●平成25年度「邦楽地域活性化事業」(徳島県)終了報告
徳島県で実施した今年度の邦楽地域活性化事業は、現地での2回の研修会と、県内3市町(海陽町・小松島市・吉野川市)での学校アウトリーチ、各市町ホールでのワークショップの実施を経て、12月1日総括公演の開催で幕を閉じました。
地域創造レター2013年11月号(P2~3)でもお伝えしたように、3チーム9名の演奏家が「手法開発研修会」でつくり上げたプログラムを携え、各担当市町で実施した学校アウトリーチでは、チームの特色を生かしたさまざまな手法を用いて、子どもたちに邦楽器の魅力を伝えました。
各市町のホールが趣向を凝らしたワークショップでは、学校アウトリーチを体験した子どもたちも数多く参加し、実際に邦楽器に触れながらその音色を楽しみました。特に今年度の成果としては、各ホールでのワークショップ用の楽器の調達について、主催者の徳島県文化振興財団が、地元の邦楽関係団体や学校、個人の協力を得て楽器を手配できたことにあります。
これまでの本事業におけるワークショップでは、市町村ごとに楽器店からレンタルするなどして手配することが多かったのですが、今回は徳島県文化振興財団が一括して地域の関係者に対し楽器借用についての協力を依頼し、各ワークショップの日程と必要な楽器数に合わせて、それぞれの借用先から借用数を調整しながら準備することで、各市町の楽器手配の負担を軽減すると同時に、地域の邦楽関係者とのネットワークを構築することができました。
「“わ”の音色でおもてなし」と銘打った総括公演では、全演奏家があわぎんホール(徳島市)に再結集し、それぞれのチームが思いを込めた演奏で、まさに観客を「おもてなし」しました。
プログラム最後の参加演奏家全員による合奏では、同県出身のポップスアーティストが作曲した『HOME』(アンジェラ・アキ)と、『ハナノユメ』(チャットモンチー)をメドレーで披露。県内の邦楽愛好家の皆様にも演奏していただけるよう、徳島県文化振興財団が、地元の作曲家・増田篤志氏に邦楽器用のアレンジを委嘱しました。耳馴染みのよい軽快なメロディーにより、邦楽というジャンルや演奏家により親しみやすさが感じられ、演奏後は観客からの拍手に演奏家が手を振って応えるといった和やかな雰囲気に包まれての終演となりました。
●平成25年度「邦楽地域活性化事業」
[主催]
徳島県、公益財団法人徳島県文化振興財団
[共催]
財団法人地域創造
[地域交流プログラム実施団体]
海陽町、小松島市、吉野川市
[日程]
2013年8月8日.12月1日
[ディレクター]
岩朝利治(公益財団法人徳島県文化振興財団 次長兼事業課長)
[チーフコーディネーター]
児玉真(いわき芸術文化交流館アリオスチーフ プログラム オフィサー、財団法人地域創造プロデューサー)
[コーディネーター]
谷垣内和子(公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 実演芸術振興部 企画制作課長)
吉田真由美(公益財団法人日本伝統文化振興財団 理事・事務局長)
米澤浩(邦楽演奏家、NPO法人日本音楽集団)
[アドバイザー]
山﨑篤典(音楽・舞台プロデューサー)
[演奏家]
海陽町担当:横山佳世子、鎌田美穂子、平田紀子
小松島市担当:岡村慎太郎、山形光、黒田静鏡
吉野川市担当:日..章吾、光原大樹、田嶋謙一
[問い合わせ]
総務部 久保・布施
Tel. 03-5573-4056