一般社団法人 地域創造

「地域創造は20周年を迎えました。」

地域創造は、「文化・芸術の振興による創造性豊かな地域づくり」の支援を目的に、1994(平成6)年9月30日に設立されました。地方公共団体、公立文化施設、関係者の皆様のご協力により、今日を迎える事ができましたことを心より感謝申し上げます。

設立10周年を記念して創設した総務大臣賞「地域創造大賞(旧JAFRAアワード)」も今年で10周年を迎えます。20周年に際し、地域創造と縁の深い受賞施設の方々からコメントをいただきました。これからもこうした方々と手を携えて、創造性豊かな地域づくりのために邁進していきたいと思っております。今後ともご指導、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

第2回(17年度)受賞
真田弘彦(りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 事業課長)

地域創造の設立20周年、大変おめでとうございます。思い返せば、地域創造が設立早々にスタートさせた画期的なステージラボの第2回宮崎セッション「音楽コース」に受講者として参加させていただいたのが最初のご縁でした。経験豊富な講師陣や実践的なゼミ内容に圧倒されたことが思い出されます。その後、2004年の新潟セッションでは「演劇コース」のコーディネーター、2回目の開催となった今年の新潟セッションでは「ホール入門コース」のコーディネーターを務めさせていただきました。多彩な事業に取り組むりゅーとぴあの企画制作に携わっている今日の自分があるのも、ステージラボで刺激を受け、多くを学び、良き仲間がつくれたことだと感じています。改めて、地域創造・ステージラボに感謝です!

 

世田谷美術館

第3回(18年度)受賞
髙橋直裕(世田谷美術館 学芸員)

地域創造の事業に関わらせていただいたのは、財団の設立年度(年は翌年の平成7年)のステージラボ宮崎セッションからです。音楽コースのひとコマで「美術館でのワークショップの実践例」をお話ししたのが最初です。その後、二代目理事長遠藤安彦氏がご就任の折のヒアリングで地方公立美術館の現状をお話ししたのが契機になり、市町村立美術館活性化企画検討委員会が設置され、平成11年には共同巡回展のモデル事業として「近代日本の風景画」展が行われました。一方ラボでは、平成12年の金沢セッションで美術コースが誕生。コーディネーターとしての初仕事でした。この20年間で美術館関係事業は大きく進歩しました。今後もお手伝いをさせて下さい。

 

長久手市文化の家

第3回(18年度)受賞
籾山勝人(長久手市くらし文化部文化の家 事務局長)

「人口3万8千の長久手町に待望の文化施設がオープン、職員募集」。その地域創造レターを手にしたのが文化の家との出会いでした。舞台技術で採用されましたが、地域創造の助成で立ち上げた市民劇団を担当したのが演劇事業と深く関わるきっかけとなりました。市民劇団は不条理劇の雄、別役実を挑戦するまでに成長。地域の劇作家とは短編戯曲を競う「劇王」を全国に展開。3市が3つの劇をワリカンで共同制作した「トリプル3」は、劇場間創作の活路を開きました。また、ステージラボは、連日連夜朝まで語りあう伝説の会場となり、劇場職員を開花させる長久手セッションになりました。5万3千人に増えた長久手市。先の市民アンケートで文化の家は「まちのお宝第3位」に輝くなど、これからも市民と共に文化を磨き市民が誇れる劇場を目指します。

 

淨るりシアター

第3回(18年度)受賞
松田正弘(淨るりシアター 館長)

財団設立20周年誠におめでとうございます。思い起こせば1994年貴財団設立当初にお伺いさせていただいたのが、つい昨日のことのようです。能勢の浄瑠璃は人形を持たない浄瑠璃、すなわち素浄瑠璃という形態で200年の間受け継がれてきました。「淨るりシアター」が1993年にオープンし、劇場プロデュース事業で人形をこの時代にデビューさせる大プロジェクトを企画。1996年度から3か年「地域の芸術環境づくり支援事業」の助成をいただき、1998年「能勢人形浄瑠璃」は産声をあげました。以後、宇宙人が登場するオリジナル演目の製作や鹿角座(ろっかくざ)として劇団化をはかるなど、その活動は大きく広がりをみせております。貴財団と歩んでまいりました20年。これからも全国の創造性豊かな地域活動を応援していただきますようお願い申し上げます。

 

河口湖ステラシアター

第4回(19年度)受賞
野沢藤司(河口湖ステラシアター マネージャー)

財団設立20周年おめでとうございます。河口湖ステラシアターは、平成7年の開館から運営を住民ボランティアと一緒に進めて参りました。開館8年目に世界的な指揮者佐渡裕さんとご縁がありボランティアの皆さんと一緒に、住民参加型創造音楽祭として立ち上げたのが、今年で13回目を迎え毎年富士山麓の夏の風物詩にもなっている「富士山河口湖音楽祭」です。音楽祭を始める前年の平成13年に音楽活性化事業をご一緒し、その中で高校生と演奏家が一緒になって、森の中で探した木切れやゴミなどを使ってミニ演奏会を開催しました。手探りのプログラムに高校生もドキドキしながら、お客さんの案内をしていたのがつい先日のような気がします。社会人となった当時のメンバーが今も音楽祭の期間中に顔を出して、その子供たちも参加するようになりました。立上げに助成をいただいた小さな音楽祭が今もいろいろな方に支えられ大きくなり、地域の観光振興に貢献し、また地域に根差す事業となっています。

