恒例の「夏のフェスティバル特集号」の季節となりました。話題の大型企画から定番イベントまで、一挙にご紹介します。
ジャンル別に、開催地、日程、事業名、事業内容の順に掲載しています。[会]は会場、[問]は問い合わせ先です。(は地域創造助成事業)
音楽
札幌市 7月12日~8月7日
パシフィック・ミュージック・フェスティバル2014
レナード・バーンスタインの提唱により創設され、毎年夏に札幌を中心に開催している国際教育音楽祭。25回目となる今年は、27の国と地域から122名が参加する。創設者バーンスタインをテーマにした「特別コンサートⅠ」や、PMFステージオペラ「ナクソス島のアリアドネ」の上演、アウトリーチコンサートなどを開催。
[会]札幌コンサートホールKitara、札幌芸術の森ほか
[問]PMF組織委員会 Tel. 011-242-2211
札幌市 7月2日~8月31日
サッポロ・シティ・ジャズ2014
国内外の豪華アーティストのライブから、気軽に楽しめる無料ライブまでさまざまなプログラムが楽しめるジャズフェスティバル。メインプログラムとなる「SAPPORO MUSIC TENT LIVE」では、最大600席収容可能な2階建てのテントが特設され、30日間で40公演が行われる。また、フェスティバルのラストを飾るビッグプログラム「North JAM Session」では、最大キャパ数4,000の札幌芸術の森野外ステージを会場に熱いライブを開催。
[会]大通公園2丁目、札幌市役所、札幌芸術の森ほか
[問]サッポロ・シティ・ジャズ実行委員会 Tel. 011-592-4125
青森県八戸市 7月26日
南郷サマージャズフェスティバル2014
毎年7月にカッコーの森エコーランド野外ステージで開催される東北地方最大級の野外ジャズコンサート。2,000人を超えるジャズファンが来場し、地元特産品を味わいながら、自然豊かで開放的な会場で心ゆくまで音楽を楽しめる。25周年を迎える今回は、過去グラミー賞を10個獲得したアカペラグループ「Take6」をはじめ特別ゲストが多数出演。
[会]カッコーの森エコーランド 野外ステージ
[問]南郷ジャズフェスティバル実行委員会 Tel. 0178-82-2111
山形県山形市8月17日~24日
アフィニス夏の音楽祭2014山形(第26回)
日本のプロオーケストラ・メンバーと世界の名門オーケストラの首席奏者ら、一流の演奏家が集まり、室内楽の名曲に取り組む音楽祭。演奏家が音楽を創り上げていく過程が公開され、音楽を学ぶ市民に広く聴講の機会を提供する。最終日のオーケストラ演奏会では、指揮者なし(弾き振り)でシューベルトの交響曲第5番を披露。
[会]山形まなび館、文翔館、山形テルサほか
[問]アフィニス文化財団 Tel. 03-5532-1424
群馬県草津町8月17日~30日
第35回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル
国内外の優れた音楽家を招聘し、講習会と演奏会が催される音楽祭。第35回を迎える今回は、「リヒャルト・シュトラウス生誕150年~ミュンヒェン、ウィーン、ドレスデン」をテーマにモーツァルトの再来と言われたリヒャルト・シュトラウスの若き時代の室内楽作品に焦点を当て、初期の作品を中心に演奏する。
[会]草津音楽の森国際コンサートホールほか
[問]第35回草津夏期国際音楽アカデミー事務局 Tel. 03-5790-5561
東京都大田区 7月26日、27日
アプリコみんなの音楽祭2014
アマチュア音楽家のための祭典として開催してきた音楽祭。8回目を迎える今回から、「アプリコみんなの音楽祭」と題し、プロやアマチュアはもちろん、赤ちゃんから大人まで、誰でも楽しむことができる音楽イベントとして開催する。施設全館をフルに活用し、ワークショップやコンサート、体験プログラムなど、音楽を幅広い形で楽しむことができる企画が繰り広げられる。
[会]大田区民ホール・アプリコ
[問]大田区文化振興協会 Tel. 03-5744-1600
東京都調布市 7月4日~6日
調布音楽祭
Chofu Music Festival
「調布から音楽を発信する」音楽祭として昨年よりリニューアルし、今年はさらに規模を拡大。昨年に引き続き総合プロデューサーに鈴木優人を迎える。今年は財団が新たに協定を結んだ桐朋学園大学の、桐朋学園オーケストラによる定期演奏会シリーズの第1回が音楽祭内で行われる。他にも公募で選ばれた市民音楽家によるオープンステージや、市民ボランティアも運営に携わり音楽祭を盛り上げる。
