恒例の「夏のフェスティバル特集号」の季節となりました。話題の大型企画から定番イベントまで、一挙にご紹介します。
ジャンル別に、開催地、日程、事業名、事業内容の順に掲載しています。
[会]は会場、[問]は問い合わせ先です。(は地域創造助成事業)
音楽
札幌市 7月7日~8月1日
パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)2018
今年で29回目を迎える国際教育音楽祭。オーディションに合格した24カ国・地域から102人の若手音楽家(PMFアカデミー生)が札幌に集まり、欧米の主要オーケストラで活躍する教授などから1か月にわたり指導を受けた成果を披露する。PMF創設者レナード・バーンスタインの生誕100年を記念したプログラムも多く演奏される。
[会]札幌コンサートホールKitara、札幌芸術の森・野外ステージほか
[問]パシフィック・ミュージック・フェスティバル組織委員会 Tel. 011-242-2211
北海道中札内村 7月28日、29日、8月26日、9月9日
中札内村 花と絵のある音楽祭
平成27年に第10回をもって終了した「北の大地ビエンナーレ」に代わる新たなアートの村づくりとして始まった「なかさつ音まちプロジェクト」の一環として開催。第1回となる今回は、「花と絵のある音楽祭」と題し、6月~9月の間、中札内村内で継続して音楽イベントを開催。音楽を身近に感じることができる機会を提供する。
[会]中札内文化創造センター、道の駅なかさつない
[問]中札内村教育委員会 Tel. 0155-67-2929
宮城県石巻市 8月26日
第15回トリコローレ音楽祭
「海、人、そして音楽」をテーマに、音楽を愛する演奏者と市民の交流の場として2004年から始まった市民音楽祭。15回目となる今回は、約770名以上の演奏家が出演する予定。青空の下、ロックやジャズ、吹奏楽など、さまざまなジャンルの音楽が街中に響きわたる1日となる。
[会]石巻中心市街地
[問]トリコローレ音楽祭実行委員会事務局(街づくりまんぼう内) Tel. 0225-23-2109
群馬県草津町 8月17日~30日
第39回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル
国内外から演奏家を迎え、講習会と演奏会により構成される音楽祭。今年は「自然が創造する音楽」をテーマにルネサンス、バロックから現代まで、多くの作曲家が試みた自然へのオマージュをコンサートプログラムで紹介する。生誕200年のグノーと没後100年のドビュッシーの音楽も取り上げる。
[会]草津音楽の森国際コンサートホールほか
[問]草津夏期国際音楽アカデミー事務局 Tel. 03-5790-5561
東京都台東区ほか 7月21日~29日
ミュージック・ワークショップ・フェスタ〈夏〉
海外で先駆的な教育普及活動を行っているポルトガルの音楽施設「カーザ・ダ・ムジカ」と連携して行うフェスティバル企画。0歳から大人までを対象に、7日間で11種類のワークショップを開催する。ジャンルを越えた音楽の楽しさを体験しながら、創造性や協調性を育む独自の参加型教育プログラムとなっている。
[会]東京文化会館ほか
[問]東京文化会館 Tel. 03-3828-2111
東京都墨田区 7月21日
すみだサマーコンサート2018
原田慶太楼指揮、鈴木ユキオ振付・演出・出演による、オーケストラとダンスのコラボレーション。ストラヴィンスキー作曲『火の鳥』で、世代やハンディキャップを超えて墨田区民ダンサーが共演する。今年「すみだ×新日本フィルハーモニー交響楽団フランチャイズ30周年」を彩る企画のひとつ。
[会][問]すみだトリフォニーホール Tel. 03-5608-5404
東京都大田区 7月27日~29日
アプリコみんなの音楽祭2018
2007年から開催している音楽祭。12回目の今年は開館20周年記念事業でもある。大ホールでは今年の音楽祭のために結成された合唱団も出演するオペラ『椿姫』を上演するほか、演奏パフォーマンスと特殊照明作家による光と影のアートが彩る体験型のコンサート、楽器体験コーナー、屋外でのサイレント盆踊りなどが開催される。
