一般社団法人 地域創造

「市町村長特別セミナー」終了報告

JIAMとの初共催で、全国から48名が参加して「市町村長特別セミナー」を開催

 地域創造では、文化・芸術による地域づくりへの理解を深めていただくための「市町村長特別セミナー」を実施しています。今年度は、市町村アカデミーとの共催による春のセミナーに続き、全国市町村国際文化研修所(JIAM)との共催によるセミナーが開催されました(10月17日)。今回の講師は、アートによる地域再生のパイオニアとして知られる北川フラムさん(当財団顧問)です。
  北川さんは、東京23区よりも広い農山村地域を舞台にした「越後妻有アートトリエンナーレ(大地の芸術祭)」、100万人近い動員で話題となった「瀬戸内国際芸術祭」を立ち上げたアートディレクター。講義では2つの事例を中心に、経験に裏打ちされたリアルな言葉が続きました。
  「大地の芸術祭は、新潟県が主導した市町村合併のためのソフト事業として立ち上がった。(合併対象の)越後妻有は、昭和の大合併前に約200の集落があった所。合併施策は効率化、一局集中に向かいがちだが、四国の八十八箇所巡礼をモデルにして、逆に集落のリアリティにこだわった事業を行った。…アーティストには場所の力を発見する力があり、自分の妄想を他者の場所に植えようとするところから交流が生まれ、協働が始まる。こういう汗をかいて地域と関わることを大地の芸術祭では行っている」と北川さん。単なる観光振興ではなく、地域と向き合うアートプロジェクトの真の意味について考えさせられた講義となりました。
  また、当財団の事業紹介の一環として、おんかつ支援登録アーティストによるミニコンサートが行われました。演奏したのは、昨年秋に「西洋と日本の弦楽器を組み合わせるとどうなるのか」というトライアルで初顔合わせしたヴァイオリンの早稲田桜子さんと箏デュオDual KOTO×KOTOで活躍する山野安珠美さんです。
  「ヴァイオリンは半音下の音を同時に出してビブラートをかけている」「箏は一度弾くと音が減衰する」など特徴を紹介しながらソロ演奏。加えて、宮城道雄『春の海』とヴィットーリオ・モンティ『チャールダッシュ』で合奏を披露し、豊かな絃の響きで会場を満たしていました。

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ミニコンサートの様子(左:山野安珠美さん、右:早稲田桜子さん)

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