[会]調布市グリーンホール、調布市文化会館たづくり
[問]調布市文化・コミュニティ振興財団 Tel. 042-441-6039
川崎市 7月26日~8月10日
フェスタサマーミューザ
KAWASAKI 2014
首都圏のプロオーケストラが一堂に会する川崎恒例の夏の音楽祭。10回目を迎える今年は、東京ニューシティ管弦楽団が新たに加わり、10団体の首都圏プロオーケストラの演奏を期間中日替わりで楽しむことができる。オーケストラ以外にもオルガンとピアノのコンサートや、平日夜8時からのジャズコンサートなどバラエティに富んだプログラムとなっている。昨年に引き続き昭和音楽大学での出張公演も有り。
[会]ミューザ川崎シンフォニーホール、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ
[問]ミューザ川崎シンフォニーホール Tel. 044-520-0200
富山県南砺市 8月22日~24日
スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2014
今年で24回を数える日本最大規模のワールドミュージック・フェスティバル。今年はコンゴから初来日となるジュピター&オクウェス・インターナショナルなど世界各国のアーティストが出演。パレードでの練り歩きも体験できるモザンビーク巨大人形のワークショップは今年が初の試み。ほかにも事前の楽器ワークショップ受講生による成果発表や、国内外のゲストも出演する出演者公募型ステージも行われる。
[会]南砺市福野文化創造センター「ヘリオス」、南砺市園芸植物園「フローラルパーク」ほか
[問]スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド実行委員会 Tel. 0763-22-1125
山梨県富士河口湖町 8月9日~23日
富士山河口湖音楽祭2014
昨年、世界遺産となった富士山の麓で行われる住民参加型の音楽祭。13回目を迎える今年は、ショッピングセンターからスタートするマーチングパレードや、春日部共栄高校など吹奏楽トップチームが集うコンサートなど、約45プログラムを実施。佐渡裕の指揮によるシエナ・ウインド・オーケストラのコンサートがファイナルを飾る。
[会]河口湖ステラシアターほか
[問]富士山河口湖音楽祭2014実行委員会 Tel. 0555-72-5588
長野県木曽町8月21日~24日
第40回木曽音楽祭
今年で40回目を迎える老舗の地域夏期音楽祭。昨年より多くの演奏家が参加し室内楽を中心に披露する。地元住民の積極的なサポートにより「自治体が実際に運営する音楽祭」として最長の歴史を誇るまでになった。ホールでの演奏が可能となって以来、それまで町民体育館などで行っていた演奏会の雰囲気を前夜祭コンサートとして引継ぎ、今年も福島中学校体育館で行う。
[会]木曽文化公園文化ホールほか
[問]木曽音楽祭実行委員会 Tel. 0264-21-1222
長野県軽井沢町 8月14日~24日
軽井沢国際音楽祭2014
世界有数の避暑地で開催されてきた軽井沢国際音楽祭は今年で13回を数える。「Happy MusicHour」と題して、新たにホッピービバレッジ株式会社をスポンサーに迎え、演奏会場でホッピーを用いたオリジナルドリンクも楽しめる。今年も音楽祭講習会を開き、音大卒業生や若手奏者を対象とし短期集中のレッスンを行う。
[会]軽井沢大賀ホールほか
[問]軽井沢国際音楽祭実行委員会 Tel. 090-7330-4020
長野県松本市 8月10日~9月6日
2014サイトウ・キネン・フェスティバル松本
小澤征爾総監督のもと、23回目を迎える音楽祭。今年は齋藤秀雄没後40年、サイトウ・キネン・オーケストラ30周年の記念すべき年となる。昨年本格復帰した小澤は「オーケストラ コンサート」と「サイトウ・キネン・フェスティバル松本Gig」を指揮。子どもたちを対象とした「吹奏楽パレード・合同演奏会」や「青少年のためのオペラ」などの関連企画も充実している。
[会]まつもと市民芸術館、キッセイ文化ホールほか
[問]サイトウ・キネン・フェスティバル松本実行委員会 Tel. 0263-39-0001
愛知県長久手市 8月3日
おんぱく2014~音のテーマパーク「踊れ、オンガク!」