[会]大田区民ホール・アプリコ
[問]大田区文化振興協会 Tel. 03-3750-1611
新潟県佐渡市 8月17日~19日
アース・セレブレーション2018
「響く島。SADO」をスローガンに掲げ、野外ライブや芝居小屋でのコンサートを中心に、ワークショップやプロ・アマ問わずパフォーマンスを披露できるフリンジ、プレ公演「薪能」など、佐渡全島で多彩なプログラムを展開する。今年から立ち上げが本格化する「さどの島銀河芸術祭」とも連動した企画が実施される。
[会]佐渡市内各所
[問]アース・セレブレーション実行委員会 Tel. 0259-81-4100
富山県南砺市 8月24日~26日
スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2018
「音楽を通しての異文化交流」をテーマに1991年から毎年開催されている音楽フェスティバル。今年で28回目。ワールドミュージックの紹介を通して世界各地のさまざまな文化との出会いと交流の場をつくり、相互理解はもちろん、地域に根差した新たな音楽文化の創造を目指す。200人を超えるボランティアスタッフが企画・運営を支える。
[会]南砺市福野文化創造センター「ヘリオス」ほか
[問]スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド実行委員会 Tel. 0763-22-1125
福井県越前市 9月9日~16日
武生国際音楽祭2018
有志ボランティアによる音楽祭推進会議により企画・運営され29回目を迎える国際音楽祭。今年は「ブラームスから21世紀音楽の新しい地平へ」をテーマに、世界中から一流の演奏家や若手演奏家が集結し、多くの新作が披露される。街なかコンサートや若手演奏家育成のための「武生国際夏季アカデミー」など関連企画も充実。
[会]越前市文化センターほか
[問]武生国際音楽祭推進会議事務局 Tel. 0778-23-5057
山梨県富士河口湖町 8月11日~19日
富士山河口湖音楽祭2018
開催17回目の今年は、7月6日から始まるプレ演奏会を含め約40プログラムをお届けする。「宮川彬良&シエナ・ウインド・オーケストラ2018夏スペシャル・コンサート」をはじめ、管打楽器の魅力満載のラインナップ。音楽祭初期から続く中学生特別バンドの参加では、今回ついにOBによるバンド結成の企画も。
[会]河口湖ステラシアターほか
[問]富士山河口湖音楽祭実行委員会 Tel. 0555-72-5588
長野県松本市 8月18日~9月7日
2018 セイジ・オザワ 松本フェスティバル
世界中から優れた音楽家たちが結集したサイトウ・キネン・オーケストラを中心に、オペラやオーケストラコンサート、室内楽など多彩な演目が披露される。小澤征爾音楽塾による教育プログラムの公演では、若い音楽家の教育のみならず、数多くの小中学生たちに生の音楽にふれてもらうことにも力を入れている。
[会]キッセイ文化ホール、まつもと市民芸術館ほか
[問]セイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会 Tel. 0263-39-0001
長野県長野市 7月7日~16日
アートメントNAGANO 2018
久石譲が指揮・プロデュースする「ナガノ・チェンバー・オーケストラ」によるベートーヴェンの交響曲全曲演奏会を軸に、クラシック音楽の醍醐味を味わえるものから、映画音楽などエンターテインメント性を追求した公演、まちの賑わいを醸成するフリンジ(市民参加)企画など、多様なプログラムが行われる。
[会]長野市芸術館ほか
[問]長野市文化芸術振興財団 Tel. 026-219-3100
長崎県佐世保市 8月18日、19日
アルカス 九十九島音楽祭
