演出家を公共ホールに派遣し、アウトリーチやワークショップを実施する「リージョナルシアター事業」。今年度は福島県会津市(會津風雅堂)、富山県高岡市(高岡市民会館)、広島県三次市(三次市民ホールきりり)、神奈川県(神奈川県立青少年センター)、静岡県袋井市(袋井市メロープラザ)、広島県廿日市市(はつかいち文化ホール)、東京都豊島区(としま未来文化財団)、京都府舞鶴市(舞鶴市総合文化会館)の計8地域で開催しました。
街の規模もホールのミッションもさまざまな中で、5名の派遣アーティスト(有門正太郎、ごまのはえ、多田淳之介、田上豊、福田修志)は各々の担当地域において、ホール担当者と対話を重ねながらプログラムをつくっていきました。
なかでもユニークだったのが、不登校の子どもたちが通うフリースクールへアウトリーチを行った神奈川県立青少年センターの試みです。この施設は青少年育成を目的とした施設で、これまで協働で事業を行うことのなかった舞台芸術課と青少年サポート課が連携して新たな事業モデルづくりに取り組みました。「じっくり時間をかけて子どもたちと向き合ったことによって、単なる創作にとどまらずコミュニケーションツールとしての演劇を体感してもらえた」(ホール担当者・藤岡審也さん)と教育的効果を実感したようです。
また、舞鶴市では3カ年計画による市民参加演劇プロジェクトの1年目として本事業を位置づけました。いわばキックオフ事業として高校へのアウトリーチや一般市民を対象としたワークショップを実施。派遣アーティストのごまさんは「3カ年計画にすることによって、ホール側も余裕をもって丁寧に地域と向き合えます」と本事業の新しい活用の仕方を示してくれました。
このようにリージョナルシアター事業は、多様なプログラムによってホールと地域の抱えるさまざまな課題と向き合うことができます。平成31年度の参加団体募集は後日詳細をお知らせいたします。多くの応募を心よりお待ちしております。
●リージョナルシアター事業に関する問い合わせ
芸術環境部 演劇担当
Tel. 03-5573-4124