館全体を使って一日音楽テーマパークにし、各部屋でアーティストがパフォーマンスを披露するとともに、さまざまなアトラクションで劇場が彩られるイベント。今年は「ダンス音楽」をテーマに、バロックダンス、ペーパーヴァイオリンなどユニークなワークショップを展開する。最後はこの日のために結成された「おんぱくスペシャルオーケストラ」によるフィナーレコンサートを開催。
[会][問]長久手市文化の家 Tel. 0561-61-3411
鹿児島県霧島市 7月16日~8月3日
第35回霧島国際音楽祭
鹿児島市内・霧島温泉エリアで、一流の音楽家による講習会や多彩なコンサートを展開する伝統のクラシック音楽祭。今年は新規事業として、世界的ピアニストのエリソ・ヴィルサラーゼが初参加するほか、キリシマ祝祭管弦楽団の台湾公演を行う。また、低価格で気軽に楽しめる「音楽の散歩」シリーズを鹿児島市内でも開催。
[会]霧島国際音楽ホール(みやまコンセール)ほか
[問]鹿児島県文化振興財団 Tel. 0995-78-8000
演劇・ダンス
北海道札幌市 7月22日~8月28日
教文演劇フェスティバル2014
毎年夏に札幌市教育文化会館(教文)で行われる演劇の祭典、通称「演フェス」。今年のテーマ「ワナ」を題材に20分間の作品上演を競う短編演劇祭では、全国の実力派劇団・9団体が前年王者yhs(札幌)に挑む。ワークショップなど関連企画も多数開催。
[会]札幌市教育文化会館
[問]教文演劇フェスティバル実行委員会 Tel. 011-271-5822
群馬県伊勢崎市 7月26日~8月31日
第17回伊勢崎市境演劇フェスティバル
県内で活動するアマチュア劇団に発表の機会を提供し、市民に演劇の魅力を伝えることを目的に1997年にスタート。今回は初参加3団体を含む6つの参加団体・10公演を予定。劇団空奏列車・だんでらいおんによる『レドモン』を皮切りに、ミュージカルなど多彩な演目が上演される。
[会][問]伊勢崎市境総合文化センター Tel. 0270-76-2222
東京都豊島区 8月10日
近藤良平・コンドルズ池袋大作戦!! あうるすぽっと‘にゅ~盆踊り’大会2014
7年目を迎え、池袋の夏の風物詩となりつつある近藤良平が創作した‘にゅー盆踊り’をメインにした盆踊り大会。今回から盆踊りリーダー養成ワークショップの会場に東京芸術劇場も加え、区内8カ所で踊りを学んだ240人の盆踊りリーダーが、通りすがりの人々と一緒に踊る。
[会]池袋西口公園
[問]あうるすぽっと(としま未来文化財団) Tel. 03-5391-0751
長野県飯田市8月5日~10日
いいだ人形劇フェスタ2014
「人形劇のまち飯田」で毎夏開催される日本最大規模の人形劇の祭典。16年目を迎える今年は「舞台の上は無限の世界」をテーマに、約270劇団が飯田市内外各所で公演を行う。特集公演として北海道の人形劇を取り上げるほか、海外人形劇の公演、「影絵人形を作ろう!」や「切り絵シアターで遊ぼう!」といった多彩なワークショップ(事前申し込み制)も開催。
[会]飯田文化会館、飯田市公民館ほか市内各所
[問]いいだ人形劇フェスタ実行委員会事務局 Tel. 0265-23-3552
滋賀県大津市 8月2日、3日
びわ湖ホールなつフェスタ
演劇、ダンス、パフォーマンスなど、さまざまなジャンルの舞台芸術を2日間で楽しむ毎年恒例のフェスティバル。シンプルな舞台装置と新演出による「子供のためのシェイクスピア『ハムレット』」の上演や、独自に発明した電動楽器を用いる明和電機の「メカニカルライヴ」など、ユニークな公演を満喫できる。
[会][問]滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール Tel. 077-523-7150
美術
北海道東川町 8月5日~9月3日
東川町国際写真フェスティバル2014
今年3月に「写真文化首都宣言」を行った東川町で、30回目を迎える写真祭。恒例の「写真の町東川賞」授賞式や受賞作家作品展、フォーラムなどに加え、多彩な展覧会やワークショップを展開。新たな試みとして、パリでの写真展デビューを目指す写真アーティストの才能発掘を目的とした公開審査会や、赤レンガ倉庫での展示を目的としたアーティスト・イン・レジデンス事業を開催する。
[会]東川町各所
[問]東川町写真の町実行委員会 Tel. 0166-82-2111
横浜市 8月1日~11月3日
ヨコハマトリエンナーレ2014
