地域創造理事長新年の挨拶

2017年1月～3月　地域創造事業スケジュール
当財団では年度末まで、全国各地でさまざまな事業を展開しております。

1月
●公共ホール音楽活性化事業
東京都文京区／17日～19日
奈良県王寺町／19日～21日
●公共ホール現代ダンス活性化事業
島根県松江市／17日～23日
大阪府八尾市／24日～30日
●平成28年度地域創造大賞（総務大臣賞）表彰式（東京都・グランドアーク半蔵門／20日）
●市町村立美術館活性化事業「ポール・デルヴォー版画展」（愛知県田原市／～22日）

2月
●公共ホール音楽活性化事業
茨城県日立市／2日～4日
埼玉県美里町／9日～11日
埼玉県吉川市／16日～18日
和歌山県上富田町／17日～19日
●リージョナルシアター事業
熊本県長洲町／4日～7日、25日～28日
●公共ホール現代ダンス活性化事業
神戸市／6日～12日
兵庫県川西市／27日～3月5日
●ステージラボ豊田セッション（豊田市民文化会館／21日～24日）
●第17回地域伝統芸能まつり（東京都・NHKホール／26日）
●公立美術館共同巡回展開催助成事業「パリに生きる　パリを描く」展（神戸市／～19日）

3月
●公共ホール演劇ネットワーク事業「演出家だらけの青木さん家の奥さん」（長野県上田市／4日、5日）（新潟県魚沼市／11日）
●雑誌『地域創造』第41号発行（25日）

～新年のご挨拶～
一般財団法人地域創造理事長　板倉敏和

　謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
　 当財団の事業にご支援・ご協力をいただき、関係者の皆様には心から御礼申し上げます。昨年は、熊本地震をはじめ各地が多くの災害に見舞われました。今も避難生活を強いられている方にお見舞いを申し上げますとともに、被災者支援、復興に尽力されている皆様には心からの敬意を表します。
　 昨年11月に理事長に就任し、心も新たに地域の皆様のご意見を伺いながら財団の運営に当たっていきたいと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。
　 振り返りますと、私は札幌冬季オリンピックが開催された1972年に自治省に入省し、以来、全国各地を回って地域づくりの仕事をしてまいりました。その中での大きな出合いのひとつが「そば」です。兵庫県生まれという「うどん文化圏」の出身ですが、40歳を過ぎてから、福島県旧舘岩村（現南会津町）湯ノ花温泉の民宿で「裁ちそば」（＊）と出合いました。遅ればせながら、こんなに美味しいそばがあるのかと、その魅力に気付きました。
　 自分でもそばを打つようになり、「板倉庵」というウェブサイトで情報発信もしています。国際演劇祭で有名になった利賀村（現富山県南砺市）で1992年に「世界そば博覧会」が開催されましたが、それをきっかけにそば文化の普及と地域振興に取り組む「全麺協」が設立され、今も私を含め多くのボランティアにより活動が継続しています。地域創造では「地域伝統芸能まつり」を主催していますが、そばに限らず、こうした地域で育まれた文化について改めて思いをいたしているところです。
　 私はいわゆる団塊の世代の一員です。「2025年問題」と言われますが、人口が減少する中で高齢者の比率が高まるこれからの社会にあって、どうすれば地域が元気になり、どうすればそこに住んで良かったと思えるかは、まずは他でもない地域自らが考えなければならないことであり、現に多くの地域で真剣な模索が続いています。伝統芸能を復活することもひとつでしょう。そうした“元気の芽”になるような地域の自発的な取り組みを財団としても支援していければと考えています。
　 当財団が設立されて22年。設立当初には考えも及ばなかったほど社会環境が大きく変わりました。これからの時代にどうすれば公立文化施設を活かした創造的な地域づくりという目的を効果的に遂行できるのか、また、その中で、地域創造がどういう役割を果たすことができるのかなど、当財団設立時の理念を踏まえながら改めて考えてみたいと思っています。2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、各地でさまざまな文化プログラムが計画されると思いますが、どのようなお手伝いが必要かを含めて、地域の皆様のご意見・ご提案をぜひお聞かせいただければと思っています。
　 住んで良かったと思える地域づくりのために微力ながら尽力していく所存です。ご指導、ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。

2017年1月

＊裁ちそば　会津地方に伝わる伝統的そば打ち手法。つなぎを一切使わない十割そばで、重ね合わせた生地を布を裁断するように切ったもの。