうえでの重要なキーワードとして「想像」が挙げられました。その後、参加者全員で実際にワークショップを体験。モナリザの絵に新たなタイトルを付けてみる、音楽を聴いてイメージに合う絵を選ぶ、など、「想像で遊ぶ」ことに焦点を当てたワークを行うことで、レクチャーで話されたことをより実地で感じてもらうことができました。
続いて「事例紹介&座談会」と題し、昨年度実施の茨城県牛久市、埼玉県秩父市から担当者をお招きし、事業実施の成果や苦労、今後の展望などをお話いただくとともに、アーティスト、参加者も交えてざっくばらんに質問や意見を交換し合いました。牛久市、秩父市ともに今年度もワークショップ事業を継続する予定であることから、リージョナルシアター事業を一過性のものにしないためにどういったことを考えて取り組んだのか、という話も聞くことができ、参加者たちは事業実施後についても思いを巡らせることになりました。
2日目は前日のオリエンテーションを踏まえて、派遣アーティストと参加団体による企画打ち合わせが行われました。それぞれのミッションや課題をもとに、その地域ならではのプログラム実現に向けて熱心な話し合いがグループごとで行われ、最後には現時点での計画や事業実施後の展望についての発表がありました。宮崎県門川町の岩切義樹さんは「研修会を受けて、自分が固定概念にとらわれていることに気付いた。自由な考えで、町の人や自分がわくわくすることを企画したいと思います」と意欲を語ってくれました。その後、派遣アーティストと参加団体による個別の打ち合わせを行い、2日間の研修を締めくくりました。
令和元年度「リージョナルシアター事業」
派遣アーティスト
- 多田淳之介(東京デスロック主宰、演出家・俳優)
- 田上豊(田上パル主宰、劇作家・演出家)
- 有門正太郎(有門正太郎プレゼンツ主宰、演出家・俳優)
- 福田修志(F’sCompany代表、劇作家・演出家)
- ごまのはえ(ニットキャップシアター代表、劇作家・演出家・俳優)
アドバイザー
- 内藤裕敬(南河内万歳一座座長、劇作家・演出家)
- 岩崎正裕(劇団太陽族主宰、劇作家・演出家)
参加団体
- 秋田県能代市(能代市文化会館)
- 京都府(京都府立けいはんなホール)
- 愛媛県松山市(松山市総合コミュニティセンター)
- 大分県九重町(九重文化センター)
- 宮崎県門川町(門川町総合文化会館)
問い合わせ
芸術環境部 藤原・山本・勝田
Tel. 03-5573-4124