一般社団法人 地域創造

平成27年度「地域創造大賞(総務大臣賞)」表彰式

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左:森屋宏総務大臣政務官(左)から表彰を受ける北里耕亮小国町長(左から3人目)と坂本善三美術館学芸員の山下弘子氏(同4人目)
右:出席者記念撮影

 平成27年度「地域創造大賞(総務大臣賞)」の表彰式が1月15日、東京・グランドアーク半蔵門にて行われました。この賞は、地域創造設立10周年を記念して、地域における文化・芸術の振興による創造性豊かな地域づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰する総務大臣賞として創設されたものです。これまでに88施設が表彰され、その活動は広く全国に紹介されています。12回目となる今年度は全国から7施設の受賞が決定し、森屋宏総務大臣政務官ご臨席の下、表彰式が行われました。
  主催者である一般財団法人地域創造梶田信一郎理事長の挨拶に続いて、多彩な取り組みが行われている受賞施設の活動について映像による紹介が行われました。表彰状・楯の授与に続き、森屋政務官から高市早苗総務大臣のお祝いの言葉とともに、「子どもから高齢者まで、あらゆる世代の方々が、文化・芸術活動に参加されることによって、地域の文化が醸成され、魅力ある地域がつくられることは『地方創生』にとって極めて重要なことであると考えております。今後とも、全国の公立文化施設のモデルとして、地域における文化・芸術の振興による創造性豊かな地域づくりに大きな成果を上げて、それぞれの地域の暮らしをより心豊かなものにしていただけるよう期待しております」(政務官代読)とのエールが送られました。
  また、受賞施設を代表して、文化による生涯学習のまちづくりを推進してきた速水雄一雲南市長より、「『地方創生』は、自らの地域を自らの力でよくしよう、誇りを持って生活しようという住民の力の高揚があってこそ実現するものです。地域創造大賞は、こうした民力の高まりの“見える化”を顕彰していただくものであり、大変感謝しています。雲南市加茂文化ホール・ラメールでは、平成7年度から青少年によるミュージカルスクールの定期公演に取り組んでまいりましたが、回を重ねる毎に成長する子どもたちの姿は感動以外の何ものでもありません。文化芸術活動には普段の生活の有り様を大きく変える力があると実感しています。文化とは普段の生活そのものであり、住民の皆様の普段の生活の向上をいかに図っていくかが行政の使命だと思っています。その推進拠点としての公立文化施設がより一層活発になるよう、がんばっていく所存です」という決意を込めた謝辞をいただきました。最後に田村孝子委員長代理から各受賞施設についての講評が行われました。
  今回の賞は、受賞された施設のみならず、それらの施設を支え、文化・芸術による地域づくりに参加していただいている地域の皆様のご協力に対する感謝を込めて贈られるものです。心よりお祝い申し上げますとともに、今後の更なるご活躍を期待しています。

 

●平成27年度地域創造大賞(総務大臣賞)受賞施設
・札幌市こどもの劇場やまびこ座(札幌市)
・横浜美術館(横浜市)
・まつもと市民芸術館(長野県松本市)
・吹田市文化会館メイシアター(大阪府吹田市)
・兵庫陶芸美術館(兵庫県)
・雲南市加茂文化ホール ラメール(島根県雲南市)
・坂本善三美術館(熊本県小国町)

 

●地域創造大賞審査委員会
・委員長
扇田昭彦(演劇評論家)
※扇田委員長は2015年5月22日に急逝されました。心よりお悔やみ申し上げます。
・委員長代理
田村孝子(文化ジャーナリスト)
・委員
梶田信一郎(一般財団法人地域創造 理事長)
加藤恒夫(一般社団法人芸術資源マネジメント研究所 代表理事)
熊倉純子(東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科 教授)
小林真理(東京大学大学院人文社会系研究科 准教授)
坪池栄子(株式会社文化科学研究所 編集プロデューサー)
仲道郁代(ピアニスト)
柳沢秀行(公益財団法人大原美術館 学芸課長)
吉本光宏(株式会社ニッセイ基礎研究所研究理事(社会研究部 芸術文化プロジェクト室長兼務))

