平成30年度リージョナルシアター事業の参加団体と派遣アーティストが集まり、ワークショップやディスカッション、打ち合わせを行う研修会が、4月16日(月)、17日(火)の2日間にわたって当財団事務所にて開催されました。今回は、今年度参加する9団体から16人の事業担当者が参加し、交流を深めるとともに、当事業の趣旨や可能性を共有する2日間となりました。
地域の課題やホールの展望などを踏まえながら、住民等を対象にしたワークショップや学校へのアウトリーチを行う当事業では、派遣アーティストと参加団体が協働しながらプログラムをつくり、実施していきます。今回の研修では、地域・ホールのやりたいことや抱える問題意識を派遣アーティストと共有するための相互の対話がさまざまな場面で行われました。
初日は、派遣アーティストからの「サジェスチョン&メッセージ」。アーティストから、これまでの実施例や自身のもつワークショッププログラムについて丁寧に説明があったほか、事前に今年度の参加館より各アーティストへ提出いただいていた質問についての回答や事業担当者へのメッセージが語られました。派遣アーティスト5人の話をじっくり聞いたことで、それぞれの個性やプログラムの多様性も示され、企画イメージを膨らませる取っ掛かりとなったようです。
続いての事例紹介においては、「リージョナル事業経験館の担当者に聞く」と題し、昨年度実施の神奈川県、一昨年度実施の愛知県春日井市から担当者をお招きし、事業実施の成果や苦労などをお話いただきました。
神奈川県立青少年センターの藤岡審也さんからは、これまで連携が少なかった青少年センターの舞台芸術活動支援や青少年サポートなど4つの機能について、この事業を通じて、センター内に本当の意味で連携が生まれたこと、今後も継続事業として取り組むこととなったことが紹介されました。また、春日井市の小松淳子さんからは「事業を実施するうちに、一過性で終わらせるのではなく、ホールとして演劇とどう向き合っていくのかホール全体で考えていかなくてはいけないという意識が芽生えてきました」との言葉があり、参加者たちは事業実施後の展望についても思いを巡らせることになりました。
2日目は前日のオリエンテーションを踏まえて、派遣アーティストと参加団体による企画打ち合わせが行われました。それぞれのミッションや課題を基に、その地域ならではのプログラム実現に向けての熱心な話し合いがグループごとで行われ、最後には現時点での計画や事業実施後の展望についての発表がありました。鈴鹿市の工藤真里奈さんは「ワークショップを実施することで、地域の人が交流できる場をつくりたいと考えています。1日目のオリエンテーションを聞いて、新たに挑戦してみたいことも出てきました」と意欲を語ってくれました。その後、派遣アーティストと参加団体による個別の打ち合わせを行い、2日間の研修会を締めくくりました。
●平成30年度「リージョナルシアター事業」参加団体
・岩手県西和賀町
・茨城県牛久市
・埼玉県東松山市
・埼玉県秩父市
・新潟県魚沼市
・愛知県小牧市
・愛知県武豊町
・三重県鈴鹿市
・岡山県
●リージョナルシアター事業に関する問い合わせ
芸術環境部 藤原・梅田・水上
Tel. 03-5573-4124