一般社団法人 地域創造

平成29・30年度「市町村立美術館活性化事業」報告

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左:「ロビーコンサート」(瀬戸市美術館)/中央:「スペシャルギャラリートーク」(釧路市立美術館)/右:「「江戸写し絵」と絵画でめぐる日本の風景 ちょっと不思議なはけ美の夕べ」(小金井市立はけの森美術館)

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上:「宮島スケッチ会」(はつかいち美術ギャラリー)/下:「学芸員とめぐるせともののまちめぐり」(瀬戸市美術館)

 平成29・30年度市町村立美術館活性化事業「小杉放菴記念日光美術館所蔵 絵画で国立公園めぐり─巨匠が描いた日本の自然─」展が、はつかいち美術ギャラリー、瀬戸市美術館、小金井市立はけの森美術館、釧路市立美術館で開催されました。
 18回目となる今回は、小杉放菴記念日光美術館のご協力の下、国立公園絵画コレクション80点の展示が実現し、多くの方々に作品をご覧いただきました。名実ともに日本の近代洋画界を代表する画家たちが、国立公園協会からの依頼によって制作した有数の風景画コレクションです。本共同巡回展では、全国を旅して回るような感覚で作品を鑑賞してもらおうと、全国を7地域に区分して北から順番に展示をしました。実際に訪れたことのある鑑賞者が、思い出を語りながら展示室を回る様子も見られたそうです。
 本事業では、展覧会の開催のみならず、企画内容に即したワークショップなどの地域交流プログラムを実施しています。今回は、日本の国立公園の風景画の展示であることから、それぞれの参加館の地元の風景を見直すプログラムが多彩に開催されました。
 瀬戸市美術館では、「学芸員と巡るせともののまちめぐり」と題して、せとものの発展とともに変化してきた尾張瀬戸駅周辺の町並みを見て歩きました。普段は見ることができない、国の登録文化財・旧山繁商店の見学など、まちの風景に思いを馳せる時間となりました。そのほか、自然をテーマにした楽曲を演奏するロビーコンサートも開催し、初めて美術館へ来たという方も多くみられました。
 その他の美術館も、洋画家の指導の下、実際に国立公園内の宮島を描く宮島スケッチ会(はつかいち美術ギャラリー)や、江戸時代から続く人形一座を講師に、参加者が風景を描いて上映するワークショップ(小金井市立はけの森美術館)、描かれていた国立公園を実際に巡るバスツアー(釧路市立美術館)を行うなど、各館が工夫をこらし、地域の特徴を生かした地域交流プログラムが行われました。
 本事業は、地域創造の提示した企画案を、開催各館の学芸員がアドバイザーの助言の下、学芸会議等で議論を重ねながら具体化していきます。他館の学芸員と共同巡回展づくりを通して連携を深め、ノウハウを共有することで多くの成果をもたらした事業となりました。
 平成30・31年度市町村立美術館活性化事業では、「見て、感じて、遊ぼう!はんが遊園地─府中市美術館のゆかいな創作版画コレクションより─」展を、上田市立美術館、安城市民ギャラリー、掛川市二の丸美術館、須坂版画美術館・平塚運一美術館、勝央美術文学館で開催の予定です。また平成33(2021)年度開催の本事業の参加館募集は、2019年6月頃を目処に行う予定です。地域創造ウェブサイトをご確認の上、奮ってご参加ください。

 

●平成29・30年度公立美術館活性化事業【市町村立美術館活性化事業】
「小杉放菴記念日光美術館所蔵 絵画で国立公園めぐり─巨匠が描いた日本の自然─」
[主催]第18回共同巡回展実行委員会ほか
[特別協力]小杉放菴記念日光美術館
[会場・会期]はつかいち美術ギャラリー(広島県廿日市市):2018年4月28日~6月10日、瀬戸市美術館(愛知県瀬戸市):6月16日~7月29日、小金井市立はけの森美術館(東京都小金井市):8月4日~9月17日、釧路市立美術館(北海道釧路市):9月23日~11月11日
[助成](一財)地域創造

●公立美術館活性化事業に関する問い合わせ
総務部 高野
Tel. 03-5573-4143

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