「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」
今回で5回目となる今年は、アーティスティック・ディレクターに森村泰昌を迎え、マイケル・ランディ、高山明、やなぎみわら、約65組70名を超えるアーティストと共に開催する。テーマに「忘却」を掲げ、「序章」に始まり「11の挿話」から成る本のように構成されるほか、同時期に開催される「札幌国際芸術祭2014」(topics参照)や、「福岡アジアトリエンナーレ」と連携し、3つの芸術祭が一体となる感覚を味わえるプログラムとなっている。また、中高生らが自分たちの感性で感じ取ったヨコハマトリエンナーレ2014の発見を小学生に伝える「ヨコトリ 夏の教室」なども開催。「東アジア文化都市2014横浜特別事業」にも位置づけられている。
[会]横浜美術館、新港ピアほか
[問]横浜トリエンナーレ組織委員会 Tel. 045-663-7232
横浜市 8月1日~11月3日(コア期間:8月1日~9月7日)
ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014
障害者と多様な分野のプロフェッショナルが協働して作品を生み出し、人々の出会いの場を創出することを目的に今年初開催。「first contact─はじめてに出会える場所─」をテーマに、メディアアーティストの真鍋大度と聴覚障害のダンサーとの共同作品や、障害の有無に関係なく誰もが参加できる会場づくりワークショップなど、多彩なプロジェクトを展開する。
[会]象の鼻テラス
[問]ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014開催事務局 Tel. 045-661-0602
広島市 8月21日~25日
第15回広島国際アニメーションフェスティバル
世界4大アニメーション映画祭のひとつに数えられ、広島市で2年に一度開催されている国際映画祭。今年は74カ国・地域から過去最多の2,217作品の応募があり、選出された59作品を上映し、公開審査で各賞を決定する。また、映画祭運営組織発足30周年を記念した歴代受賞作品特集や、今年の国際名誉会長であるアニメーション界の巨匠ブルーノ・ボツェットの大作『ネオ ファンタジア』の上映など、特別プログラムも充実。
[会]アステールプラザ
[問]広島国際アニメーションフェスティバル実行委員会 Tel. 082-245-0245
鹿児島県徳之島 7月26日~8月31日(夏期)
徳之島アートプロジェクト
奄美の島の芸術祭2014
徳之島特有の風習や文化、守られてきた島の自然を、現代アートを通して見つめ直すことを目的としたプロジェクト。両親が徳之島出身の写真家・宮本隆司がディレクターとなり、春・夏の2期に分けて展開。集会場や資料館での展示作品を発信源とし、周辺の自然や家々なども取り込むことで、徳之島そのものを「作品」として浮かび上がらせる。夏季はニューヨークを拠点に活躍しているアーティスト・長澤伸穂の「松ぼっくりワークショップ」や、宮本の「写真ワークショップ」など関連企画も多数開催。
[会]徳之島町金見公民館、伊仙町古里営農研修センター、歴史民俗資料館 ほか
[問]徳之島アートプロジェクト事務局 Tel. 080-9526-1736
総合
埼玉県川口市7月26日、27日
川口国際文化交流フェスティバル2014
今年で24回目を迎える恒例のフェスティバル。今回はドイツより「ラインフェルデン・エヒタディンゲン音楽学校オーケストラ」の44名が来日し、川口市の「青木フィルハーモニー吹奏楽団」と共演。ほかにも阿川泰子、山中千尋トリオらが出演するジャズコンサートや坂入姉妹による童謡コンサート、ベリーダンスの公演など、国際色豊かな企画が開催される。
[会][問]川口総合文化センター・リリア Tel. 048-258-2000
全国各地6月14日~10月13日
アサヒ・アート・フェスティバル2014
市民やアートNPOが主体となって企画・運営し、地域の魅力を引き出すと同時にコミュニティの活性化を目指すアートプロジェクトが全国各地で展開。13年目を迎える今年は過去最多の60団体が参加し、韓国からの応募を含む27団体が新規加入した。青森県の「八戸工場大学」や兵庫県の「生野ルート・ダルジャン芸術祭」など、工場や産業遺跡の歴史やあり方をアートを通じて見つめ直す企画や、宮城県の「つながる湾プロジェクト」や長崎県の「五島 海のシルクロード芸術祭」など、海によって培われてきた文化を再考する企画等、新たな展開も見られる。11月22日、23日には今年の成果発表とディスカッションをする「AAF2014報告会」を大分県別府市で開催。
