一般社団法人 地域創造

平成29年度「公立美術館共同巡回展開催助成事業」報告

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左:「学芸員展示解説」(新見美術館)
中:「唐津幼稚園見学の様子」(唐津近代図書館)
右:「ワークショップ『水墨画にチャレンジ!』」(八幡浜市民ギャラリー)

 

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上:「下蒲刈中学校アウトリーチ」(蘭島閣美術館)
下:展示の様子(新見美術館)

 平成28・29年度公立美術館共同巡回展開催助成事業「日本画山脈 再生と革新~逆襲の最前線」展が、新見美術館(2017年4月13日~5月28日)、唐津市近代図書館(6月3日~7月17日)、蘭島閣美術館(8月26日~10月9日)、八幡浜市民ギャラリー(10月15日~11月26日)にて開催されました。

 平成27年度に新設された、公立美術館共同巡回展企画支援事業(以下、企画支援事業)を経て実施に至った初めての展覧会です。企画支援事業は、公立美術館共同巡回展開催助成事業への申請を目指して、自主的に企画する巡回展の企画検討作業を支援するものです。具体的には、会議旅費、調査費等への助成や、企画内容について専門知識をもつアドバイザーの派遣、参加館募集の支援を行います。平成27年度に企画支援事業として採択され、日本画の技法に着目した展覧会を開催したいという新見美術館、蘭島閣美術館の構想から出発。泉屋博古館分館長の野地耕一郎氏をアドバイザーに迎え、地域創造レターの告知等で参加館の募集を行いました。調査を進めるうちに、参加館の所蔵作品の中で特に充実している戦後の日本画に着目し、「戦後日本画の再生」「現代の巨匠」「新世代の日本画」の3章立てとすることとなり、当初のテーマだった技法については、作家本人や専門家による解説や再現を充実させることで方向性が決まりました。その後、唐津市近代図書館、八幡浜市民ギャラリーが加わり、平成28・29年度公立美術館共同巡回展開催助成事業(2カ年)へ申請をし、採択されました。平成28年度には、新見美術館、蘭島閣美術館の所蔵品を中心に出品作品を吟味し、出品交渉、展覧会開催に向けた打ち合わせなど具体的な作業を行い、平成29年度開催に向けて準備。そして平成29年度に、戦後から現在に続く日本画の伝統と革新の系譜を紹介するとともに、技法に着目した解説や再現を試みることで日本画の新たな魅力を創出することを目的とした、全106作品を展示する展覧会の開催に至りました。

 地域創造の美術館事業では、展覧会の開催のみならず、企画内容に即したワークショップ等の地域交流プログラムも実施しています。各館共通のジュニアガイドの作成、出品作家による水墨画等のワークショップなど、積極的に各館が工夫をこらし、さまざまな年代の方々に日本画に親しんでもらうための体験型イベントが行われました。また、公立美術館共同巡回展企画支援事業として1年間、公立美術館共同巡回展開催助成事業として2年間支援することで、学芸員のノウハウの蓄積にも繋がる実り多い事業となりました。

 公立美術館共同巡回展開催助成事業をはじめとする、平成31・32年度公立美術館活性化事業への申請は、平成30年6月頃を目処に行う予定です。当ホームページをご確認の上、ふるってご応募ください。

 

●平成29年度公立美術館活性化事業
【公立美術館共同巡回展開催助成事業(2カ年)】
平成28・29年度公立美術館共同巡回展開催助成事業「日本画山脈 再生と革新~逆襲の最前線」
[主催]日本画山脈展実行委員会
[展覧会アドバイザー]野地耕一郎(泉屋博古館分館長)
[会場]新見美術館(岡山県新見市)、唐津市近代図書館(佐賀県唐津市)、蘭島閣美術館(広島県呉市)、八幡浜市民ギャラリー(愛媛県八幡浜市)
[助成](一財)地域創造

 

●公立美術館活性化事業に関する問い合わせ
総務部 高野
Tel. 03-5573-4143

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