前号に続き、夏フェス以降も全国各地で開催されている多彩なアートプロジェクトを紹介します。
※開催地の北から順に掲載。は会場、は問い合わせ先です。(は地域創造助成事業)
北海道白老町 9月10日~18日
飛生芸術祭 2016
旧飛生小学校を利用した共同アトリエの木造校舎や周囲の森を舞台とした2009年から続く芸術祭。オールナイトでアートや音楽、ダンス、人形劇などが織りなす「TOBIU CAMP」をはじめ、“僕らは同じ夢をみる─”をテーマに多方面で活躍する人々が集結。この地の歴史や自然と長期的な視野で向き合うことで、年々充実度を増している。
飛生アートコミュニティー contact@tobiu.com
岩手県盛岡市 8月22日~12月25日
いわてアートプロジェクト2016
1,800人の岩手の心とアーティストたちが紡いだ“記憶”の展覧会。被災地に通い続けたアーティストたちの作品群の中に残された震災の記憶や時間を、“岩手の財産”に繋いでいく。夏のメディアアート展は9月11日まで、秋のファインアート展は9月30日より開催。長友心平や川口まどか、アナ・ダプッツォ(スイス/建築・デザイン)、ホセマリア・シシリア(スペイン/現代アート)、マグダレナ・ソレ(アメリカ、スイス/写真家)が参加し、学生らとのコラボも行われる。
もりおか町家物語館ほか市内各所
いわてアートプロジェクト2016実行委員会事務局 Tel. 019-613-7781
山形県山形市 9月3日~25日
みちのおくの芸術祭
山形ビエンナーレ2016
「これからの東北を担う文化的リーダーの育成」を目指し、2014年9月に、東北芸術工科大学と山形市中心市街地を結んで第1回を開催。2回目となる今回は、荒井良二芸術監督の下、“山は語る”をキーワードに、国の重要文化財・文翔館など市内各所で、アーティストと市民による共同制作プログラムに挑むほか、文学や食などの多彩な体験型アートプログラムを展開。
文翔館ほか市内各所
山形ビエンナーレ事務局 Tel. 023-627-2091
福島県二本松市ほか 10月8日~11月6日
福島ビエンナーレ2016
福島大学の学生、院生が中心となり、2004年から隔年で開催されている芸術祭。地域の住民と恊働で、最先端のアートを紹介してきた。今回は二本松市を中心に「重陽」をテーマに開催される。菊人形祭ではヤノベケンジと増田セバスチャン、智恵子の生家では小松美羽、安達が原ふるさと村では手塚治虫、平山素子、大野慶人の「黒塚」の映画などが紹介される。
二本松市内各所ほか
福島現代美術ビエンナーレ実行委員会 fuku2016bien@gmail.com
栃木県茂木町 9月17日~25日
もてぎ里山アートフェスタ
公園内を散策しながら工芸や絵画、彫刻などを鑑賞できるインスタレーション形式を基本とした展覧会。ワークショップも開催され、訪れる人が自然の中で作家と語り合い、ふれ合うことができる。森や林という作品展示に不向きな場所を整備するところから始まり、野外展示によって表現やあり方の可能性を広げる試みでもある。
城山公園
もてぎ里山アートフェスタ実行委員会事務局 Tel. 028-572-4950
名古屋市ほか 8月11日~10月23日
あいちトリエンナーレ2016
─虹のギャラヴァンサライ 創造する人間の旅
今年3回目を迎える国際芸術祭。芸術監督に港千尋、キュレーターにはダニエラ・カストロ(ブラジル)とゼイネップ・オズ(トルコ)を迎え、国内外から119組のアーティストが参加。今年は従来のアートの枠組みを越えたプロジェクトや、グループとして多様な活動をするアーティストも紹介。パフォーミングアーツでは、フラメンコの革命児と称されるイスラエル・ガルバン、能と現代音楽を融合させた舞台をつくる青木涼子らが参加。勅使川原三郎が東京バレエ団らの出演によるプロデュースオペラ『魔笛』を演出する。
愛知芸術文化センターほか名古屋市内各所
あいちトリエンナーレ実行委員会事務局 Tel. 052-971-6111
滋賀県近江八幡市 9月17日~11月6日
BIWAKOビエンナーレ2016
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている地区で、長年放置され続けた建物を、地元住民や日本全国から集まる有志たちの手で清掃することから始まった国際芸術祭。国内外のアーティストが、各々の空間を作品化する。今年はテーマを“見果てぬ夢”とし、約60組以上のアーティストがまちや倶楽部、カネ吉別邸などに作品を展示する。
滋賀県近江八幡旧市街
BIWAKOビエンナーレ事務局(NPOエナジーフィールド内) Tel. 0748-36-3766
神戸市 9月14日~11月23日
六甲ミーツ・アート
芸術散歩2016
明治時代、居留外国人によってレジャーの山として開発が始まった、自然豊かな六甲山を舞台に、ピクニック気分で周遊しながら楽しめる現代アートの展覧会。ロープウェーや展望台のほか、六甲オルゴールミュージアム、六甲高山植物園を会場として、山本桂輔やさわひらき、八木良太ら39組のアーティストが展示やワークショップを行う。
六甲ガーデンテラス、六甲オルゴールミュージアム、六甲有馬ロープウェー(六甲山頂駅)ほか
六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016インフォメーション Tel. 078-891-0048
兵庫県篠山市 9月17日~25日
丹波篠山・まちなみアートフェスティバル 2016
造形・彫刻・絵画・陶芸などのあらゆるジャンルのアーティストが伝建地区内の30軒以上の町家を舞台に作品を展示する芸術祭。2008年に始まり、隔年、招待作家をはじめ地元ゆかりのアーティストや学生らが国の重要伝統的建造物群保存地区の空間を活用し、作品展示やワークショップを開催している。
篠山市「河原町妻入商家群」
丹波篠山・まちなみアートフェスティバル実行委員会 Tel. 079-552-2524
奈良県奈良市 9月3日~10月23日
古都祝奈良(ことほぐなら)
─時空を超えたアートの祭典─
「東アジア文化都市2016奈良市」のコア期間として開催。市内八社寺での世界の第一線で活躍する作家によるアートインスタレーションや、アートを鑑賞しながら「ならまち」を散策できるアートプロジェクトのほか、平城宮跡での野外舞台公演、食文化を体験するプログラムなどを通して、1300年の歴史や文化が息づく奈良の骨格を現代に浮かび上がらせる。
奈良市内の八社寺、平城京跡ほか
「東アジア文化都市2016奈良市」実行委員会事務局 Tel. 0742-27-0120