一般社団法人 地域創造

「市町村長特別セミナー」報告

「市町村長特別セミナー」報告~全国の市町村長等83名が参加

 毎年全国の市町村長等を対象に、文化・芸術による地域づくりへの理解を深めていただくために開催している「市町村長特別セミナー」。今年度の1回目は、総務省・内閣府地方創生推進室との共催により、4月23日に千葉市の市町村アカデミーにおいて講演とミニコンサートが開催されました。
  今回の講師を務めたのはピアニストで地域創造理事でもある仲道郁代さんです。全国のホール延べ2,000館以上で演奏会を開くとともに数多くのアウトリーチを実践し、東京都芸術文化評議会評議委員も務める仲道さんは、国内外の豊富な情報を交えて、「文化は“使う”もの~生きる力を育み、街を活性化させる力~」をテーマに講演されました。
  「文化は素晴らしいとわかっているけど、数字で示してもらわないと大切な税金は使えないと言われたことがあります。でも、子どもにどのぐらい教育費をかけたらどのぐらい見返りがあるか、とは考えません。ケネディ大統領が引用した劇作家バーナード・ショーの言葉『多くの人は現実を見て、なぜという。私は存在しないことを夢見て、なぜそうならないのかという』にもあるように、現実を見るだけでなく、文化を使って人の夢をつくり出すようにしないとこれからの発展はないと思います」と前置きし、イギリス全土に経済波及効果をもたらしたロンドン・オリンピックの文化プログラム「カルチュラル・オリンピアード」や文化によって魅力的になっている商業施設、屋外でのピアノ音楽祭で知られる「ラ・ロック・ダンテロン」や文化によって町を再生したグラスゴーなどの事例を紹介。正解がないからこそ無限の可能性が開け、豊かな発想が生まれる文化の効用について力強く話されていました。
  ミニコンサートでは、おんかつ支援登録アーティストの新崎誠実さん(ピアノ)と野尻小矢佳さん(パーカッション)が登場。アウトリーチでの出会いなどのトークを挟みながら『西風のみたもの』『ウォーターヴォイス』『神々へのリズム』など音の響きや躍動が体感でき、知的好奇心が刺激される全7曲を披露。小学校で行っているピアノの構造を体験するアクティビティでは、千葉県長生村の小髙陽一村長に生徒役でご協力いただくなど、和やかな会となりました。

 

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講演する仲道郁代さん

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