*五十音順

 

札幌市こどもの劇場 やまびこ座│札幌市

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“子どものための劇場”の先駆け
人形劇・児童劇など子どものための舞台芸術体験を目的とした専用施設。道内の人形劇団が交流する札幌人形劇祭の他、初心者のための人形劇講座、子どものための人形浄瑠璃体験講座、小学生および中高生による児童劇団、中高生を対象にした人形浄瑠璃クラスなどの人材育成に力を入れ、長年にわたり舞台芸術を通じた子どもたちの情操教育に尽力した。
[運営]公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会
[開館]1988年

横浜美術館 │横浜市

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“創造的な国際都市のシンボル”として貢献
横浜トリエンナーレを開催する国際都市・横浜のシンボル施設。現代作家の大規模な個展をはじめとした世界的な視野に立つ企画展、1万点を超える充実したコレクションを活かしたコレクション展、若手アーティストを取り上げる「New Artist Picks」に加え、子どものアトリエなどの教育普及事業にも力を入れるなど、創造的な国際都市のシンボルとして貢献した。
[運営]公益財団法人横浜市芸術文化振興財団
[開館]1989年

まつもと市民芸術館 │長野県松本市

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“劇場のある街の魅力”を発
セイジ・オザワ松本フェスティバルの主要会場であり、松本市の音楽・演劇の拠点施設。質の高い鑑賞事業を行うとともに、芸術監督のリーダーシップにより作り手・市民・街を巻き込んだプロデュース事業を展開。街なかで行う信州まつもと大歌舞伎のお練り、大道芸、特設劇場Flying Theatre公演等により、劇場のある街の文化を醸成し、魅力ある地域づくりに貢献した。
[運営]一般財団法人松本市芸術文化振興財団
[開館]2004年

吹田市文化会館 メイシアター │大阪府吹田市

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“マネージメント力”で近郊型ホール運営を実現
千里ニュータウンのある吹田市の舞台芸術の拠点施設。ホール付属のレストラン経営により自主財源を調達するなど公益法人として自律した経営を実践。年間90本を超える幅広いプログラムを主催・提携・受託・大学共同事業としてマネージメントするとともに、少年少女合唱団、ティーンズクラシックといった育成事業にも力を入れ、長年にわたり市民の文化的な生活に貢献した。
[運営]公益財団法人吹田市文化振興事業団
[開館]1985年

兵庫陶芸美術館 │兵庫県

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陶芸文化を振興する“エコミュージアム”の旗手
日本六古窯のひとつ丹波焼最大の窯業地である丹波立杭地区にある美術館。平安時代末期から続く陶芸文化の継承と振興を目的とし、古陶磁や現代陶芸の展覧会に加え、約60軒ある窯元が指導する多彩なワークショップを実施。明治28年築窯の登窯の修復・活用にも取り組むなど、地場産業の陶芸文化を地域丸ごと継承するエコミュージアムの拠点として新たな道を拓いた。
[運営]兵庫県
[開館]2005年

雲南市加茂文化ホール ラメール │島根県雲南市

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生涯学習による“心豊かな生活”を推進
旧加茂町が掲げた「遊学の郷」の拠点施設として開設。市が出資した株式会社キラキラ雲南が運営。市民や中高生の文化活動を支援するとともに、市内各所でクラシックの音楽会を開く「熱響UNNAN」、幼児から高校生までを対象にしたミュージカルスクール、放課後の子どもたちのための「わくわく教室」などを実施し、生涯学習による心豊かな生活を推進した。
[運営]株式会社キラキラ雲南
[開館]1995年

坂本善三美術館 │熊本県小国町

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“コミュニティの絆を育む場”として尽力
小国杉に見守られた場所に明治5年に建てられた古民家を移築した全館畳敷きの美術館。この地で生まれ、“グレーの画家” “東洋の寡黙”と称された洋画家・坂本善三の作品約500点を収蔵。作家の原点である郷土の原風景を伝えるとともに、子どもたち・地域住民・アーティストとの交流を意欲的に図り、コミュニティの絆を育む場として長年にわたり尽力した。
[運営]小国町
[開館]1995年

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