「海・島・風・夏」をテーマに、アルカスSASEBO全館を挙げての夏の一大イベント。4回目を迎える今年は「みんなで作る音楽祭」としてリニューアルする。ステージには公募した市民演奏家のほか、バラエティ豊かな5組のゲストが出演。親子で楽しめるさまざまなワークショップエリアも創設する。
[会][問]アルカスSASEBO Tel. 0956-42-1111
鹿児島県霧島市 7月19日~8月5日
第39回霧島国際音楽祭2018
1980年に始まった歴史ある音楽祭で、今年で39回目。世界各地で活躍する60名余りの名手たちが、受講生も交えて2週間にわたり約60公演を開催する。参加する教授陣やアーティストの中にはかつてのマスタークラス修了生も多く、アジアを代表する音楽祭として、質の高い演奏はもちろん、気軽に足を運べる無料コンサートも開催する。
[会]霧島国際音楽ホール、宝山ホールほか
[問]みやまコンセール Tel. 0995-78-8000
演劇・ダンス
高知県高知市 7月13日、14日
高知パフォーミング・アーツ・フェスティバル2018 日本・オランダ国際共同製作 雅歌(GAKA)
向井山朋子が欧州最大の野外舞台芸術祭「ウーロル・フェスティバル」と共同製作した新作『雅歌』を発表する。儀式をテーマとした「音楽とダンス、声、祈り」で構成される本作を、山田うん振付のもと公募で選ばれた地元出演者と共に披露。同フェスティバルにちなみ、美術館の中庭と夕刻の空を借景として日本初上演する。
[会][問]高知県立美術館 Tel. 088-866-8000
沖縄県那覇市ほか 7月22日~29日
りっかりっか*フェスタ(2018 国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ)
今年で開催15回目となるファミリーのための国際舞台芸術フェスティバル。スコットランドにフォーカスしつつ、ロシア、デンマーク、南アフリカ、日本を含む世界各地の27の作品、計105ステージが楽しめる。無料プログラムも用意され、那覇や宜野座のさまざまな会場で、児童・青少年演劇の魅力を体験できる8日間。
[会]那覇おもろまち近辺ほか
[問]りっかりっか*フェスタ事務局 Tel. 098-943-1357(10:00~17:30)
美術
北海道白老町 9月8日~16日
飛生芸術祭2018
今年10周年を迎えるアートフェスティバル。旧校舎をアトリエとする芸術家を中心に、かつての森を取り戻そうと始めた周辺の森づくりや、地域住民との繋がりをつくる場として年に一度開催。初日から2日間は芸術祭のオープニング「TOBIU CAMP」を開催。ライブやアイヌの民族舞踊等が行われ、森で一昼夜を過ごすことができる。
[会][問]飛生アートコミュニティー(旧飛生小学校) Tel. 090-3592-6822
福島県いわき市 8月26日~9月23日
ART MEETING─「田人の森に遊ぶ」─2018
2001年から田人町在住のアーティストが母体となって繰り広げられてきたアートに関するフェスティバル。いわき市の南部に位置する田人町全体が美術館となり、町内のさまざまな場所(主に屋外)に展示された県内外約50名のアーティストによる作品を、田人町ののどかな風景とともに楽しむことができる。
[会]いわき市田人町内各所
[問]田人地域振興協議会 Tel. 0246-69-2111
新潟県十日町市・津南町 7月29日~9月17日
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018
2000年に過疎高齢化の進む越後妻有地域を舞台にスタートし、今年で7回目を迎える国際芸術祭。アートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めている。今回はこれまでに制作された常設作品に加え、世界各地から招聘された160組を超えるアーティストによる新作が公開される。
[会]越後妻有地域(新潟県十日町市、津南町)
[問]大地の芸術祭 実行委員会事務局 Tel. 025-757-2637
長野県御代田町 8月11日~9月30日
