一般社団法人 地域創造

平成26年度「リージョナルシアター事業」研修会報告

 平成26年度リージョナルシアター事業のメインプログラムである全体研修会が5月15日、16日に参加館のひとつである茅野市民館で開催されました。この事業は平成25年度にリニューアルされ、地域創造が派遣する演出家(派遣アーティスト)と公立ホールが地域のニーズに合ったアウトリーチやワークショップなどをより自由に企画できるようになりました。
  今回の全体研修会では、平成26年度に事業を実施する4館の担当者と関係者の顔合わせとともに、企画づくりの参考になるアウトリーチのモデル・プログラム体験、平成26年度派遣アーティスト(内藤裕敬、岩崎正裕、多田淳之介、田上豊)によるシンポジウム、地域の事情と企画内容のプレゼンテーションなどが行われ、関係者が相互に学びあい、共通認識を育む場となりました。
  茅野市民館の市民ボランティアも参加したモデル・プログラムでは、内藤さんが、演劇創作の基本に据えている「想像力で遊ぶ」ワークショップを体験しました。モナ・リザの絵の題名を想像する(イメージする)、モナ・リザとの会話を想像する、いろいろな絵から音楽を想像するなど、絵と言葉と音楽を使った遊びが90分にわたって行われました。内藤さんは、「学校は知識を獲得するための時間になっているが、僕らがつくるのは、教えない、訓練しない、達成を目指さない、発想をとことん楽しむ時間。それによって想像力を豊かに使うことができるようになる。自由に遊んで、自由に発想することができるようになればいいなと思っている」と話していました。
  シンポジウムでは、派遣アーティストが各地で取り組んでいる事例も紹介されました。若い演劇人が地域の高齢者にヒアリングして戯曲化する「北九州の記憶」(内藤)、大型市民参加ミュージカルやアルコール依存症患者との芝居づくりの試み(岩崎)、子どもたちと劇場で遊ぶ「子どもステーション☆キラリ」(多田)、子ども若者応援センターでのワークショップ(田上)といった刺激的な内容に参加者は興味深そうに耳を傾けていました。

 

Photo05.jpg
内藤裕敬さん(左)のワークショップ

リージョナルシアター事業

演劇の表現者(演出家)を公共ホールに最大3回派遣し、演劇の手法を使ったワークショップを実施。

  • 平成26年度派遣アーティスト
    内藤裕敬(南河内万歳一座座長、劇作家・演出家)、岩崎正裕(劇団太陽族主宰、劇作家・演出家)、多田淳之介(東京デスロック主宰、演出家・俳優)、田上豊(田上パル主宰、劇作家・演出家)
  • 平成26年度参加団体
    ・八王子市芸術文化会館
    ・小田原市民会館
    ・茅野市民館
    ・豊岡市民プラザ
  • 問い合わせ
    芸術環境部 江口・大垣
    Tel. 03-5573-4076

カテゴリー