平成28年度市町村立美術館活性化事業では、姫路市立美術館の全面協力により、同館が所蔵するポール・デルヴォーの版画作品による共同巡回展「日本・ベルギー国交150周年記念 ポール・デルヴォー版画展 ~さまよえる夢を求めて~(仮称)」を実施します。
ベルギーを代表するシュルレアリスムの画家ポール・デルヴォーは、最初は印象派、次に表現主義に影響を受けますが、1934年にブリュッセルで開催された展覧会で、エルンストやダリ、キリコ、マグリットの作品と出会い、シュルレアリスム的な作風に転向して、独自の夢幻の世界を創り上げました。
今回のテーマであるデルヴォーの版画作品は、その多くがカラーもしくはモノクロームのリトグラフで、黒い描線の積み重ねが画面を支配し、油彩にはない重厚な陰影の世界を創り出しています。
本事業に参加される館は、27年度から2カ年にわたり、主体的に展覧会づくりに取り組んでいただきます。地域創造は準備年度の活動に対する助成とアドバイザーの派遣、開催年度の助成により、事業の実施を支援します。
また、本展覧会の開催年である2016年は、日本とベルギーとの国交樹立150周年に当たる記念の年でもあります。本事業の開催により、開催館の所在地とベルギーとの国際的な関係づくりも期待できます。
●姫路市立美術館のベルギー近代美術とポール・デルヴォーのコレクションについて
姫路市がベルギーのシャルルロワ市と姉妹都市提携を結んでいることから、姫路市立美術館では開館の1983年より、ベルギーの近代美術を作品収集の柱とし、本国ベルギー以外では世界有数の規模となる約350点におよぶベルギー近代美術作品を所蔵する。なかでもポール・デルヴォーの作品(139点)は同館のベルギー美術の中でも最大のコレクションとなっており、特にデルヴォーの版画作品の所蔵点数は約120点を数え、デルヴォーが生涯制作した版画の大半を網羅している。
※作品のイメージが必要な場合は、地域創造までお問い合わせください。
◎事業概要
地域創造が提示する公立美術館コレクションを活用した展覧会について、市区町村の設置する美術館より参加館(4館程度)を募集。参加館で実行委員会を構成し、共同巡回展を実施します。また、展覧会開催の前年度から学芸担当者会議を行い、地域創造の派遣するアドバイザーの助言の下、企画の具体化や調査研究、分担での制作実務など、巡回展の準備を進めていきます。
◎助成等の支援措置
・準備年度(27年度):準備に係る対象経費について、事後の請求により100万円を上限として助成。
・開催年度(28年度):共同巡回展開催に係る対象経費から事業収入を控除した額の3分の2以内について、1,200万円を上限として助成(助成決定額の50%までの前金払い請求が可能)。
◎参加申込方法
応募書類に必要事項を記入の上、参加希望館より直接郵送にてお申し込みください。
※応募書類と実施要綱は、当財団ウェブサイト内の「様式箱」→「市町村立美術館活性化事業」よりダウンロードできます。
※事業の参加に当たっては、平成27年度に開催される実行委員会・学芸担当者会議への出席に係る経費等についての予算措置が必要です。詳しくは地域創造までお問い合わせください。
募集締切:10月27日(月)