一般社団法人 地域創造

「市町村長特別セミナー」報告

「市町村長特別セミナー」報告~全国の市町村長等68名が参加

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加藤文枝さんと小澤佳永さんよるミニコンサート

 毎年全国の市町村長等を対象に、文化・芸術による地域づくりへの理解を深めていただくために開催している「市町村長特別セミナー」が、4月19日に千葉市の市町村アカデミーにおいて開催されました。今回は地域創造の石川善朗常務理事より、自らの経験を交えながら地域にとって芸術・文化がいかに役立つかについて、地域の活力の基礎となる「人づくり」、観光などの「産業振興」、高齢者の生きがいといった「福祉」の観点からレクチャーが行われました。

 「1990年代に急速に整備が進んだ公立文化施設が、大規模修繕の時期を迎えて大きな課題になっている。公共施設等総合管理計画などによる議論も行われているが、地域のためになろうという志とスキルをもった人材を育てることによって、芸術・文化はいくらでも地域に有効なものとして活用できる」とエールを送られていました。
 また、財団の事業紹介の一環としておんかつ支援登録アーティストによるミニコンサートも行われました。今回登場したのは、チェロの加藤文枝さん(平成28・29年度登録アーティスト)とピアニストの小澤佳永さんです。多くの受賞歴をもつ加藤さんは、ソフトな語り口でトークをしながら全7曲を披露しました。
 広く親しまれている名曲『愛の挨拶』に始まり、毎回同じように演奏しても違う白鳥のイメージが浮かんでくるというサン=サーンスの『白鳥』、チェロには珍しい超絶技巧の早弾きによるホッパーの『妖精の踊り』、バンドネオン奏者から作曲家になったピアソラがチェロのために作曲した情熱的な『ル・グラン・タンゴ』など。
 なかでもパリに3年在住留学していたことがあるという加藤さん渾身の1曲が、生粋のパリジャンであるプーランクによる『チェロ・ソナタより第1、3楽章』でした。「作曲家がどういう思いで作曲しているかや曲の時代背景を知ることも大切ですが、同じ曲も聴く人によってイメージはいろいろです。私がこの曲から感じているパリという都会とそこにいる人々の気質や雰囲気を楽しんでもらえればと思います」と加藤さん。
 プロの演奏家とチェロの幅広い魅力を目の当たりにした市町村長からは何度も大きな拍手が起こるなど、アウトリーチの効用を実体験していただく貴重な機会になりました。

 

●市町村長特別セミナーに関する問い合わせ
芸術環境部 菊地・仕田
Tel. 03-5573-4064

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