一般社団法人 地域創造

平成31・32年度「公立美術館活性化事業」募集

公立美術館活性化事業における4事業5種類のプログラムについて、平成31・32年度に実施される事業の参加館を募集します。

募集締切:平成30年11月30日(金)

p14_2.jpg
染付花鳥図獅子鈕蓋付大飾壺
1876年 瀬戸市指定文化財
p14_3.jpg
灰釉菊印花文四耳壺
13世紀末期~14世紀初期
p14_4.jpg
アン王女 テーケー名古屋人形製陶株式会社 1991年

[Ⅰ]平成31年度準備・32年度開催「市町村立美術館活性化事業」

 この事業は、地域創造が提示する、公立美術館の所蔵品を活用した共同巡回展を、市区町村の設置する美術館が共同で実施するものです。
 今回、平成32年度開催の共同巡回展として、「瀬戸市美術館・瀬戸蔵ミュージアム所蔵 せとものの技と美」展(仮称)の参加館を募集します。
 愛知県瀬戸市は、「せともの(瀬戸物)」という言葉が、やきもの全般を示すように、日本を代表する陶都です。瀬戸では千年以上前の平安時代からやきものづくりが始まり、その生産は現在まで連綿と続いています。生産されているものは、各時代の要求に応えるように変化し、当時の生活や文化を表しています。これは日本の文化史を表現していると言っても過言ではありません。
 この瀬戸市には、瀬戸の歴史や芸術を紹介する施設として、瀬戸市美術館・瀬戸蔵ミュージアムがあります。瀬戸市美術館では、北川民次・藤井達吉等の瀬戸市ゆかりの作家の作品を中心に1,000点を超える収蔵品があります。そして瀬戸蔵ミュージアムでは、瀬戸の歴史的な陶磁器作品とともに窯業関連の生産道具等1万点以上の作品を収蔵しています。その中の3,943点が「瀬戸の陶磁器の生産用具及び製品」として国の重要有形民俗文化財に指定されています。
 日本のやきものづくりをリードしてきた瀬戸のやきものやその関連作品を通して、日本文化を見直すきっかけとなる企画が可能だと考えられます。また巡回展実施年は「東京オリンピック・パラリンピック」の開催年であることから、日本文化をPRする企画としても期待できます。また日本各地のやきもの産地や近隣地域との関わりの拡がりに繋げることもできると思います。 この事業では、参加館による実行委員会を結成し、平成32年度に巡回展を開催するほか、準備年度事業として、31年度から学芸担当者会議等を行い、アドバイザーの助言のもと、企画の具体化や調査研究、制作実務を分担して進めます。
 地域創造は、準備年度・開催年度の2か年にわたる助成に加え、アドバイザーの派遣や制作実務に対する助言等により、事業の実施をサポートします。

 

◎[Ⅰ]「市町村立美術館活性化事業」参加申し込み方法
 参加を希望する市町村立美術館が、直接地域創造に申し込みます(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、参加決定後に共同巡回展実行委員会を設立していただきます。また、事業の参加に当たっては、準備年度に開催される実行委員会・学芸担当者会議への出席にかかる経費等についての予算措置が必要です。

 

◎市美活のすすめ 瀬戸市美術館館長 服部文孝氏

 瀬戸市が市町村立美術館活性化事業(以下、市美活)に初めて参加したのは平成19年に開催された「北大路魯山人」展からです。それまでは単館での企画を中心に展覧会を実施していましたが、市美活の事業で初めて他の館の学芸員と共同作業することにより、自館では得られない多くの経験や知識を得ることができました。市町村立美術館における学芸員は数少ないことが多いため、学芸的スキルの向上を自分自身で頑張らなくてはならない状況があると思います。このスキルの向上のためにも、この市美活の事業は活用できると思いました。また市美活の事務局館も経験させていただいたことによって、共同で展覧会を企画・実施する楽しみや苦しみも経験させてもらいました。
 この市美活の良い所は、通常出会うことがない館の学芸員と出会い、そして一つの目的に向かって一緒に仕事ができるということだと思います。このことにより、新たなネットワークの構築ができるとともに、さまざまなノウハウの習得にも繋がりました。
 今回の「せとものの技と美」展の企画は、さまざまな切り口での内容が考えられると思います。参加館で企画内容を検討し、加えて陶芸作品の取り扱い方を学べるきっかけにしていただけたらと思っています。

p14_1.jpg
第18回共同巡回展「小杉放菴記念日光美術館所蔵絵画で国立公園めぐり─巨匠が描いた日本の自然」作品展示作業風景

 

[Ⅱ-1]平成31年度準備・32年度開催「公立美術館共同巡回展開催助成事業(2か年プログラム)」

[Ⅱ-2]平成31年度開催「公立美術館共同巡回展開催助成事業(単年度プログラム)」

 3館以上の公立美術館が共同で自主的に企画する、公立美術館の所蔵品を活用した共同巡回展に対し助成します。
 「2か年プログラム」は、平成31年度に企画の具体化や調査研究、出品交渉やカタログ編集等の準備作業を行い、32年度に巡回展を開催する事業を対象とし、準備年度150万円、開催年度2000万円を上限に助成します(なお、開催年度助成金については、決定額の50%までの前金払い請求が可能です)。
 「単年度プログラム」は、平成31年度に開催される共同巡回展について、A.作品借用・展示関連経費への助成と、B.カタログ作成経費への助成のどちらかをご選択いただき、A.については500万円、B.については300万円を上限に助成します。

 

◎[Ⅱ-1]「公立美術館共同巡回展開催助成事業(2か年プログラム)」申請方法
・ 準備年度:各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、助成決定後に実行委員会を設立していただきます。

・ 開催年度:準備年度に助成決定を受けた共同巡回展実行委員会より申請します。

 

◎[Ⅱ-2]「公立美術館共同巡回展開催助成事業(単年度プログラム)」申請方法
各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、助成決定後に実行委員会を設立していただきます。

 

[Ⅲ]平成31年度実施「公立美術館共同巡回展企画支援事業」

 2館以上の公立美術館による、「公立美術館共同巡回展開催助成事業」の申請に向けた、企画内容の検討や調査研究等の取り組みを支援します。地域創造は学芸担当者会議の開催や調査活動のための経費に対し、100万円を上限に助成するほか、アドバイザーの派遣、会議室の提供、他の参加館募集の告知等による支援も行います。

 

◎[Ⅲ]「公立美術館共同巡回展企画支援事業」および[Ⅳ]「公立美術館共同地域交流プログラム助成事業」申請方法
各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(指定管理者制度を導入している施設の場合に限り、設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、実行委員会の設立は必要ありません。

 

[Ⅳ]平成31年度実施「公立美術館共同地域交流プログラム助成事業」

 2館以上の公立美術館が共同で企画する、公立美術館の所蔵品を活用した地域交流プログラムの実施に対し、100万円を上限に助成します。参加館や他の公立美術館のコレクションを活用した展覧会(異なる展覧会も可)に関連し、各館の展示内容やテーマ(作家、素材、技法、様式、モチーフなど)を基に自主的に企画・実施される地域交流プログラムが対象です。

 

information3.png

●「公立美術館活性化事業」に関する問い合わせ
総務部 高野
Tel. 03-5573-4143


●各事業の詳細については、実施要綱をご確認ください。各実施要綱および申請書類は、当財団のウェブサイトよりダウンロードできます。
http://www.jafra.or.jp/j/guide/box/

 

カテゴリー