劇場塾2016
地域文化を担う人材の育成を目的に2012年より実施している講座。「地域コーディネータークラス」と「劇場基礎クラス」を設け、地域文化の振興を担う人材の育成や人的ネットワークの形成のため、双方向のゼミ形式でワークショップを織り交ぜたプログラムを実施。このほか文化芸術に関心のある市民も参加できるオープンレクチャーを11月、2月、3月に開催する。
[日程]11月18日、19日、28日、29日
[会場・問い合わせ]北九州芸術劇場
Tel. 093-562-2620
http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/
“生活都市”を舞台にした芸術祭が開幕
「さいたまトリエンナーレ2016」
127万人が暮らす“生活都市”を舞台にした「さいたまトリエンナーレ」。開幕前日、計34組のアーティストが市内3エリアで展開する主なプロジェクトを巡るプレスツアーが行われたが、アーティストによってさいたまがもつ重層性が浮き彫りになっていた。
さいたま市は、2001年に浦和市・大宮市・与野市の合併により誕生し、03年に政令指定都市に移行(05年に岩槻市を編入)。12年に、活力ある都市づくりの新たな指針として「さいたま市文化芸術都市創造条例」を施行。今回のトリエンナーレはその重点プロジェクトとして計画されたものだ。
ディレクターの芹沢高志さんは、「知人にさいたまのイメージを聞いて回ったが、何もないという返答がほとんどだった。それで逆になぜ何もないと言うのかに興味をもった。しかし、住宅街、工場、田畑、樹林、河川敷など何でもあり、日本を代表する土地利用がパッチワークのように存在し、東京を目がけて新幹線や高速道路が走っている。島でも里山でも都市でもなく、ベッドタウンとも呼べない。何と呼べばいいかわからないようなあり様こそが、日本の典型的な生活の場であり、そういう場所性を表現できるのではないかと思った。今回のテーマは『未来の発見!』だが、それはハイテクな未来を夢見て付けたわけではない。他人のことに想像が及ばなくなるほど縮んでしまった我々のイマジネーションを、生活の場面にアーティストの想像力をぶつけることで掻き立てて、何かを発見したいと思った」と話す。
通勤電車が非日常の場に変わる市民参加パフォーマンス、JR埼京線沿いの散歩道に設置された全長9.6メートルのビジネスマン像、ベッドタウンと夢(未来)を象徴する寝乱れた1,000個の枕のインスタレーション、ペットボトルの再生素材によるインスタレーション、上級公務員の暮らしぶりを覗き見るような旧宿舎での滞在創作、縄文時代は海だったという水の記憶をテーマにした作品、市内のウィークリーマンションに滞在して3カ月間自分宛に送り続けた約500通の手紙、老朽化した区役所やホールや民家での展開など、さいたまを覗き見るつもりでツアーするのも面白いのではないだろうか。(坪池栄子)
●さいたま市
2016年9月24日~12月11日
[会場]与野本町駅~大宮駅周辺、武蔵浦和駅~中浦和駅周辺、岩槻駅周辺ほか
[問い合わせ]さいたまトリエンナーレ実行委員会事務局(さいたま市役所 文化振興課 トリエンナーレ係)
Tel. 048-829-1225
http://saitamatriennale.jp/