59年の幕を閉じる周南市市民館
「周南市市民館ピアノ納め 高野耀子ピアノ独奏会」
1956(昭和31)年夏、徳山市市民館(現周南市市民館)が落成し、さまざまな式典が行われる中、「徳山市市民館ピアノ開き高野(こうの)耀子独奏会」が開催されました。日本人として初の国際ピアノコンクール(ヴィオッティ国際音楽コンクール)優勝者となり、多忙な演奏活動を行っていた高野耀子さんを迎え、記念すべき“ピアノ開き”は行われました。国際的なピアニストを自分たちのまちに迎えられた感激でいっぱいだったに違いなく、ピアノにサインをもらっていたとのこと。それから59年が経ち、周南市市民館は閉館・解体が決まりました。
「何か記念になることをしたいと調べた膨大な資料の中からピアノ開きのことを知り、この演奏会を企画しました。まず高野さんに出演を依頼したところ、『世界広しといえど、ピアノ開きに弾いた人間がピアノ納めに弾くなんて、なんて幸運』と快諾していただきました。当時のことを知る人がいないなか、高野さんは貴重なプログラムを貸してくださり、チケット代も当時と同じ150円にしたいという失礼なお願いも承知してくださいました」と担当の宗節子さん。
プログラムも当時とほぼ同じ曲目を予定。59年前を知る人も知らない人も一堂に会し、それぞれの想いを胸に、当時と同じピアニストの演奏を聴きます。そして独奏会の終了後には緞帳納めを行い、周南市市民館は長い歴史の幕を閉じます。
●山口県周南市
[会期]12月27日
[会場]周南市市民館
[問い合わせ]周南市文化振興財団
Tel. 0834-22-8650
http://s-bunka.jp/shimin/