平成16年度より始まった本事業は都道府県と連携し、地域での演奏活動を通して創造性豊かな地域づくりを目指す事業で、15回目の開催地となった広島県では(公財)ひろしま文化振興財団を中心に、広島市、呉市、三次市、庄原市、東広島市、廿日市市の6市が参加し、事業を進めてきました。
オーディションにより選出された、Lumie Saxo phone Quartet(サックス四重奏)、ピエーレ弦楽四重奏団、トリオ・ノート(ピアノトリオ)の3組が広島県へ派遣されることとなり、2016年6月に広島県民文化センターで合宿形式の研修を実施。そこで45分間のアウトリーチプログラムをつくり上げ、熊野町、坂町の小学校を訪問し、アウトリーチを行いました。どのグループも試行錯誤を繰り返し、夜中までプログラムづくりに取り組んでいる姿が非常に印象的でした。
9月~12月の間には担当する2市(Lumie:三次市・東広島市、ピエーレ:呉市・庄原市、トリオ・ノート:広島市、廿日市市)でそれぞれ小学校でのアウトリーチ6回とホールでのコンサートを開催。いずれも好評を得ましたが、それに満足することなく、子どもたちと触れあうなかで感じた課題などを各メンバーはもちろん、担当コーディネーターや地域の担当者とも議論を交わし、プログラムの内容をどんどん高めていきました。
集大成となるガラコンサート(広島県民文化センター)では、各市を訪れた3組が一堂に会し共演。オープニングの『シンコペーティッド・クロック』では、軽快なウッドブロックの音を皮切りにアーティストたちが続々と登場し、初めて派遣アーティスト11名全員が集合。続いて各組ごとに演奏を披露し、アンサンブルの魅力を伝えました。エンディングの『リベルタンゴ~じゃけえ!サプライズ版~』では、リベルタンゴだけではなく、各楽器の特徴を活かした広島ならではのサプライズ曲も。クライマックスには、各地域でお世話になった担当の皆さんが応援団として登場し(もちろんカープのユニフォームを着て!)、ステージを盛り上げました。
今回、本事業を実施した各地域の繋がりを種に、連携による大きな展開も期待でき、広島県でのさらなる音楽事業発展の可能性を感じることができました。
●平成27・28年度「公共ホール音楽活性化アウトリーチフォーラム事業」広島セッション
[主催](公財)ひろしま文化振興財団
[チーフコーディネーター]中村透
[コーディネーター]花田和加子、菱川浩二、加藤直明
[アシスタントコーディネーター]丹羽梓、三浦幸恵、桜井しおり
[派遣アーティスト]
・トリオ・ノート(ピアノトリオ)大野真由子[Pf]、高瀬真由子[Vn]、田辺純一[Vc]
・ピエーレ弦楽四重奏団(弦楽四重奏)小林沙紀[Vn]、伊師裕人[Vn]、正田響子[Va]、野村杏奈[Vc]
・Lumie Saxophone Quartet(サックス四重奏)住谷美帆[S.sax]、戸村愛美[A.sax]、中嶋紗也[T.sax]、竹田歌穂[B.sax]
[実施日程]
・シンポジウム:2015年8月26日
・全体研修会:2016年4月26日
・アーティスト研修:6月26日~7月1日
・市町村公演事業(派遣アーティスト)東広島市:9月28日~10月1日/三次市:11月16日~19日(Lumie Saxophone Quartet)廿日市市:11月16日~19日/広島市:11月30日~12月3日(トリオ・ノート)庄原市:11月30日~12月3日/呉市:12月6日~9日(ピエーレ弦楽四重奏団)
・ガラコンサート:12月17日
◎問い合わせ
芸術環境部 佐藤・水上
Tel. 03-5573-4185