一般社団法人 地域創造

特集「2016年 夏のフェスティバル」

恒例の「夏のフェスティバル特集号」の季節となりました。話題の大型企画から定番イベントまで、一挙にご紹介します。

 

 今年も夏から秋にかけて、文化施設を飛び出したアートプロジェクトが目白押しです。12島を主な会場に100万人を超える集客で新しい観光資源になっている「瀬戸内国際芸術祭」(春3月20日~4月17日・夏7月18日~9月4日・秋10月8日~11月6日)、国内外100組以上のアーティストが参加して本格的な舞台芸術にも取り組む「あいちトリエンナーレ」(8月11日~10月23日)、東北文化の再発見・再創造にアプローチする「みちのおくの芸術祭~山形ビエンナーレ」(9月3日~25日)、被災地で開催される「いわてアートプロジェクト」(8月29日~12月25日)、「福島現代美術ビエンナーレ」(9月9日~10月10日)、歴史的な町並みや町家を活かした「BIWAKOビエンナーレ」(9月17日~11月6日)、「丹波篠山まちなみアートフェスティバル」(9月17日~25日)、「龍野アートプロジェクト」(11月3日~13日)、森や湖などの自然と向き合う「原始感覚芸術祭」(8月6日~9月4日)、廃校を活用した「飛生芸術祭」(9月10日~18日)、「西宮船坂ビエンナーレ」(10月29日~11月13日)、東アジア文化都市に指定された奈良市が神社などを舞台に実施する「古都祝(ことほぐ)奈良」、今年から新たに始まる「茨城県北芸術祭」(9月17日~11月20日)、「さいたまトリエンナーレ」(9月24日~12月11日)、「岡山芸術交流」(10月9日~11月27日)など、特徴ある取り組みが続きます(今後本紙で情報を掲載)。
  瀬戸内国際芸術祭では、既存作品と合わせて、25の国と地域から177組の作家とプロジェクトが参加。建築と一体になった個人美術館のような作品が充実している直島、豊島、犬島に対し、地域づくりの観点から注目されるのが、「小豆島町未来プロジェクト」です。これは、町が文化・アート総合戦略として位置づけ、現代美術家の椿昇をディレクターに島全土で滞在制作・イベント・食プロジェクトなどを行うもので、成果が期待されます。
  また、東北芸術工科大学が主催し、絵本作家・アーティストの荒井良二が芸術監督を務めるみちのおくの芸術祭も、地域との関係づくりを重視したリレーショナル・アートの取り組みとして注目されています。同大学では、2005年から美術館大学センターを設置し、学生と地域に出掛けたアートプロジェクトを展開。その集大成として13年に立ち上げたのがこの芸術祭です。山形で暮らす人々や文化、生活に着目し、山形のものづくりやクリエーターの手仕事を集めた「市いちプロジェクト」をはじめ、人々とアーティストと学生による多彩な協働が展開します。
  舞台芸術関係では、夏恒例の「いいだ人形劇フェスタ」(8月2日~7日)が今年は市内約120カ所で480ステージを展開。海外招聘や国際共同プロジェクトにも力を入れています。昨年度「キジムナーフェスタ」から名称変更した「りっかりっか*フェスタ」(7月22日~31日)では青少年を対象にした国内外30作品を上演します。
  また、今年5月に開館したばかりの長野市芸術館(芸術監督:久石譲)が夏の音楽祭「アートメントNAGANO」(7月14日~29日)を新たにスタート。同館が立ち上げるナガノ・チェンバー・オーケストラのお披露目コンサートなどを行います。ほかにも数多くの音楽フェスが行われますので、情報頁を参照してください。

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