浅間国際フォトフェスティバル
「Return to camera」をテーマに、国内外の写真家による作品数百点を展示するフォトフェスティバル。屋外を中心に大型の写真作品が展示され、大自然の中で作品を鑑賞できる。閉館した美術館跡地では次年度以降「御代田写真美術館」の開館も準備中で、御代田町の景観を生かしながら、にぎわいを創出していくことを目指している。
[会]旧メルシャン軽井沢美術館、エコールみよた、しなの鉄道
[問]浅間国際フォトフェスティバル(PHOTO MIYOTA)実行委員会 Tel. 0267-32-3112
広島市 8月23日~27日
第17回広島国際アニメーションフェスティバル
1985年の創設以来、2年に一度開催されてきた国際映画祭。「愛と平和」を精神とし、アニメーション芸術の発展と、それを通じた異文化交流を促進している。今年は88カ国・地域から応募された2,842作品の中から75作品がコンペティション作品として選ばれ、公開審査が行われる。
[会]JMSアステールプラザ
[問]広島国際アニメーションフェスティバル実行委員会事務局 Tel. 082-245-0245
総合
福島県福島市 8月11日、12日
フェスティバルFUKUSHIMA !2018
東日本大震災での原子力発電所事故地として国内外に知られる福島から、芸術文化を通して、福島での問題を見つめ、未来を考える場とすることを目的に始まったプロジェクト。音楽ライブやオリジナルの盆踊りなどによる参加型のフェスティバルで、今年8回目を迎える。
[会]福島市街なか広場
[問]プロジェクトFUKUSHIMA!実行委員会 Tel. 024-573-8385
福島県喜多方市 8月3日~6日
喜多方発21世紀シアター
「0才の子どもが成人するまで続けたい」という想いで始まり、今年で19回目を迎える。演劇や音楽、落語や大道芸などさまざまなジャンルの公演が市内各所で開催され、4日間で100を超える公演が予定されている。小学校高学年から70歳代まで、延べ約550人のボランティアが運営を担う。
[会]喜多方プラザ文化センターほか
[問]喜多方発21世紀シアター実行委員会 Tel. 0241-24-4611
TOPICS
「市民プロジェクト」で市民が新潟の魅力を発信
水と土の芸術祭2018
日本の二大河川である信濃川と阿賀野川の河口を有する港町で、日本一の米どころでもある新潟市。「水と土の芸術祭」は、“水と土”によって形成された地域の文化に光を当て、3年に一度開催する芸術祭です。
「市民の参加性が高いことが、この芸術祭の特徴です」と事務局の樋口智紀さん。芸術祭のプログラムは、アーティスト38組によるアートプロジェクトやシンポジウム、こどもプロジェクト、にいがたJIMAN(新潟の水と土が生み出した食と農や、豊作を祈る神楽等の伝統芸能を紹介)と多岐にわたりますが、そのひとつが「市民プロジェクト」です。
“水と土”をテーマに市民が企画・運営するプロジェクトで、公募により84件が実施予定。「この『市民プロジェクト』と『こどもプロジェクト』は、芸術祭がない年も継続して取り組んでいます。芸術祭の間の年にも実施することで、市民の方からの芸術祭やアートへの理解も深まってきているように感じています」(樋口さん)。継続の先の新たな取り組みとして、今年は84件中12件が他のプロジェクトとの広報や連携の核となり、繋ぎ手役を担う「地域拠点プロジェクト」も開始されます。市内に暮らしているからこそ知っている文化の発信や、過去の芸術祭に参加したアーティストとの協働など、水と土が育んできた新潟、芸術祭の継続が形づくってきたものを感じられる企画が目白押し。
水と土を切り口に、アートや食、芸能など、多彩に展開される芸術祭には、新潟の魅力が満載です。普遍的なテーマを土台に、地域に根づいた芸術祭を目指します。
新潟市 7月14日~10月8日
[会]万代島多目的広場ほか市内全域
[問]水と土の芸術祭2018実行委員会 Tel. 025-226-2629
http://2018.mizu-tsuchi.jp/