[会][問]AAFネットワーク実行委員会 Tel. 03-6273-0002
TOPICS
恒例の大音楽祭を今年は富士の麓で開催
グランシップ音楽の広場2014 in Fuji
「3,000人で創る、真夏の大音楽祭」をテーマに毎年開催している「グランシップ音楽の広場」が、今年で7回目を迎えます。一流の音楽家を招き、公募による大編成のオーケストラと合唱団で名曲の数々を演奏するという、プロとアマチュア奏者が一緒になって創り上げる舞台です。
企画の元となったのは、ロンドンにて毎夏開催される大音楽祭「ザ・プロムス」。8週間にも及ぶイベントの最後を飾る、ホールでの大演奏会に着想を得て、4,600人を収容できるグランシップの「大ホール・海」を活かした企画として考案されました。今年は改修中のグランシップを飛び出し、富士山の麓、富士市文化会館ロゼシアターにて開催。大ホールと中ホールを結ぶ「ダブルステージコンサート」を試みるなど、新たな取り組みを展開します。
第2回から参加している広上淳一が指揮を担い、公募によって集まった総勢600人に及ぶ大オーケストラと大合唱団、そして富士市少年少女合唱団らが、R・シュトラウスやシベリウス等のクラシックから中島みゆきまで、さまざまなジャンルの曲目を披露。「元々静岡県は、アマチュアの演奏家グループが非常に多い土地柄。音楽文化の裾野を広げていくためにも、そうした県民の方々と創り上げる舞台には力を入れています」と広報担当の上條圭輔さん。
今回は「青春の思い出の曲」や「富士山に一番似合う曲」などを公募し、リクエスト曲として当日発表するなど、聴く側にもまた一層の楽しみがあり、まさに会場が一体となってつくり上げる一大イベントとなりそうです。
静岡市 8月3日
[会]富士市文化会館ロゼシアター
[問]静岡県文化財団 Tel. 054-203-5714
最先端のアートが札幌に集結
札幌国際芸術祭2014
2006年に「創造都市さっぽろ宣言」を行った札幌市で、「都市と自然」をテーマとした初の大規模アートフェスティバルが開催されます。ゲストディレクターに世界的に活躍する芸術家・坂本龍一を迎え、明治維新とともに開拓の始まったこの北海道という土地をアートを通して見直し、都市と自然との共生のあり方を模索していきます。
全72日間の芸術祭は、エキシビション、パフォーマンス/ライブ、プロジェクトの3つの要素で構成され、市内各所でさまざまなプログラムを展開。特に札幌市が2013年にユネスコの「メディア・アーツ都市」に認定されたこともあり、国内最先端の技術を駆使したメディア・アート作品や、今後活躍の期待される若手アーティストが集結。樹木の生体電位を音楽へと変換する坂本龍一+YCAM InterLabの「フォレスト・シンフォニー in モエレ沼」や、高谷史郎ディレクションの舞台芸術作品『CHROMA』等が発表されます。また、札幌駅と直結した約500mの地下歩行空間(チ・カ・ホ)では、複数のアーティストが自然や都市におけるさまざまな情報の流れを可視化・可聴化させた作品を展示する「センシング・ストリームズ」展を開催するほか、学生の作品展示やイベントなど多彩な催しを開催。またチ・カ・ホは1日7万人以上が利用することから、インフォメーションセンターの設置が予定されています。
さらに、地域を挙げて芸術祭を盛り上げ、広がりのある展開を図るために多数の連携事業も開催。空知地区炭鉱跡地でアートを通じた施設存続と地域再生を試みる「そらち炭鉱の記憶アートプロジェクト」(8月19日~9月28日)や、茨戸川緑地での「さっぽろふるさとの森づくり植樹祭&育樹祭2014」(9月24日)などと連携し、まさに「都市と自然」双方の魅力を発見できるフェスティバルとなりそうです。
札幌市 7月19日~9月28日
[会]北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、モエレ沼公園、北海道庁赤れんが庁舎ほか
[問]創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会 Tel. 011-211-2314
http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/