一般社団法人 地域創造

ステージラボ北九州セッション報告

ステージラボ北九州セッション報告 2016年2月16日~19日

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写真
左上:フラッシュモブ体験「夕暮れダンスジャック!!」の稽古
右上:仲道郁代さんワークショップゼミ2「音楽ができること。音楽を使ってできること。」
左下:内藤裕敬さんと仲道さん講義による音楽・演劇合同ゼミ「音楽と他ジャンルとの融合の可能性」
右下:入門コースの成果発表「マイライフ・マイステージ~わたしのもりのなか」

●コースコーディネーター
◎ホール入門コース
能祖將夫(桜美林大学教授/北九州芸術劇場プロデューサー)
◎音楽コース
仲道郁代(ピアニスト/地域創造理事)
◎演劇コース
内藤裕敬(劇作家・演出家/南河内万歳一座 座長)

 

 会場は、初めての開催となる北九州芸術劇場(指定管理者:北九州市芸術文化振興財団)です。2003年に開館して以来、演劇を中心に充実した鑑賞事業、プロデュース公演、育成事業などを意欲的に展開している西日本を代表する公立文化施設です。近年では地域でつくるアートイベント(地域アートレパートリー事業)に力を入れ、市民や企業とオリジナルダンスをつくって踊る「そらダン(地域航空会社のスターフライヤーと協働)」、「リバダン!(複合商業施設のリバーウォークと協働)」、北九州の街を舞台に写真家の浅田政志と市民がドラマチックな写真をつくる「ドラマチックロケーション」などを展開しています。そうした事業の一端を体験するプログラムとして、小倉駅でラボ参加者によるフラッシュモブも行われました。
  今回のラボでは、ホール入門、音楽コース、演劇コース3コースが開講され、開催地の取り組み事例に学ぶプログラムを中心に、最新の情報を提供する講座など充実したカリキュラムになりました。

 

●アーティストから学んだ音楽・演劇コース
 音楽コースはピアニストの仲道郁代さん、演劇コースは演出家の内藤裕敬さんという公立ホールとの事業経験豊富なアーティストがコーディネーターを務めました。
  音楽コースでは、仲道さん自らが行うワークショップのほか、ピアノについてより深く理解するための楽器解体講座、音楽アウトリーチを最新の教育理論の文脈で理解するための苅宿俊文青山学院大学教授による講義、アウトリーチ・地域交流プログラム・ホールコンサート企画という地域を巻き込んだ地域密着型の好循環を目指す上田市交流文化芸術センターの音楽事業紹介など、充実した座学が行われました。
  仲道さんのワークショップでは、○△□という記号から「リズム」「長さ」「メロディ」という音楽を構成する要素を読み解き、音楽をつくるという実験的な試みが行われました。参加者は好きな形をひとつ書き、グループに別れ、○△△△△□‥‥といった形の羅列がどうすれば音楽になるか模索。手や足やボディでリズムを刻む、身体を使った動きやフォーメーションや形にするなど、音楽とイメージが渾然一体となった不思議なパフォーマンスをつくり上げました。
  仲道さんと内藤さんは、1999年に「仲道郁代の音楽学校」という音楽×芝居というジャンルをクロスしたプログラムで協働して以来の同志です。今回のラボでは音楽コースと演劇コースの合同ゼミも開かれ、こうしたジャンルをクロスする表現について考えました。「お芝居とクラシック音楽がドッキングすることで新しい表現が生まれるのではないかと思った。大事なのは相手の芸術に対するリスペクト。ジャンルが異なるのだからそういう信頼感がないとできない」と内藤さん。また、演劇コースでは、内藤さんが北九州芸術劇場で行っている「Re:北九州の記憶」(地元の若手劇作家が高齢者から聞き取りを行い、戯曲として創作する事業)について学ぶ高齢者から地元を事例にした講義も行われました。

 

●市民劇にチャレンジした入門コース
 入門コースのコーディネーターを務めたのは、北九州芸術劇場プロデューサーの能祖將夫さんです。「人の数だけ物語がある」と考える能祖さんは、北九州芸術劇場で毎年開催している合唱物語『わたしの青い鳥』をはじめ、プロの力を借りて市民が自分の物語を創作する「マイライフ・マイステージ」と称する市民劇に取り組んできました。今回は、事前課題として参加者が書いてきた自分自身のエピソードを使い、ピアニストの白石光隆さん、ダンサーの井上大さん、藤井友美さんと市民劇づくりを体験しました。
  最終日、2チームに分かれて行われた発表では、白石さんの生演奏、劇場スタッフの協力による本格的な舞台照明の中、パフォーマンスが展開。「高校の美術展に出品することになり、先生からの提案で煮干しを使った作品を創作し、美術に目覚めた」など人生の些細だけど思い出に残るエピソードが綴られていきました。

 

●小倉駅でフラッシュモブに挑戦
 共通プログラムとして行われたのが「夕暮れダンスジャック!」と題したフラッシュモブ体験です。北九州芸術劇場では、先端的な身体表現でありながら、多様性があり、幅広い人が楽しめるという特性に注目し、多くのアーティストや市民と共にさまざまな形でコンテンポラリーダンスの活用を進めています。
  2013年に北九州芸術劇場が立地する文化・メディア・商業・オフィスの大型複合施設「リバーウォーク北九州」で働く人々とともに近藤良平さんが「リバーウォークダンス(リバダン!)」を創作したのを契機に、「観る」「踊る」を2週間集中開催するダンスダイブウィークをスタートしました。その中で北村成美さんが市民と共につくったのが「夕暮れダンス」です。今回は事前に振付映像を参加者に配布し、2時間の全体稽古を経て、市民ダンスグループも応援に駆けつけて、小倉駅の広場で15分のフラッシュモブにチャレンジしました。
  「脱いで、脱いで、脱いで、脱いで」という北村さんの掛け声とともに、音楽に合わせて思いっきり自分の殻を脱ぎ捨てるパフォーマンスをしているうちに開放され、立場を越えた一体感を味わった参加者たちは、観るのとは違ったコンテンポラリーダンスの力に高揚していました。

 

  北九州セッション プログラム表
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