 

多治見市文化会館

第4回(19年度)受賞
加藤愛(多治見市文化会館 主任)

17年度ダンス活性化事業をきっかけに、子どもから80代までの方々とダンス企画をおこなってきました。18年度マスターコースではイギリスのコミュニティダンスの実情を知り目から鱗の連続。22年度から助成支援により「クリエイティブダンスフェスティバル」を実施し、商店街店主・スポーツ愛好家・高齢者らと創作に挑戦。ダンサーにより地域の人々の魅力が次々ひきだされ、舞台でいきいきと踊る姿に触れ、アーティストが地域に入り込むことが人と人をより深くつなぎ地域と街を活性化することを実感しました。これからも多治見市文化会館は、芸術を通して、感動と興奮の出会いの場をつくり、コミュニティの活性化の拠点としての役割を果たしていきたいと思っています。

 

幸田町民会館

第4回(19年度)受賞
藪田哲也(幸田町文化振興協会 ハッピネス・ヒル・幸田統括マネージャー)

設立20周年おめでとうございます。当館事業の2大看板でもある「幸田ミュージカル」や「音楽宅配事業」は、それぞれ地域創造の「演劇ネットワーク」、「おんかつ」に参加したことがきっかけで生まれています。ノウハウのない私たちでしたが、アーティストとコーディネーターの支えをいただき、他館との交流を深める中で各事業を創りあげていくことができました。毎回目にする子どもたちの笑顔に癒され励まされ、その後、地元アーティストを起用した「音楽宅配」や、演劇の分野のアウトリーチにも取り組んでいます。JAFRAアワード受賞理由のひとつとして評価いただいた「スタッフ力により住民の目線にあわせた運営」を体現しつづけ、常に人で賑わう劇場を目指していきたいと思います。

 

熊本県立劇場

第6回(21年度)受賞
本田恵介(公益財団法人熊本県立劇場 事務局次長兼企画事業課長)

私と地域創造の関わりは、20年前のステージラボ埼玉セッションに遡ります。現在のように、毎晩“ナイトリーチ”が展開されることはありませんでしたが、音楽コースの受講者約20人とともに熱い3日間を過ごしたことを今でも鮮明に覚えています。その後、ステージラボ熊本セッション、おんかつフォーラム、邦楽地域活性化事業などをアーティストやスタッフとともに進める中で、県立ホールの県域における役割を強く意識するようになりました。今年度は、富山県で行われている邦楽地域活性化事業にコーディネーターとして関わっています。専門に学んだ分野ではありませんが、この出会いと学びの機会を生かして、今後熊本での伝統音楽普及に活かせるよう力を注いでいきたいと思います。

 

豊岡市民プラザ

第8回(23年度)受賞
川口宏実(特定非営利活動法人コミュニティアートセンタープラッツ 事務局長)

私ども豊岡市民プラザは、地域創造大賞創設の年04年に開館しました。06年ステージラボ長久手セッションに参加、井の中の蛙は全国文化施設の同志に勇気をもらいました。09年マスターコースで多くの示唆をいただき、創造プログラムアートスクール事業が生まれました。リージョナルシアター事業では北九州で缶詰めになる貴重な研修を経て、地域の小学校にお芝居を届け始めました。いずれも日々の業務を離れ仕事の本質を問う時間を与えられたかけがえのない経験です。そこから多くの専門家の方の来訪が始まり、今年オープンした城崎国際アートセンターの構想や日本劇作家大会にもつながって参りました。8年目にいただいた地域創造大賞は地元で確実に追い風となりました。これからも高みと広がりを目指して、地域の文化創造に取り組んでいきたいと思います。設立20周年に心からのお祝いと感謝を申し上げます。

 

札幌芸術の森

第9回(24年度)受賞
橋本道政(公益財団法人札幌市芸術文化財団 代表理事副理事長)

20周年おめでとうございます。この間、当財団の各施設はステージラボ、演劇ネットワーク事業、おんかつ政令市アウトリーチモデル事業の実施館として、地域創造と共催し、施設運営や事業展開のノウハウを高めさせてもらいました。また、職員約40名がステージラボに参加し、全国のホール職員とのネットワークを築き、連携して事業を具体化。さらに公共ホールの運営と事業において「管理重視」から「利用者重視」の意識変革もさせていただきました。芸術の森は地域創造大賞をいただき、職員とボランティアの方々にとって栄光の盾を、市役所ロビーに展示しています。20年間のご指導に感謝するとともに、今後も引き続き地方の実情に即した効果的な支援事業の展開を望みます。

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