平成27年度市町村立美術館活性化事業「エコール・ド・パリ─パリに咲いた異邦人の夢─」展が、新見美術館(2015年8月21日~9月27日)、大分市美術館(10月3日~11月8日)、はつかいち美術ギャラリー(11月14日~12月27日)、清須市はるひ美術館(2016年1月9日~2月28日)で開催されました。16回目となる今回の共同巡回展は、北海道立近代美術館と札幌芸術の森美術館の協力の下、両館の所蔵作品約75点の展示が実現し、多くの方々に作品をご覧いただきました。
この事業では、展覧会の開催のみならず、企画内容に即したワークショップ等の地域交流プログラムを実施しています。はつかいち美術ギャラリーでは、ピアニストの仲道郁代さんによる、美術と音楽を融合させたワークショップを開催。各世代が楽しめるように、対象者を子どもと大人に分けた2部構成で実施しました。高校生以上を対象とした第2部では、参加者が閉館後の美術館で実際に作品を鑑賞し、感じた印象を音楽で表現することに挑戦。各々のイメージを膨らませながらグループごとに話し合い、創作したメロディをさまざまな楽器で演奏し、発表しました。
参加者からは「絵画と音楽の組み合わせは新鮮で楽しかった」「初対面の方と一緒に音楽を奏でることができ、感動した」などの感想が聞かれ、好評を博したワークショップとなりました。
その他の美術館でも、親子が共同で大作の絵を完成させる親子ワークショップ(新見美術館)、大学と連携して行う模写やコンサート(大分市美術館)、似顔絵作成イベント(清須市はるひ美術館)など、各館が工夫をこらし、単なる絵画鑑賞にとどまらない多くの体験型プログラムが行われました。
本事業は、地域創造の提示した企画案を、開催各館の学芸員が、アドバイザーの助言の下、学芸会議等で議論を重ねながら具体化していきます。今回初めて事業に参加した新見美術館学芸員の藤井茂樹さんは「分担して業務を行うことで、より深い研究ができた。また、他館のアイデアを聞くこともでき、今後の学芸業務の参考になった」と話されています。他の学芸員からも「準備を通してこれまでにないノウハウが身についた」「他館とのネットワーク形成に役立った」などの声が聞かれ、美術館にとっても多くの成果をもたらした事業となりました。
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平成28年度の市町村立美術館活性化事業では、姫路市立美術館所蔵作品による「ポール・デルヴォー版画」展を、大垣市スイトピアセンター・アートギャラリーや市川市芳澤ガーデンギャラリー、田原市博物館で開催予定です。また、平成30年度開催の参加館募集は、平成28年6月頃を目途に行う予定です。当財団ウェブサイトをご確認の上、奮ってご参加ください。
●平成27年度市町村立美術館活性化事業「エコール・ド・パリ─パリに咲いた異邦人の夢─」
[主催]第16回共同巡回展実行委員会ほか
[特別協力]北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館
[会場]新見美術館(岡山県新見市)、大分市美術館(大分県大分市)、はつかいち美術ギャラリー(広島県廿日市市)、清須市はるひ美術館(愛知県清須市)
[助成](一財)地域創造
●公立美術館活性化事業に関する問い合わせ
総務部 布施・中澤
Tel. 03-5573-4143