平成28年度リージョナルシアター事業の参加団体と派遣アーティストが集まりワークショップや打ち合わせを行う研修会が、4月21日(木)、22日(金)の2日間にわたって当財団事務所にて開催されました。今回は今年度参加する6団体(静岡県川根本町、愛知県春日井市、兵庫県尼崎市、福岡県大野城市、熊本県長洲町、熊本市)のうち5団体から9人の事業担当者が参加し、交流を深めるとともに当事業の趣旨や可能性を共有する2日間となりました(※震災の影響で熊本市健軍文化ホールは参加を辞退されました)。
参加団体のニーズに応じて演劇の手法を使った学校へのアウトリーチやワークショップを行う当事業では、事前に地域の課題や展望などを派遣アーティストと参加団体が共有していくことはとても重要です。また実際に派遣アーティストによるワークショップを体験することによって、当事業への理解をより深めることができます。初日は、今年度から新規に派遣アーティストとなった有門正太郎さん、ごまのはえさん、福田修志さんによるワークショップが行われました。日常的な風景の中にある不思議な形を発見してタイトルをつける(有門)、楽器を使った音づくりによって与えられたテーマを表現する(ごま)、バラバラの写真を組み合わせて物語をつくる(福田)など、三者三様に“想像すること”“コミュニケーション”に焦点を当てたワークショップが展開されました。
ワークショップ後の振り返りの時間では、アドバイザーの岩崎正裕さん(劇作家・演出家、劇団太陽族主宰)から演劇ワークショップの効果について「コミュニケーション力や想像力を身に付けることが他者理解に繋がる」といった点が指摘されました。これを受けて、演劇事業としてだけではなく、学校教育をはじめとしたさまざまな分野と連携できる当事業の可能性について、活発な意見が交わされました。
2日目は前日の議論を踏まえて、参加団体による参加動機や事業実施後の展望についての発表が行われました。ながす未来館(長洲町)の𠮷川紗知恵さんからは「お年寄りや子どもたちをはじめ地域の人たちが繋がる場をつくっていきたい」と強い意欲が語られました。その後、派遣アーティストと参加団体が個別の打ち合わせを行い、2日間の研修会を締めくくりました。
●リージョナルシアター事業に関する問い合わせ
芸術環境部 戸舘
Tel. 03-5573-4124